終戦から65年。その時うさぎちゃんは9歳だった。
それから人生の大半を過ごした。あと平均余命生きたとして10年余りだ。
この間にいろいろの事があった。
人生の終わるとき「ああよかった」と思える生き方がしたいと思っているが果たしてどうなることやら?
この処テレビ等で戦時中のことや、終戦直後のことを放送している。
今年は65年過ぎた節目の年だとかで、例年以上に戦時中のことを放送しているように思う。
見ていると、うさぎちゃんの想像も出来ないような大変な目に遭われた方々の話が語られている。
これに比べてうさぎちゃんのささやかな戦中戦後の体験は、空襲でにげたこと、食べ物がなくサツマイモやナンキンばっかり食べたこと、教科書も文房具もなく、何もないないづくめだったこと。
何よりも戦後一番途惑ったのは、日常の暮らしそのものだった。いろんな出来事が180度変わった。
まず最初に変わったのは、これまで神社は神聖な場所として、前を通る時は立ち止まってお辞儀していた。これが神社、仏閣の礼拝は禁止された。
これはわが国の宗教だからと思いながらも、お宮の前は走って通っていた。
そして彼の人達がキリスト教を信じるのと同じなのにとも思った。
これまでの教育がすべて否定されて、戦後の新しい教育となった。教科書が変わったのはそれとして、新かなづかい、文章は左から書く、書道もなくなり、替わりに英語の教科ができた。
式典も替わり国旗掲揚はなく、国歌も歌えないときもあったと思う。
他にも右側通行などなど彼の国の様式に改められた。
わずか3年半ほどの教育だったが、疑うすべもなく、それのみ信じて教わっていたので、子供心にも納得しがたい疑問が山積みだった。