楡周平著「陪審法廷」

楡周平著「陪審法廷」を読んだ。
重大事件に少年法が適用されないアメリカで15歳の少年が殺人を犯した。
陪審員が評決を下す小説だ。
電子書籍配信サイトで2005年６月から連載され2007年に単行本になったそうだ。

裁判員制度が始まり映画でしか見たことがなかった市民が評決を出す裁判がマスコミで知らされるようになった。
物語は少年は第一級もしくは第二級殺人の有罪か無罪を陪審員に問うが、心身喪失状態で責任能力がないとされる事件を目にする昨今、自分の常識や日常感覚とかけ離れた判決に違和感を持つが裁判員制度そのものは法律や過去の判例だけで判断しないでそうした一般市民の日常感覚を生かそうとすることだろう。

マスコミ報道と言うフィルターを通してしか知らないが死刑反対のための弁護とか、人は人を裁けるのかとか、人生なんとも悩ましい。