ばーばの独り言

愛する娘へ。孫と過ごす喜びと身辺の出来事

☆ 娘の夢

2009-04-28 01:19:10 | 
4月24日は娘の命日だった。

その翌日の夜遅く、というより25日の午前6時ごろ
重い眠りに着いた。

すると場面が街中のような場所に変わって
いつの間にか娘が来て、私の隣に立っていた。


彼女は見慣れたこの季節の服、ベージュの綿のカーディガンを着ていて
元気そうで私に向かってにっこりと微笑んだ。
「え! 良いの?」と私は聞いていた。

良いの? の意味は 
(あなたは亡くなって向こうの世界に行っている筈なのに、
 今、この世界に戻って来て大丈夫なのか?)
という意味なのである。

「うん、良いの。」と娘はあっさり答えた。

それで、私は久し振りに会えた娘の暖かな身体に飛びついて
ぎゅっと抱きしめた。
失った悲しみは思い出さず、今 目の前に居ることの幸せがあった。

私は彼女に、その後に起こったあらゆることを長々と話したと思う。
愚痴であったり、最近の世の嘆きであったり、映画の感想だったり
みんなみんな話したと思う。
元気な頃の娘と、様々な話題を熱中して夜遅くまで
話したように・・・

土曜日、ツレアイは出かけていて2日間は留守だった。

その日の午後12時過ぎ、起きたらぐったりと疲れていた。
胸の中に熱を持った塊のようなものがある。
なんだろう? 何が原因だろうとぼうっと考えた。
しばらくして 夢で娘に会った事を思い出した。

”夢で娘に会えてひとこと言葉を交わした”最初の部分しか
思い出さないけれど、そのあとの時間も昔のように
2人で熱く話し合って過ごしたような気がする。
心の中にその余韻が残っているのだから。


相変わらず気遣って慰めて下さる娘の友人の方達。
遠い外国から花を贈ってくる娘の恋人の存在が
私たち家族の心の救いになっている。

娘の恋人を激しく憎んだ時も恨んだ時もあった。
彼を憎んで、全てその人の責任にしなくては
生きていけない時もあった。

今は遠くから励ましあって生きて行こうとしている。
和解に至ったのは、両者の間に立って お互いの気持ちを
遠慮無くぶつけ合える場を作ってくれた娘の友人が居たから。
忙しい仕事と家庭の合間を縫って、メールの中継点になって、
双方に和訳、英訳していただき、アドバイスも頂いた。

最初は恨みをぶつける為のメールだったが、一年間も頻繁に
メールの遣り取りをしていると、相手を少し理解するようになる。
ある日、苦しみと罪の意識を背負っているのは、お互いなのだと
当たり前のことを気付くようになった。
そうなったら当事者同士、慰めあうしかない。

最初は惨憺たる内容のメールだったけれど、今考えると
1年間に渡るメールの遣り取りは、双方の心のリハビリにもなったと思う。
彼は心を病み、精神科の医者にに通い、私も同様だった。
私の内科医のカルテを覗いたら「原因性欝病」と書いてあった。
精神科医を紹介されたが、相性が悪くて1ヶ月で止めた。
かわりに30年前の主治医(内科医)を訪ね、入眠剤のマイスリーと
安定剤のコンスタンを処方してもらった。
今は安定剤は無くてもやっていける。

あの日からもう3年も経った。
今は私の心と身体の中で娘は生きている、と感じている。
娘が愛した全ての人は一人残らず 今 私の愛する人になって
いるのだから。

もう愚痴は言うまい、と思うけれど まだまだ言っている。

娘と私達を受け入れてくれる全ての人に感謝。
素晴らしい友人を残してくれた娘に感謝。






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4 コメント

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Unknown (オールドレディー)
2009-04-28 09:12:06
お久しぶりです。お孫さんができられてからお忙しいのでしょうね。

“夢で逢いましょう”って、お嬢さんとのお約束でしょうか、逢えてよかったですねと申し上げたらいいのかしら…。

思い出は楽しいことばかり残ればいい、時と共に悲しみも憎しみも薄らいでゆくから生きてゆけるのではないでしょうか。なんて、ばーばさんの心のうちなどわかりもしないのに、生意気言ってごめんなさい。

ばーばさんの今のお気持ちが、この壁紙のようにスッキリと、爽やかな初夏の風のようでありますように…。

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オールドレディーさんへ (ばーば)
2009-04-28 15:53:18
女の子の孫は母乳なのでお世話は今のところ無いのです。
それより自分が手掛け出した録音ボランティアの実践が動き出したり、畑仕事の時期になったり、歯が痛み出したりと4月になってから気は急いても、心と身体がついて行けません。 それが老化というヤツなんでしょうね。

娘のことは2年間、一瞬たりとも忘れることは出来なかったのに、今はこの世に居ないことを受け入れている所為か、寂しいけれどそれなりの生活を送っています。
レディさんの仰るとおり、思い出は美しく楽しく、憎しみは薄れて連帯感に変わりました。
今後どのように自分が変わっていくか解らないけれど、やっと一歩踏み出したボランティアの仕事と畑仕事が身に着くように努力していきたいと思います。
レディーさんの励まし”この壁紙のように”は効き目が有りましたよ。
その言葉を聞い清々しいてミントの香りが漂ってきましたもの(笑)
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今回のエントリーを ()
2009-04-29 21:33:50
読み出してすぐに、なぜだか涙が溢れてきました。多分自分と妹との事を思い出してしまったのでしょう。何も残さず突然逝ってしまったから、夢でもいいから話がしたいといつも思っているから。
きっとばーばさんと娘さんは、沢山の事を朝までいっぱい話し合っていたのでしょうね。

悲しみは無理に消さずとも、思い出と共に共存して行けたらいいな・・とそう思っています。
ミントの香り、私にも漂ってきましたよ!私も壁紙変えようかな~~(笑)
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Jさんへ (ばーば)
2009-04-30 01:05:30
いつも娘の夢を見たいと焦るのですが、そういう時は見ることが出来ないのですよね。 残された者は夢でしか会えないのですから、是非夢に出てきてほしいと私もいつも願っています。
きっと私が愚痴を言ったのでしょうけど、詳細を覚えていないのが本当に残念です。

私はこの先の話より、思い出の日数の方が長くなりました。
現在を生きながら、過去の懐かしい日々も思い出して心豊かに、と念じています。
ミントって、清々しい香りですよね~!
家のベランダにいつの間にか空鉢にいっぱい生えてきて雑草のように生命力が旺盛なのですよ。 可愛いと思ったら相手は見掛けに寄らず力強くて・・

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