異形の仲間たち見聞録

私が見てきた精神疾患者たち

小説 『ボケ茄子の花 その三十五』

2018年06月21日 23時31分34秒 | 小説『呆け茄子の花』

「尚樹さん、この部屋でなくてウチの部署で仕事をしませんか?」と、

部長が言ったのは、冗談めかしに言ったものと尚樹は考えていた。

それから一週間が過ぎ、なんだか部署がざわつきだして、

しかし、尚樹は「他山の石」と考えていた。

心中を言うと、「『他山の石』であるべき」と考えていた。

部署がざわつきだしていたのは、「席替え」していたと聞かされた。

その「聞かされた」ときにはもう遅かった。

部署には「尚樹のデスク」が用意されていた。

それから日々尚樹のところには、“精神疾患者に似つかわしくない仕事量”が

課せられた。

尚樹は部長に訴えた、「以前の話と違うんじゃ無いですか?」と。

部長は平然と言い返した。

「これでもこちらで遠慮しているつもりですよ。」と。

尚樹は内心、拳を握りしめた。

 

その三十六につづく・・・

 

 

 

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