関東暮らし

関西人から見た関東暮らしの出来事を記す

《おかしいことをおかしいという》

2012年06月02日 | コラム
#94=3025
2012年6月4日付
《おかしいことをおかしいという》
 「おかしいことはおかしいといえる勇気」―。某携帯電話会社のテレビCMの1節ですが、言葉自体には若干の共感を覚えます。とは言え、当たり前のことでも勇気が必要だとは、少々情けない。そうなっていない社会を風刺しているのでしょうか▼「若干の共感」は、おかしいことがあふれかえり過ぎているからです。国民負担が増えて生活を圧迫し景気後退・経済縮小必至の増税。大企業・富裕層との格差を広げる差別税制。転嫁できない事業者に利益を削って自腹を切らせる悪法。労働者を外注扱いし(実際にはリストラ・賃下げ)、税金を渡したことにして、戻し税額をつり上げ、濡れ手に粟の税金還付を受ける輸出大企業優遇税制▼そんな消費税の本質を国民の多くが、自らの生活実感としてとらえ、それで反対が多数になっているのに、大手メディアや一部知識人、民主党や自民党が、あえて「増税不可避」を展開するのは、「おかしい」の最たるものです▼NHKの日曜討論で、「国民の理解を得る」を繰り返し、国民は分かっていないと上から目線の野田首相の見解に対し、日本共産党の笠井議員は「国民は理解したうえで消費税増税に反対している」と切り返しましたが、これぞ「おかしいことをおかしいと言う」見本となる議論でした。

〈開業翌日のスカイツリー》2012年5月23日