骨の髄から腰抜け外交の日本とは雲泥の差。

2019年03月07日 | 国際紛争 国際政治 

骨の髄から腰抜け外交の日本とは雲泥の差。

流石は、トランプ閣下!!




米朝会談の決裂直後に北が譲歩案 米応ぜず

3/7(木) 12:32配信

産経新聞

 【ワシントン=住井亨介】米CNNテレビは6日、物別れに終わった2月末の米朝首脳会談で、トランプ米大統領が交渉を打ち切った後、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が新たな提案を崔善姫(チェ・ソンヒ)外務次官を通じて米代表団に伝えていたと報じた。

 報道によると、提案は会談2日目の2月28日にトランプ氏が滞在先のホテルを出発する準備をしていたころに行われ、寧辺(ニョンビョン)の核施設廃棄の見返りに制裁の一部解除を求める内容だった。米側が廃棄する対象範囲が不明確だと問いただすと、金氏は再び崔氏を通じて「寧辺のすべて」と回答したが、米側は交渉再開に応じなかった。解除する制裁の範囲やペースをめぐって隔たりが解消できなかったとしている。

 米国のビーガン北朝鮮担当特別代表は6日、ワシントンで外務省の金杉憲治アジア大洋州局長、韓国外務省の李度勲(イ・ドフン)朝鮮半島平和交渉本部長と協議。米当局者は協議について「北朝鮮の非核化に向け、継続的で協調的な取り組みについて話し合った」と説明した。

 トランプ氏は同日、ホワイトハウスで記者団に対し、北朝鮮が廃棄を約束したミサイル発射場の再建を進めているとの情報が伝えられたことについて、「もしそうなら、金委員長に非常に失望する」と述べた。

 トランプ氏は「非常に初期段階の報告だ」とした上で、「もう少し様子を見よう。最終的には解決される」と述べ、北朝鮮側の意図を見極める考えを示した。
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「アコギの音色」は稀少木材で良くなるのか?

2019年03月07日 | 音楽関係

「アコギの音色」は稀少木材で良くなるのか?
石田雅彦 | ライター、編集者
3/7(木) 15:37



 アコースティックな楽器の多くに木材が使われているが、絶滅が危惧される稀少な植物が含まれることもある。こだわりのあるミュージシャンは譲れないところかもしれないが、最近、ギターの材料の違いで本当に音色が変わるのかを実験した研究が出た。
乱伐されてきた稀少木材

 バイオリンやチェロなど弦楽器の弓材に最も適しているとされるのが、ブラジル産のブラジルボク(Caesalpinia echinata)、通称ペルナンブーコ(Pernambuco)という植物だ。西洋人が南米大陸へやってきてから、最初は染料として、やがて弦楽器の弓材として乱伐され続け、ついにほとんど見かけなくなってしまった。

 ペルナンブーコは現在、IUCN(国際自然保護連合)のレッドデータブックで絶滅危惧種に、ワシントン条約では輸出国の許可書が必要な付属書IIにされている。ブラジル政府や音楽家らによる保護団体などがペルナンブーコの植林活動を続けているが、樹木の特徴として成長が遅く、需要をまかなえるだけの数がまだ育っていない。

 硬い材質の木材は、プラスチックなどの人工樹脂が開発されるまで人類が多用した素材だ。娯楽目的でも現在ではチタン製に置き換わったが柿(パーシモン、Diospyros virginiana)がゴルフのドライバーヘッドに使われていたし、同じくカキノキ科で硬い特徴を持つ黒檀(エボニー、Ebony)の中でもインドやスリランカ産のセイロン黒檀(Diospyros ebenum)は家具やグランドピアノ、オーボエ、クラリネットなどの楽器に多用されてきた。

 硬い黒檀はギターやベースの指板にも使われ、ペルナンブーコと同様に乱伐され、インドとスリランカ政府はセイロン黒檀の輸出を禁止している。アフリカ大陸にも黒檀が生育しているが、ガボン黒檀(Diospyros crassiflora)はIUCNの絶滅危惧種に指定されている。

