「双極性障害」←(国立精神・神経医療研究センターのHPへ飛びます)は、かつて「躁鬱病」と呼ばれていました。(現在でも使われているようですが)
さて、大学を卒業して最初に勤めた会社でパワーハラスメントを受けた女性。しばらくは休職していたものの復帰したとしても職場の受け入れは難しく、休職期間が終わるのを契機に退職。しばらくは生活保護を受給して過ごしていたり、実家に帰省したりして静養に努めていました。その間は寝たきりだったり、リストカットをしたり、不眠時期が続いたりして浮く沈みが激しかったようです。2年ほどそのような時期があって「体調も戻ってきたし、なんだか気分もいい」ということで就職活動を経て、同業種へ再就職。その再就職先でも同様のパワハラを受けて退職。また、静養期間を経てまた同業種へ再々就職。その経緯を聞いていると、過剰に仕事を引き受けて仕事が回らなくなり、同僚、上司から叱責されて居場所が無くなり気分の落ち込みがあって退職・就職を繰り返しているようでした。医師の診断は「うつ病」。就職、再就職後は気分が上がり自分の容量を超えて仕事を引き受けて潰れる。どうやら職場ではコミュニケーションを取れていなかったり、協調性が無かったり、場の空気を読めていない様子…。「空回り」ということですね。会社というのは「社会」の重要な一つですから協調性が無ければその一員として暮らしていくのは難しい。付け足すと学校で勉強して分野には強い興味を持っていて寝る間も惜しん
で勉強していて、こうなると仕事に影響してくるのは当然のことでしょう。
私が見る限りでは「双極性障害+発達障害」の傾向が強く、就職/退職を繰り返す、そのことを振り返り「繰り返すことの無いように気をつけよう」ということではなく「就職した会社が悪い」という考えで止まっていて、このようなことが続くと長続きは難しい…。心理療法を勧めたが「私は大丈夫!そこまで悪くない。」とのこと。今通院している病院では心理プログラムは実施しておらず、他院へ赴いて受けるというのは、なかなかハードルが高くなる。病識がなかったり、自分を見つめることが難しいとつまづきを繰り返す傾向にあります。当面は相談に乗るという関わりが続きそうです。