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ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は24日夜、国民へのクリスマス演説動画を公表し、ロシアの攻撃に引き続き耐え抜こうと国民に呼びかけた。
ゼレンスキー大統領は、「自由の代償は高い。
しかし、奴隷になることの代償はそれよりさらに高い」と述べた。
ゼレンスキー氏はさらに、「戦争が始まった時、私たちは耐え抜いた。
攻撃や脅しや核の脅迫、恐怖、ミサイル攻撃を耐え抜いた。
今またこの冬も耐え抜こう。
私たちは、自分が何のために戦っているか分かっているので」と呼びかけた。
「この時期の行事をいつものように祝おう! 微笑んで幸せをかみしめよう。いつものように。ふだんとの違いはひとつ。私たちは奇跡を待たない。というのも、奇跡は自分で作るものだからだ」と、ゼレンスキー氏は語りかけた。
ウクライナ国民の大半はキリスト教ウクライナ正教会を信仰し、1月6日にクリスマス・イブを祝う。
ただし近年では、世界各地の大多数のキリスト教徒が12月24日にクリスマス・イブを祝うのに合わせて、ウクライナでも12月24日を特別な日として祝う人が増えている。
しかし、ミサイルやドローンによるロシアの絶え間ない攻撃で、ウクライナ各地は電力系など主要インフラが破壊されており、数百万人のウクライナ人が電気や暖房や水道が使えない状態にある。
首都キーウで取材するBBCのヒューゴ・バシェガ記者は、ウクライナでは多くの人が暗くて寒いクリスマスを過ごすことになると指摘。
それでも、2月24日に始まった戦争が11カ月目に入る中、長引く苦難によって自分たちは前より強くなるばかりだと多くのウクライナ人が話していると、記者は説明する。
〇24日にも攻撃続く
24日にはウクライナ南西部ヘルソンがロシアの攻撃を受け、少なくとも10人が死亡し、多数が負傷した。
現地当局が明らかにした。
市内中心部の住宅地や行政庁舎が被害を受けたという。
へルソン州の州知事によると、攻撃で10人が死亡したほか、18人が重体だという。
負傷者は約70人に上り、現地当局は住民に緊急の献血を呼びかけた。
攻撃後の現地映像では、地面に複数の人が倒れ、車両が燃え上がり、建物が破損している様子が見える。
ゼレンスキー氏はさらに、ロシアを「テロ国家」と呼び、「ただ単に我々を威圧し、自分たちが楽しむため」にこうした攻撃を重ねていると非難。
「我々がどのような絶対的な悪と戦っているのか、世界は目にして理解しなくてはならない」と強調した。
ロシアが今年2月にウクライナ侵攻を開始して以来、制圧した唯一の州都がヘルソン市だったが、11月11日にロシア軍は同市から撤退を完了した。
ウクライナ軍がヘルソンに入り、占領から解放して以来、ドニプロ川の対岸にとどまるロシア軍の砲撃が頻繁に続いている。
ロシアは一貫して、民間人を標的にはしていないと主張してきた。
ただし、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は今月8日、ウクライナのエネルギー設備破壊について「確かに我々がやっていることだ」と認めている。
24日にはウクライナ東部ドンバス地方でも激戦が続き、ロシア軍は戦略上の要衝となっているバフムートへの攻撃を重ねた。