 森林乱伐の稀少な動植物の保護で現在、最も危機的状況な国の一つがマダガスカルだ。アイアイやキツネザルなどの霊長類はもちろん、黒檀や紫檀(ローズウッド、Dalbergia baronii、maritima)などの存在が脅かされている。マダガスカルの政情は不安定で経済は未発達だ。住民は依然として木材を燃料とし、焼き畑農業を続けている(※1)。

 紫檀では、ブラジリアン・ローズウッド(Dalbergia nigra)がワシントン条約の付属書I(すでに絶滅する危険性あり、商業のための輸出入禁止)、付属書IIは上記のものなど5種が記載され、年々その種は増えている。また、対象外だった加工品が記載に加えられるなど、規制が厳しくなっている。

 こうした高級木材は、アフリカゾウやサイ、トラなどが密猟されているように違法に伐採され、日本をはじめとした諸外国へ密輸されることも多い。ワシントン条約に違反した輸入品がネット・オークションに出回ることもあり、加工品になってしまうと追跡は困難だ。
バック材の違いは出るか

 バイオリンやゴルフ・ヘッドに限らず、アコースティック・ギター(アコギ)にも木材が使われている。一般的にはマツ科(トウヒ属、Spruce)やスギ材が、稀少木材としては紫檀や黒檀といった南方産の素材がアコギに多用されてきた。

 アコギの愛好者は多い。最初に自分で購入した楽器と質問すれば、エレキギターを含むギターという人は少なくない。特に40代50代の中高年男性の場合、アコギから楽器演奏に入るのはごく普通だった。

 そんなアコギに使われている木材も、ワシントン条約で手軽に扱うことができなくなっている。例えば、ワシントン条約の付属書に記載されている木材の場合、海外のメーカーへギターの修理を頼んだりすると輸出する際に日本の税関の、送り返す際にその国の許可手続が必要だ。好むと好まざるとに関わらず、我々は自然保護や環境保全の法規制に縛られるようになっている(※2)。

 こうした中、ギター・メーカーも天然資源の保全や先住民族の文化を尊重するような企業努力をするようになった。以前は、指板の黒檀を西洋文明が使い尽くすのは当然という製作者もいたが、今ではとうてい認められない考え方になっている(※3)。

 ギターの材質では、指板には硬い紫檀や黒檀が、表側のトップ材にはそれほど稀少ではないマツ科の木材やスギ材が、裏側のバック材やサイドにはカエデ科の木材(メイプル、Maple)、稀少な紫檀や黒檀が多く使われる。

 では、こうした木材の違いによってアコギの音色に違いが出るのだろうか。

 英国のランカスター大学などの研究グループは、特に音の伸び(サスティーン)に影響し、稀少な木材が多用されているサイドを含むバック材の違いを調べ、その結果を米国の音響学会誌に発表した(※4)。

 比較したのは、ブラジリアン紫檀、インド(セイロン)紫檀、カエデ科のメイプル、黒檀に変わって需要が高まっているサペーレ(Sapele、Entandroindrma cylindricum)、クルミ(Walnut、Juglans)の6種類だ。この中で、紫檀や黒檀は稀少であり、メイプルやクルミはそれほどではない。

 それぞれの木材をバック材に使い、トップ材や指板などは同じ木材で、英国のギター製作所であるフィルド・ギター(Fylde Guitars)に依頼し、ロジャー・ブックナル(Roger Bucknall)という製作者に依頼し、同じデザインのアコギを作ってもらった。これを52人のギタリストに、どの素材のギターかわからないよう、ゴーグルで目隠しして引き比べてもらった。

 6本のギターに対し、ギタリストたちは同じような評価を出したが、ブラインド・テストでは容易にそれぞれの違いを聞き分けることができなかった。研究グループは、少なくともバック材に関する限り、異なった木材を使っても差はごくわずかということがわかったといい、稀少材を使わずとも安くていいギターを作ることは可能と主張する。

 つまり、トップ材はそれほど稀少な木材を使わなくてもいいのだから、バック材でも違いがあまりない以上、アコギに稀少木材を使う理由はないだろう。アコギの音色に関していえば、木材をどれだけ寝かせて乾燥させるかや加工技術の優劣によると考えられる。もし仮に、稀少木材のせいで高価になっているとすれば、こうした研究が多くなるとアコギはもっと安くなるかもしれない。

※1:Annah Zhu, "Rosewood occidentalism and orientalism in Madagascar." Geoforum, Vol.86, 1-12, 2017

