新型肺炎、中国の感染者は「10万人超」か 安倍首相「渡航制限の拡大を躊躇なく行う」に安堵も…政府は果断な対応を
2/8(土) 16:56配信
夕刊フジ
【有本香の以読制毒】
3週連続ではあるが、中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスについて今週も寄稿したい。
5日現在、わが国での感染者は35人。一方、中国の保健当局、国家衛生健康委員会が5日発表したところでは、中国本土の患者数が2万4324人となったという。前日の発表から新たに3887人増えている。この増え方だけを見ても収束が程遠いことは明白だが、世界の研究者からは、さらに憂慮すべき数字が示されている。
日本の北海道大学医学研究院で、理論疫学(流行データの分析)を専門とする西浦博教授は4日、「現時点で中国の感染者は10万人に上る」との推計を明らかにした。
脅かすわけではないが、さらに恐ろしい別の数字も紹介すると、先月24日、英米2カ国の大学の研究者からなるチームは、2月4日までに武漢市だけで感染者数が25万人以上、最大で35万人に達する可能性がある-と警告していた。
これらを見るだけでも、新型コロナウイルスについては依然、未知の部分が大きいことに加え、中国政府の発表が真実とかけ離れたものであろうことが分かる。
これに関連し、筆者には一つ引っかかることがある。西浦教授の会見内容を報じた日本の特定メディアのある論調だ。
「中国での感染者10万人」という衝撃的な数字を見出しやリードに取るマスメディアが多いなか、なぜか毎日新聞(ネット版)はこの数字を本文でも一切伝えていない。何処への忖度(そんたく)か、「恐れるに足らず」の論調が際立っていた。
西浦教授の発表に話を戻すと、教授は感染者数の他にも、次の推計を公表している。
(1)一般的な潜伏期は5日間(2)平均1人の患者が潜伏期間中に1人、発症後に1人に感染させている(3)感染者の半数は最後まで症状が表れない「無症候性感染」の可能性あり(=無症候性でも他人に感染させるかは不明)(4)感染者全体の死亡率は現時点で0・3~0・6%。これはSARS(重症急性呼吸器症候群)の約10%と比べると大幅に低いが、季節性インフルエンザと比べると10倍以上だという。
結論として、西浦教授は「健康な成人なら適切な治療を受ければ亡くなる人はほぼいないと考えられる致死率だ。基礎疾患があるなどリスクの高い人への対応が必要になってくる」と延べている。
日本政府には西浦教授の推計含む、国内外の研究者らからの膨大な情報が上がっているだろうが、それらをもって適切な判断を下すのが政治家の仕事。ただし、この際に重要となるのがスピードだ。情報に振り回されタイミングが遅れれば、「良き決断」も水の泡となる。
安倍晋三首相は5日午後、「渡航制限の拡大を躊躇(ちゅうちょ)なく行う」と衆院予算委員会で言明した。筆者は「ようやく」という安堵(あんど)の思いを抱きながら、同日午後、同じくこの答弁に胸をなで下ろしている一人のインフルエンサーを訪ねた。
夕刊フジでもコラム「Yes! 高須のこれはNo!だぜ」(月曜掲載)を連載中の高須クリニック院長、高須克弥氏だ。
高須氏は先月、中国政府が武漢市を封鎖する前から自身のツイッターで、「渡航制限を」と懸命に訴えてきた。医療関係者を名乗る匿名アカウントから慎重論が多く出ていたこともあり、高須氏には誹謗(ひぼう)中傷も寄せられた。しかし、氏は意気軒高そのもの、翌朝にがんの手術を控えているとは思えない「元気」な様子で語った。
「古いことわざで、『上医は国を医し、中医は人を医し、下医は病を医す』と言うでしょう。政治家の皆さんには『国を治す』という意識、防疫は国防だという視点で動いてもらいたい」と切り出し、日本の行政に苦言を呈した。
「僕は国を守ることを訴え続けたんだけど、残念なことに全然動いてもらえなかった。『広がる前に早く』と必死に訴えたけど。動きが遅いよね」
まったく同感だ。
一方、高須氏は安倍首相の「躊躇なく行う」との発言を評価し応援するともツイートした。果たして今後、日本政府が、前例にとらわれ過ぎない果断な対応を見せるか。筆者も期待半分で厳しく見つめてまいりたい。
新型肺炎で中国70都市“封鎖”に!? 1億6千万人が事実上“幽閉状態”…習政権の初動対応遅れに国内外から不満噴出 専門家「中国経済の終わりの始まりだ」
2/8(土) 16:56配信
夕刊フジ
新型肺炎で中国70都市“封鎖”に!? 1億6千万人が事実上“幽閉状態”…習政権の初動対応遅れに国内外から不満噴出 専門家「中国経済の終わりの始まりだ」
中国で発生した新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。7日朝までに、中国本土での感染者は3万1161人、死者は636人となった。集団感染が確認されている大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」から、新たに41人の陽性反応があり、日本国内で報告された感染者は86人に上った。中国国内では、湖北省武漢市をはじめ「封鎖都市」が激増している。少なくとも34都市との報道もあり、1億6000万人近くが、事実上の“幽閉状態”とみられる。「外出禁止」も含めると70都市以上との指摘もある。国内外では、初動対応に遅れた習近平国家主席率いる中国政府への不満が噴出し始めた。中国の国際的地位の低下も確実で、このまま新型肺炎の封じ込めに失敗すれば、共産党一党独裁体制が崩壊しかねないとの見方もある。
