異形の仲間たち見聞録

私が見てきた精神疾患者たち

異形の仲間たちとの交遊録 「12月から初春は沈む病」

2025年01月15日 07時12分15秒 | 異形の仲間たち見聞録
「冬季うつ」という言葉があるとおり、障害者であろうが障害者であろうが気分は落ちがちになります。精神障害者の場合とこ、床から出られなくなるなど日常生活に支障がある。訪問支援を受けている人は良いが障害者の大半が訪問支援を受けていないと言っていいと思う。もし、精神障害者の全体(手帳や年金受給者)の5割以上が訪問支援を受けていたとすれば、国全体の訪問事業はとっくに破綻しているだろう。
では、訪問支援を受けていない人は、この「冬季うつ期」をどうやり過ごすか?それは「ひたすら耐え、空腹が極限に来たら自宅から這い出してスーパーやコンビニにシャワーも浴びていないのでプンプン臭いを漂わせながら、なけなしの金で食料を買う」。排泄に関してもギリギリまでガマンして仕方なくトイレへ行く。場合によっては床の中で済ませてしまう人も...。
このような生活が破綻してしまったように見える人たちは、この時期であっても急に「躁転」するときもある。夜徘徊したり、日中買いものに積極的に出たり。自死をしてしまったり...。自死に関しては暖かくなってきた兆しが見えたとき、冬季うつから季節の移り変わりで、気圧、気温の変動が激しくなったときに行ってしまう。それは5月過ぎるまで続いてしまうが、見る限り有効な手立てが無い。せいぜい「早めの受診を!」という他ない。医療のなんと無力なことよ...。
知人がこのような行為に至ってしまったという話しを聞くと、ただただ自分の無力感と自責の念がのしかかってくる。
それ以前に例えば通話やSNS、直接会うなどというところにまで行けたとき。どのような声かけをするべきか考えどころだ。私はまず「今感じていること、考えていることを言いたいだけ言ってもらう。」その後、内容の確認をこちらからしたり、その考えの発想の元はどこからなのか二人で考える。これで本人の気がどこまで晴れるかわからないが、こちらも骨身を削ってでも対応しなければならないと思う。



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異形の仲間たちとの交遊録 「また、『自殺の季節』季節の変わり目から夏場の陰性感情」

2024年08月12日 13時29分27秒 | 異形の仲間たち見聞録
春前の天候が不安定になる時期が終わりに近づく時期~春、梅雨の天候不順~夏、秋~冬の初旬は自律神経の乱れや精神的に安定しないため、自死が多くなる。一番多くなるのは冬の終わり~春の初旬ですが、子供だと夏休みの終わり9月1日です。
個人的な感覚としては、不調期が軽くなり始めて活動がし易くなった時に「自死のために動ける状態」になって行為に及んでしまうのではないか?と思う。その時期の一つが梅雨の天候不順~夏絶不調期です。には動けなかったり思考自体がストップしていることが多く、動けるようになってから「ここぞ」とばかりに自死を選んでしまうようです。なにより「大きな決断と強い行動力」が必要ですからね。縊死、轢死、リストカット、自動車に飛び込むなど。一度、仕事が終わり最寄りの駅に着くと「電車に飛び込んだため、運行を停止している」とのこと。回復予定時間も2時間後ということでホームまで来ていたので駅から出る場合には払い戻しが必要なので改札に並んでいると高齢の女性が払い戻しの方法が分からずにいたので声を掛けて教えてあげて一緒に並んでいると「私以前に飛び込みの現場を見たことがあって、もうゴムまりのように人が飛んで行ったんですよ」と。これも轢死だろうが、もう一つは完全に轢かれてしまうということ。どちらにせよ現場は惨状です。
実際には現場に出くわしたことはないが、入院中に病棟内のトイレで縊死した人、ずーっと悩んでいるのを間近で見ていたが病院近くの寺院の境内で縊死した人。私はその友人知人に対して、どのような声かけをしたら自死を思い止まってくれたのだろうか時々考える。1.自死を淡く思っている時期、2.固く強い意志になる時期、3.決行を決めた時期。大きく3つあると思う。声を掛けて効果がある時期は「1.自死を淡く思っている時期」だろう。「3.決行を決めた時期」になると、悩んでいた時期から決行すると決めた後の開放感のようなものが出てきて明るくなる。これを携わっている医療者や支援者は「回復してきた」と勘違いすることが多い。もはやこの時期になると固まった心から発せられる言葉に圧倒されてしまう。なんと声を掛ければ良いのだろう?私の頭の中には疑問符だらけになる。物理的に拘束や監禁すればいいのか?これも回復と見なされて出ると、また1.2.3工程を経ることになってしまう。物理的に出来なくすることや薬、カウンセリングはどこまで効果があるのか?上に挙げた数例の自死には少なくとも効果が無かった。心を閉ざして人の意見、助言を受け付けない心への訴えかけは、なかなか難しい。人の心は人の手では操作しにくいもののようです。
心を病んだ人が時々見せる「明るさ」にも注視しなければならない。