※2:James B. Greenberg, "Good Vibrations, Strings Attached: The Political Ecology of the Guitar." Sociology and Anthropology, Vol.4(5), 431-438, 2016

※3:Chris Gibson, et al., "Resource-Sensitive Global Production Networks: Reconfigured Geographies of Timber and Acoustic Guitar Manufacturing." Economic Geography, Vol.92, Issue4, 2016

※4:Samuele Carcagno, et al., "Effect of back wood choice on the perceived quality of steel-string acoustic guitars." The Journal of the Acoustical Society of America, Vol.144, Issue6, 2018






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アメリカ様、ありがとう!!日本はアメリカ様に骨抜かれたからヨロピクね。

2019年03月07日 | 国際紛争 国際政治 

良かったねえ~~~こうしてアメリカ様が守って下さってるんだよ。



米朝首脳会談決裂の後、米空軍B-52H大型爆撃機が日本周回

3/6(水) 21:20配信

FNN PRIME
米朝首脳会談決裂の後、米空軍B-52H大型爆撃機が日本周回

写真:FNN PRIME
トランプ大統領は、F-22Aラプターで米軍の戦力誇示

米朝首脳会談後の米朝の動きが複雑だ。
北朝鮮の金正恩委員長とのベトナムでの会談の後、トランプ米大統領は、3月1日、帰路、アラスカに立ち寄り、世界最強とされてきたF-22Aラプター・ステルス戦闘機の前に立って、米軍は、米国を攻撃するなという強力な警告だと強調した。トランプ大統領は、F-22Aラプターを米国の力の象徴として使用したのだろう。

【写真】B-52Hストラトフォートレス爆撃機とAGM-86巡航ミサイル、U-2Sドラゴンレディ高高度偵察機を写真で見る

首脳会談を含め、米朝交渉とは、北朝鮮の核やミサイルといった大量破壊兵器を巡る交渉であり、つまり、軍事力の基盤となる兵器を巡る交渉である。
北朝鮮、東倉里施設再建の兆し

朝鮮を研究するシンクタンク、CSISは、トランプ大統領がF-22Aラプターの前で、演説した翌日の2日に撮影した東倉里の西海衛星発射場の最新の衛星画像を、5日に公開した。

この施設は、衛星打ち上げロケットの発射施設の他、巨大なロケットエンジンの試験用の設備があることでも知られている。
施設内には、巨大な重機が入り、去年の米朝融和を受けて一度は“撤去”された施設の屋根などが再建されている様子が確認できるとしている。

CSISはこうした北朝鮮の活動について、米国への反発をアピールしようとした可能性があると指摘する。
米空軍、B-52H戦略爆撃機で日本周回

こうした中、米太平洋空軍は、フジテレビの問い合わせに対し「2019年3月4日、グアムのアンダーセン空軍基地から2機のB-52Hストラトフォートレス爆撃機を離陸させた」として、米朝交渉の後、B-52H大型爆撃機を活動させたことを認めた。

そして、「爆撃機の1機はグアムに帰還する前に南シナ海付近で訓練を行い、もう一機はグアムに帰還する前にアメリカ海軍と航空自衛隊の部隊と協力して日本の近隣で訓練を行った。
C爆撃機継続プレゼンス(CBP)任務は米軍の即応性を維持し、軍の統合及び合同の相互運用性を改善するための重要な要素である
2004年3月から日常的に使用されてきた米国インド太平洋司令部のCBP任務は、国際法および自由で開かれたインド太平洋に準拠している」と説明した。

B-52H爆撃機は、射程約2800km級の核弾頭搭載AGM-86B巡航ミサイルや射程1100km以上の通常弾頭搭載AGM-86C巡航ミサイルを最大20発搭載可能。
南シナ海に飛んだ1機のB-52Hは、中国をけん制したとみられる。

だが、もう1機のB-52H爆撃機の動きに関して、航空機の動きの情報を扱う専門サイト「@AircraftSpots」が作成した図によると、グアムを離陸したB-52H爆撃機の1機は、沖縄県の南東から北上して、東シナ海に入り、九州と対馬の間を通って、日本海へ。本州の西側に沿うようにして、北東に向かい、青森県と北海道の間を抜けて、太平洋に出て、グアムに戻ったことになる。