《武漢肺炎拡散加速 中国34座城市封城》
台湾紙「自由時報」(6日付)などによると、中国では現在、浙江省杭州や、河南省鄭州、江蘇省南京などで住民の移動を制限する「封鎖式管理」が実施されており、少なくとも34都市に上るという。
中国の各都市の正確な人口を把握するのは難しいが、メディアや金融機関の資料をもとに加算すると、計約1億5695万人(推計)となった。日本の総人口(約1億2600万人)より多い。中国の人口は約14億人(中国国家統計局調べ)だけに、約11%が封じ込められていることになる。
共産党独裁国家の情報発信や、「中国ベッタリ」と揶揄(やゆ)される世界保健機関(WHO)の見解はそのまま信用できないが、中国本土の感染者や死者は確実に増えているようだ。
実際の感染拡大をどう見るべきか。
数理モデルを活用して、感染症の予防に取り組む第一人者、北海道大学医学研究院(理論疫学)の西浦博教授は4日、都内で記者会見した。
西浦氏は「2月第1週までに、中国国内での感染者が10万人に達するのは間違いない」「(感染者が10万人規模となれば)死者数は数百人というレベルでは収まらなくなる」「この感染は5月ごろまでは続く」との推計と分析を発表した。
英国と米国の研究チームも先月末、2月4日までに武漢市だけで感染者が最大35万人になるとの研究結果を明らかにしている。
中国政府は現在、34もの都市を封鎖し、日本の人口より多い人々を閉じ込めている。今後、尋常ではない被害規模となる危険性がある。
このためか、米国やオーストラリア、ニュージーランドなどは、中国全土を訪問した外国人の入国を暫定的に禁止した。新型肺炎の感染拡大次第では、国際社会による「中国批判」が吹き荒れかねない。
国際政治学者の藤井厳喜氏は「初動対応の遅さや情報操作など、共産党独裁国家・中国の体質があらわになった。今後、世界に信用されず、やりたい放題が通じなくなるのは間違いない。世界第2位の経済大国といっても、資本主義社会の技術と資本を利用したまでだ。そんな国が、米国との貿易戦争に勝てるはずもない。いずれ中国経済は世界経済から『隔離』される。終わりの始まりだ」と語った。
■人民解放軍にまで感染広がれば…
中国国内からも反旗を翻す動きが出た。
名門・清華大学の許章潤教授(停職処分中)が、習近平指導部の対応を厳しく非難する、以下のような文書をインターネット上に公開した。
「感染症を前に統治機能は働かず、製造大国と言いながらマスクの調達すら危うい」「彼ら(習指導部)は無数の生命がバタバタと倒れているときに、自らの功績をたたえている恥知らず」「人民はもう恐れない」
政治体制の転換を訴える直言といえる。
中国事情に詳しい評論家の石平氏は、「武漢市当局はかなり前から、中央政府に新型肺炎の深刻さを報告していたが、何ら指示がなかったとされる。これが初動対応の遅れにつながった。次々と都市が封鎖され、機能不全に陥った地方の不満は高まっている。習氏の『個人崇拝』が崩れつつあるのは確かだ。今後、人民解放軍にまで感染が広がれば、中国全土で暴動が起きかねない。共産党体制が揺らぎ、天下大乱となる」と予測した。
日本は大丈夫なのか。
石平氏は「日本政府は即刻、中国にいる邦人全員に帰国勧告を出すべきだ。『都市封鎖』の広がりを受け、入国制限の対象を中国全土に広げなければならない。それこそ危機管理だ」と語っている。
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まるで昏睡状態、新型ウイルスで静止した巨大都市・上海
2/8(土) 16:53配信
AFP=時事
まるで昏睡状態、新型ウイルスで静止した巨大都市・上海
中国・上海の外灘(バンド)で、マスクをして歩く通行人(2020年2月7日撮影)。【翻訳編集】 AFPBB News
【AFP=時事】中国・上海であえて外出する住民はめったにいないが、外に出れば見慣れぬ光景――超現実的な平穏と静寂に迎えられる。そんな状況が1週間超続いている。
【図解】新型コロナウイルス、感染者が確認された国と地域(7日23時現在)
多数の死者を出している新型コロナウイルスの流行のために、中国のかなりの部分が活動停止に追い込まれた。だが、同国で最大かつ最も活気に満ちた都市・上海ほど激変した都市はおそらくほかにないだろう。
交通渋滞と歩道の雑踏、職場に急ぐ会社員は消え去り、不気味なほど閑散とした道路とシャッターが下りたバーや商店が取って代わった。ごくまれに見かける歩行者といえば、いつも防護マスクを着けている。
巨大都市を多数抱える中国でも最多の人口を誇る上海だが、定番の待ち合わせスポットは中性子爆弾でも落とされたかのようだ。
