多くの方にとって「児童養護施設」という存在に触れる機会は少ないだろう。
学区に施設があれば別だけど。
ボク自身が子どもの頃、隣の学区に児童養護施設があった。
何となく存在は知っていたけど、どんな子がいてどんな生活をしているのかは知らなかった。
まさに無知無関心そのもの。
普通はそんな感じで大人になっていくんだろう。
大人になってから歳を重ねていくんだろう。
「知らない」って、不安や怖さに繋がる。
「かわいそう」って、偽善的な同情に繋がる。
まぁ「無関心」よりは良いのかもしれないけれど。
昨日、とあるドラマを観ていたら、「児童養護施設」が出てきた。
これは珍しいコトではない。
むしろ「またか」って感じ。
気にしてみるとドラマには頻繁に「児童養護養護施設」が登場する。登場人物がかつて児童養護施設で育っていた…。犯人たちの絆はかつて施設で生活していた時に…。
ヤバい凶悪犯が実は小さな頃、親に虐待され、施設に…。
とりあえず児童養護施設で生活していたコトにしておけば、何だか分からないけど視聴者は納得し、感動するからオススメ!
脚本家の教科書かなんかにそう書かれているのでは?
そう疑いたくなる位、本当によく登場する。
ちょっと待ったーーー(>_<)
児童養護施設に勤める一人として声を大にして言いたい。
安易に不幸の象徴として使わないで
そりゃ一般家庭で育っている子ども達よりは様々な制約もあり、苦労もしている。
でも、その生活を辛く捉えている子もいれば、前向きに受け入れている子だっている。
「家に帰りたい」と思う子がいれば、「救われた」「やり直せる」と思う子もいる。
生活している子ども同士、仲良くて絆を感じている子もいれば、そうでない子もいる。
就職する子もいれば、進学する子もいる。
親との関係が良くなる子もいれば、距離を取るコトで互いが幸せな家族もある。
施設を出てから、結婚して子育てしている子もいれば、なかなか彼女彼氏が出来ない子もいる。
気軽に施設に遊びに来てくれる子もいれば音信不通になってしまう子もいる。
そりゃ悪いコトしちゃう子も中にはいるけどさ。
でもだから不幸な訳じゃないし、幸せになれる様にボク達は全力を尽くす。
要するに、子ども一人ひとり違うんだから一面的に描かないで~ってコト。
児童養護施設で生活している子たちもドラマは見る。
どんな気持ちになるんだろ。
嬉しくはないよなー。
とりあえず「児童養護施設=不幸」では決してない。
かと言って、ドラマチックで感動的な美談がありまくる場所でもない。
色々な事情で親と離れた子どもが、人生の一時期、生活する一人ひとりの「お家」なのである。
それ以上でもそれ以下でもない。
とは言え、普通に生活してたら児童養護施設のコトを知る機会もそこで生活する子どもに出会う機会も少ないだろう。
地域のニーズに応える施設作りはしていきたいけど、いつでも誰でもどうぞ~って訳にもいかない。という訳で、本日も休日使って、聖火トーチと共に、オレンジリボン活動を応援して下さっている企業さんを回って対話の機会を設けてきた。社員の皆さんにトーチを見せつつ、ボクの取り組んでいる活動について説明した。こういうコトの積み重ねがきっと、いつかどこかで誰かを支える力になる。きっと。久々に食べるマックフライポテトの美味さに感心しながら、そんなコトを思ったり、思わなかったり(^-^)不健康で健康で、健全で不健全で、ちゃんとしてたりしてなかったり、ボクもまた多面的だ。
でも人ってそんなもんだよね?
という訳で、どこかで児童養護施設で生活している子や、施設を出た子に出会ったら、色々フィルター通さずにその子の幸せ願って支えてあげて下さいねー。
彼らがステキな大人たちに出会えますように!
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