上記のAGM-86Bなら、東シナ海に入ったあたりから日本海飛行中は、北朝鮮が射程内ということだったのだろう。

U-2Sドラゴンレディの嘉手納展開継続は、日米韓関係の象徴か

そして、1月23日、24日に沖縄・嘉手納基地に展開したU-2Sドラゴンレディ高高度偵察機4機は、同基地で離発着を繰り返し、3月6日時点でも、展開を継続している。

本来は、韓国内の基地に分遣隊として派遣されるU-2Sドラゴンレディだが、高高度から映像・画像情報を収集するセンサーの塊で、機関砲もミサイルもない、丸腰の軍用機だ。
さらに、離陸の際に外れる主翼の下の車輪を着陸時には、クルマで追跡し、停止したところで、車輪を取り付ける。軍用機としては、かなり、特異な存在であり、脆弱ともいえるかもしれない。
極東の軍事情報収集という極めて重要な役割を果たすドラゴンレディだが、その脆弱性や情報の流れゆえに展開先を、韓国ではなく、沖縄県に移しているのなら、日・米・韓の現在の関係を象徴しているようにも受け取られるかもしれない。

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透析中止の女性、死の前日に「撤回したいな」 SOSか、夫にスマホでメールも

2019年03月07日 | 病気 余命を考える 死を迎える準備

医師が「死」の選択肢提示 透析中止、患者死亡 東京の公立病院

3/7(木) 5:01配信

毎日新聞
医師が「死」の選択肢提示 透析中止、患者死亡 東京の公立病院

東京都による立ち入り検査が行われた公立福生病院=東京都福生市で2019年3月6日、宮武祐希撮影

 東京都福生市と羽村市、瑞穂町で構成される福生病院組合が運営する「公立福生病院」(松山健院長)で昨年8月、外科医(50)が都内の腎臓病患者の女性(当時44歳)に対して人工透析治療をやめる選択肢を示し、透析治療中止を選んだ女性が1週間後に死亡した。毎日新聞の取材で判明した。病院によると、他に30代と55歳の男性患者が治療を中止し、男性(55)の死亡が確認された。患者の状態が極めて不良の時などに限って治療中止を容認する日本透析医学会のガイドラインから逸脱し、病院を監督する都は6日、医療法に基づき立ち入り検査した。

【悲痛】女性が夫に送った最後のメール

 ◇ガイドラインから逸脱 都が医療法に基づき立ち入り検査

 外科医は「透析治療を受けない権利を患者に認めるべきだ」と話している。病院側によると、女性は受診前に約5年間、近くの診療所で透析治療を受けていた。血液浄化用の針を入れる血管の分路が詰まったため、昨年8月9日、病院の腎臓病総合医療センターを訪れた。外科医は首周辺に管を挿入する治療法と併せ、「死に直結する」という説明とともに透析をやめる選択肢を提示。女性は「透析は、もういや」と中止を選んだ。外科医は夫(51)を呼んで看護師同席で念押しし、女性が意思確認書に署名。治療は中止された。

 センターの腎臓内科医(55)によると、さらに女性は「透析をしない。最後は福生病院でお願いしたい」と内科医に伝え、「息が苦しい」と14日に入院。ところが夫によると、15日になって女性が「透析中止を撤回する」と話したため、夫は治療再開を外科医に求めた。外科医によると、「こんなに苦しいのであれば、また透析をしようかな」という発言を女性から数回聞いたが、苦痛を和らげる治療を実施した。女性は16日午後5時過ぎに死亡した。

 外科医は「正気な時の(治療中止という女性の)固い意思に重きを置いた」と説明。中止しなければ女性は約4年間生きられた可能性があったという。外科医は「十分な意思確認がないまま透析治療が導入され、無益で偏った延命措置で患者が苦しんでいる。治療を受けない権利を認めるべきだ」と主張している。

 日本透析医学会が2014年に発表したガイドラインは透析治療中止の基準について「患者の全身状態が極めて不良」「患者の生命を損なう」場合に限定。専門医で作る日本透析医会の宍戸寛治・専務理事は「(患者の)自殺を誘導している。医師の倫理に反し、医療とは無関係な行為だ」と批判している。外科医は女性について「終末期だ」と主張しているが、昨年3月改定の厚生労働省の終末期向けガイドラインは医療従事者に対し、医学的妥当性を基に医療の中止を慎重に判断し、患者の意思の変化を認めるよう求めている。