中心部を流れる黄浦江(Huangpu River)を挟んで対岸に近未来的な金融街を臨む風光明媚(めいび)な外灘(バンド、Bund)エリアは平時なら、欧州風の歴史的建築物に見とれる人々であふれている。
しかし、いつも黄浦江を行き交う大量の荷物を積んだ荷船の姿はなく、そびえ立つ超高層ビル群にもほとんど人けがない。
この静寂を破るのは、時折流れてくる築93年になる上海税関(Shanghai Customs House、旧江海関)の屋上にある高さ90メートルの時計塔の鐘の音だけだ。
上海はこれまでのところ、中国の都市で見られるような全面封鎖または一部封鎖を免れている。
しかし住民たちは、大量のテキストメッセージやけたたましい行政無線を介して伝えられる不要不急の外出を避けるようにとの指示におおむね従っている。出歩く時はたいてい、どちらかの端に大きく寄って、対面から歩いて来る人々を避けている。
中国政府は自宅で待機している人々に向けて、在宅運動のやり方や、肺炎に似た症状での死を考えることからくるストレスを避ける方法などに関する助言を絶え間なく流し続けている。
政府が配布したあるチラシには、「人民を不幸にするマスコミ報道への接触を減らし、不安と悩みも減らそう」と明るく書かれている。
しかし、多くの人にはこの上ない退屈がのしかかっている。
政府がストレス軽減方法についてソーシャルメディアに投稿すると、あるユーザーが「とにかくはっきり言えるのは、家の中にいるのはもううんざりということ」とコメントした。
新型コロナウイルス危機に陥った数日後、上海は晴天に恵まれ、同じところに閉じ込められて気が変になった大勢の市民が太陽に誘われて外に出た。すると政府はソーシャルメディアに、「太陽の下に立っても、殺菌にはならない」と投稿した。【翻訳編集】 AFPBB News
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新型コロナウイルスで“2億人リモートワーク”の中国、「パジャマでビデオ会議」ミス続出でネットに笑いが戻る
2/4(火) 15:04配信
ハフポスト日本版
新型コロナウイルスで“2億人リモートワーク”の中国、「パジャマでビデオ会議」ミス続出でネットに笑いが戻る
ディントークの公式動画より
新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大が続く中国では、春節休みを終え仕事始めを迎える職場も出てきた。
中国では感染予防のため多くの企業がリモートワークを採用。2億人近くが自宅などで作業したというが、慣れないリモートワークのためパジャマ姿でビデオ会議に登場するなどのミスが相次ぎ、肺炎関連の暗い話題が多いネット空間に笑いをもたらしている。
春節休みを延長
中国では新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大のため、政府が春節休みを2月2日まで3日間延長していた。その休みも3日に明け、多くの職場で晴れて仕事始めとなったが、出勤による感染を避けるためリモートワークを採用する企業なども多い。
これを支えるのが現地の巨大IT企業だ。テンセントのサービス「ウィーチャットワーク」は1月28日、企業向けに同時に300人まで利用できるビデオ会議システムなどを無料で開放した。
また、IT大手・アリババグループ傘下で、同じくビデオ会議システムなどを提供している「釘釘(ディントーク)」によると、この日だけで1000万の組織、人数にして2億人近くがリモートワークを実施したという。ディントークは一時、つながりにくい状態になったが復旧した。
テレビ会議、みんなパジャマだった
普段オフィスに出勤するのが前提の企業も含め、一斉にリモートワークを取り入れた中国。慣れない事態にミスが続出し、多くのネットユーザーが自らの失態を告白している。
多いのが「パジャマ党」だ。家でパソコンをいじっているときにテレビ会議が始まり、参加してみたらボスを含めて全員パジャマだった、などのエピソードが笑いを誘っている。
さらに、ビデオ会議システムの操作に慣れていなかったのか、うっかりスマホの画面をシェアしてしまい、ホーム画像にしていた推しの男性有名人(上半身裸)が同僚に行き渡る...という悲痛な叫びも寄せられた。上司からは「イケメンだね」とフォローされたというが、スルーしてくれた方がありがたかったかもしれない。
このように身も心も(?)お家モードのまま働く人のために、ディントークは「美顔モード」を推奨している。自動で顔にフィルターをかけてくれるもので、ユーザーの多くは美顔モードをオンにするか、いっそカメラをオフにするかの選択を迫られている。
中国のネット空間は、話題のほとんどを新型コロナウイルスによる肺炎が占めている。感染者数が2万人を超えるなど暗いニュースが続くなか、今回の騒動は貴重な笑いをもたらしている。
高橋史弥(Fumiya Takahashi)
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