異形の仲間たちとの交遊録 「精神障害から身体症状へ」

2024年06月15日 14時22分38秒 | 異形の仲間たち見聞録
精神障害は精神障害だけに留まらず、さまざまなことに影響を及ぼします。
この方はPTSD持ちなのですが、あるときから味覚障害になりました。それも一年の内の一定期間、それも毎年同じ時期に。なにしろ、美味しく感じられなく食欲減退、倦怠感も強くなるので生活レベルも相当に落ちる。この時期は5kgほど体重が落ちて、その時期が過ぎると過食気味になって、ややテンションが高くなる。以前は恋愛依存・性交渉依存・買いもの依存などが起こって大変苦労した。今はそれらの依存症は減退しており、ただ味覚障害だけが問題レベルとして残っている。
食べられなくなると、寝たきりの期間が長くなって、買いものにも行けなくなる。家には食べ物がなくなり、たまに食欲が湧いても食べ物はないという悪循環。近隣には頼れる家族、友人がおらずさらに本人の「人に頼ってはいけない」という性格も問題に拍車を掛けている。
この味覚障害はPTSDの発症時に起こったわけでなく、発症後約10年後に発症して味覚障害が出てから約10年後の現在でも残っている。この先、減退していくのか、この症状と別の症状も追加されていくのか、そもそもなぜこの症状が出てきたのだろうか?

なぞ






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異形の仲間たちとの交遊録 「一人は気楽か?ツラいのか?-発達障害の心を考える」

2024年02月16日 14時11分45秒 | 異形の仲間たち見聞録
発達障害で時折みられる、集団から逸脱した行動や発言は、この文面では言い表せない発達障害独特なものがあります。それによって孤立することもよくある話しですが、それは発達障害当事者にとって、どの程度重要なのか?重要でないのか?「ツラい!」「別に!」と当人は言うが本当のところはどうなのか?疑問だらけです。
私の手法(あえて手法と言います)は「こちらからはなにも言わずに寄り添う」「当事者の発言を待つ」「話しやすい雰囲気」「話しやすい態度」「話しやすいように、こちらが隙を見せる」ということです。
小賢しいのかも知れません、ずるいのかも知れませんが…。
当事者の話の内容は右往左往、前後不覚になるでしょう。矛盾も出てきます。(こんなの健常者にもあるでしょ?)発達障害独特の言い回しや表現、考え方があるのは当然です。一般的にカウンセリングは当事者が話していく内に整理が付いてくる、統合されていく、気づきが出るという事が言われますが差別的言い方に聞こえたら、それは誤解ですが気付いても思い返さなかったり、その後の行動に振り返りが反映されないこともあります。(健常高齢者にもある話し)傍目で見ている人が改善されていないように見える発達障害当事者に対してどう接するか?どのような解釈をするのか?が問題です。私はその域までには達していないのですが、周りとトラブルが少なくなるような一種の「ガイド」が必要なんだろうと思います。なかなか口頭では難しい。文章にしたものも発達障害の特性の中では難しい人も大勢います。解りやすいイラストで簡潔で大きな文字、解りやすい場所に掲示したり、こまめな面談などをしていく必要がある。
このガイドを行うには組織の上部がどこまで真剣に考えているのか、問題視しているのかにかかってきます。

組織の中では同僚・上司がいるのでガイドが必要なのですが生活する上で、発達障害者が「生きにくさ」を感じているのか?「孤独がツラい」と考えているのか?例えば「生きにくさ」や「孤独感」を感じていなければそれでOKなのか?そのような職になくても、家族にいなくても、近所にいなくても、友人にいなくても考えて欲しいと思います。


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異形の仲間たち 「就職-退職を繰り返す『双極性障害』+『発達障害』も?」

2024年01月12日 10時11分09秒 | 異形の仲間たち見聞録
双極性障害(国立精神・神経医療研究センターのHPへ飛びます)は、かつて「躁鬱病」と呼ばれていました。(現在でも使われているようですが)
さて、大学を卒業して最初に勤めた会社でパワーハラスメントを受けた女性。しばらくは休職していたものの復帰したとしても職場の受け入れは難しく、休職期間が終わるのを契機に退職。しばらくは生活保護を受給して過ごしていたり、実家に帰省したりして静養に努めていました。その間は寝たきりだったり、リストカットをしたり、不眠時期が続いたりして浮く沈みが激しかったようです。2年ほどそのような時期があって「体調も戻ってきたし、なんだか気分もいい」ということで就職活動を経て、同業種へ再就職。その再就職先でも同様のパワハラを受けて退職。また、静養期間を経てまた同業種へ再々就職。その経緯を聞いていると、過剰に仕事を引き受けて仕事が回らなくなり、同僚、上司から叱責されて居場所が無くなり気分の落ち込みがあって退職・就職を繰り返しているようでした。医師の診断は「うつ病」。就職、再就職後は気分が上がり自分の容量を超えて仕事を引き受けて潰れる。どうやら職場ではコミュニケーションを取れていなかったり、協調性が無かったり、場の空気を読めていない様子…。「空回り」ということですね。会社というのは「社会」の重要な一つですから協調性が無ければその一員として暮らしていくのは難しい。付け足すと学校で勉強して分野には強い興味を持っていて寝る間も惜しん
で勉強していて、こうなると仕事に影響してくるのは当然のことでしょう。
私が見る限りでは「双極性障害+発達障害」の傾向が強く、就職/退職を繰り返す、そのことを振り返り「繰り返すことの無いように気をつけよう」ということではなく「就職した会社が悪い」という考えで止まっていて、このようなことが続くと長続きは難しい…。心理療法を勧めたが「私は大丈夫!そこまで悪くない。」とのこと。今通院している病院では心理プログラムは実施しておらず、他院へ赴いて受けるというのは、なかなかハードルが高くなる。病識がなかったり、自分を見つめることが難しいとつまづきを繰り返す傾向にあります。当面は相談に乗るという関わりが続きそうです。


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