 東京都医療安全課の話 生命尊重と個人の尊厳保持という医療法の理念通りに病院が適正に管理されているかを確認している。

 厚労省地域医療計画課の話 一連の行為は国のガイドラインから外れ、現在の医療水準や一般社会の認識からも懸け離れている。【斎藤義彦】

 ◇人工透析治療

 人工膜や腹膜を使い、血液中の老廃物や毒素、水を除く治療法。人工膜を使った血液透析では通常、週3回で各4時間、腕の血管を透析器につないで血液を浄化する。腎臓が機能しない腎不全に有効で、長期生存が可能になる。1950年代に実用化され、国内では67年に健康保険の適用になった。72年からは更生医療(現・自立支援医療)により自己負担が軽減され、広く普及している。患者らでつくる全国腎臓病協議会によると、薬や機器の進歩で患者負担が軽減され、大多数は苦痛なく治療を受けている。ただ、疲れが出て腰が痛くなったり、針を刺す痛みを強く感じたりする人も一部にいるという。
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<“自業自得な人工透析患者”批判が粗雑で残念な理由>





透析中止の女性、死の前日に「撤回したいな」 SOSか、夫にスマホでメールも

3/7(木) 5:01配信

毎日新聞
透析中止の女性、死の前日に「撤回したいな」 SOSか、夫にスマホでメールも

女性のスマホの画面。死の前日の昨年8月15日に「何時来るの?」と夫に付き添いを催促。容体が悪化した翌16日午前7時50分、「とう(父)たすけて」と読めるメールを送ったのが最後になった=2019年2月10日午前8時43分、東京都内で斎藤義彦撮影

 「とうたすかかか」。スマートフォンに残されたメールの平仮名7文字は、助けを求める最後のSOSだったのか。公立福生病院(東京都福生市)で明るみに出た「死」の選択肢の提示。亡くなった腎臓病患者の女性(当時44歳)の夫(51)が毎日新聞の取材に胸中を明かした。

【透析患者数と平均年齢の推移】

 「(死亡から)半年過ぎてもダメ。何とか気持ちの整理はつけたつもりだけど、だいぶ引きずっている」。そう夫は明かす。同じ団地に住んでいた女性と知り合って約30年。結婚後は3人の子どもを2人で育てた。女性が人工透析治療を始めてからは医療機関への送り迎えなどで支えた。

 昨年8月9日、病院から突然呼び出された。見せられたのは透析治療をやめる意思確認書。いっぺんに力が抜け、受け入れるしかなかった。「透析に疲れちゃったのかな……」。迷ったことは覚えているが、承諾した理由ははっきりしない。

 死の前日(同15日)のことを悔やむ。夫によると、病室で女性は「(透析中止を)撤回したいな」と生きる意欲を見せた。「私からも外科医に頼んでみよう」。そう思って帰宅しようとしたところ腹部に痛みが走った。ストレスで胃に穴が開き、炎症を起こしていた。外科医に「透析できるようにしてください」と頼み、同じ病院で胃潰瘍の手術を受けた。翌16日、麻酔からさめると女性は既に冷たくなっていた。

 「透析治療の中止は『死ね』と言っているようなものだ」と夫は言う。治療を再開しなかった外科医に対する不信感は消えない。「医者は人の命を救う存在だ。『治療が嫌だ』と(女性)本人が言っても、本当にそうなのか何回も確認すべきだと思う。意思確認書に一度サインしても、本人が『撤回したい』と言ったのだから、認めてほしかった」

 今も胸を締め付けるのは、助けを求めたとみられる女性からの1通のメールだ。夫は手術の際、自分のスマホを病院に預かってもらった。退院して電源を入れるとメールが届いていた。「とうたすかかか」。死の当日(16日)の午前7時50分の発信。自分も病室で横たわっていた時刻だ。「とう」は「父ちゃん」の略で、夫の愛称だという。死の間際、「父ちゃん、たすけて」と打とうとしたのではないか――。

 形見になった平仮名の7文字。「あの時すぐにメールを見ていれば、助けに行って、透析治療を受けられるようにしてあげたのに。今も生きててほしかった」【斎藤義彦】

 ◇都が立ち入り検査 「自己決定ゆがめられなかったか」など調査へ

 東京都医療安全課は6日午後、医療法に基づき公立福生病院を立ち入り検査した。同法は病院の設置許可や管理・運営を規定。都道府県知事などは必要があれば検査を実施し、カルテなどの資料を提出させる権限がある。

 同日午後3時40分ごろ、都医療安全課の職員数人が病院に入り、検査は午後6時20分ごろに終了した。

 医療法は、患者に対する正確で適切な情報提供を病院側に求めている。外科医らの行為について都は今後、▽標準的な医療に基づいて治療の選択肢が提示されたか▽適切でない情報で、死亡した女性の自己決定がゆがめられなかったか――などを調べるとみられる。

 都は2016年5月~17年3月、都内の計240病院を立ち入り検査し、安全管理体制などについて181病院を文書や口頭で指導している。【矢澤秀範、梅田啓祐】
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<医師、患者の迷い軽視>いったん「死」を選んだ彼女に何があったのか
<医師が「死」の選択肢提示>透析中止、患者死亡
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<公立福生病院の外科医・腎臓内科医、一問一答>
<知っておきたい>人工透析治療とは




どこまで「自己決定」だったのか 人工透析患者「死」の選択肢

毎日新聞2019年3月7日 08時24分(最終更新 3月7日 08時33分)



東京都による立ち入り検査が行われた公立福生病院=東京都福生市で2019年3月6日、宮武祐希撮影

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 東京の「公立福生病院」で昨年8月、腎臓病患者の女性(当時44歳)に対して外科医の人工透析治療をやめる選択肢を示し、透析治療中止を選んだ女性が1週間後に死亡した。人工透析治療の中止は、死という悲劇的な結果をもたらす。血液透析は「人工腎臓」と呼ばれ、腎臓が全く機能しなくなり尿も出なくなった人のために、機械が老廃物や毒素を取り除く。腎不全で亡くなっていたはずの人が何十年も生きられる。逆に、血液透析をやめれば体内に毒素がたまり、今回の女性のような比較的若い人なら、1週間程度で例外なく亡くなる。

【透析患者数と平均年齢の推移】
<医師、患者の迷い軽視>いったん「死」を選んだ彼女に何があったのか
<医師が「死」の選択肢提示>透析中止、患者死亡
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<知っておきたい>人工透析治療とは
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<人生の最後を自分らしく終えるため「死」の質>

 それゆえに、医療の枠組みの中で「死の選択」が行われていたことは驚きだ。医療機関は治療する場所のはずだ。ところが今回は医療機関内で死が選ばれ、実行された。透析治療そのものへの批判が外科医の動機だったことにも衝撃を覚える。

 医療現場で治療法の選択を迫られ、意思確認書を書くことが死に結びついた点は重大だ。患者はインフォームドコンセント(十分な説明に基づく同意)や「自己決定」を求めて運動し、選択権を得た。だが、その選択権に「死の自己決定」は含まれるのか。法的にも倫理的にも結論は出ていない。

 終末期ではない患者に死ぬ選択肢を医師が示し、実際に患者が死亡した事例は、これまで国内では確認されていない。外科医の行為は非倫理的だとして排除されるのか。それとも、生を諦めた患者が透析治療を選択しない時代が到来するのか。重くて鋭い問いが突きつけられている。【斎藤義彦】
人工透析治療

 人工膜や腹膜を使い、血液中の老廃物や毒素、水を除く治療法。人工膜を使った血液透析では通常、週3回で各4時間、腕の血管を透析器につないで血液を浄化する。腎臓が機能しない腎不全に有効で、長期生存が可能になる。1950年代に実用化され、国内では67年に健康保険の適用になった。72年からは更生医療(現・自立支援医療)により自己負担が軽減され、広く普及している。患者らでつくる全国腎臓病協議会によると、薬や機器の進歩で患者負担が軽減され、大多数は苦痛なく治療を受けている。ただ、疲れが出て腰が痛くなったり、針を刺す痛みを強く感じたりする人も一部にいるという。
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