異形の仲間たち見聞録

私が見てきた精神疾患者たち

異形の仲間たち見聞録 「自傷行為をする彼/彼女たち」

2022年11月03日 19時04分50秒 | 異形の仲間たち見聞録
『自傷行為』と聞いて、まず思い出すのは「リストカット」だろう。私が会って事のある人でいうと「リストカット」「自分で自分の首を絞めてしまう行為」「首を吊ろうとする/吊る」「過食/拒食」など。多くは「本当は死のうとは思っていないがそれをやると気分が楽になる」という人が多い。「首を吊ろうとする/吊る」は『死のうとする覚悟』の割合が多いように思います。私が関わった人でも「首を吊ろうとする」行為を繰り返した人がいた。何度も試みてその度に脚立を買うという周りから見ると不思議なことをしていて、「いっぱいあるからひとつあげようか?」といわれたことがあった。結局その方は自宅とは別のところで『縊死』を遂げてしまった。(過去記事にあるはず・もしくは「うつせみ和尚のお説教」の中か?)その時、本当に自殺を遂げたかったのかは今となっては分からないが、なんともやるせない気持ちになった。
 今回の『自傷行為』は『自殺行為』とは区別したい。「自傷行為」は彼/彼女たちの「ストレスのはけ口」昨今は「心の叫び」なんていう言い方もありますが、「自分のことを分かって欲しい」という一面もある。どちらにせよ「あやまって亡くなってしまう」ということもある。危険な行為ではあるが本人達にとっては「こうやることの他に選択肢がない」と思い込み?があるように思いますが、なかなか一歩下がって見ることは出来ない。これまた私の接してきた人の中ですが「リストカット」「拒食」が止まった人がいる。
 「リストカット」の人は家族関係で心に傷を持つことになって「自傷行為」を繰り返してきた。本人に寄れば「親からの虐待があった」と訴えて、実家を飛び出したが家族と連絡を取ると過呼吸になったり、想像しただけでも過呼吸になるのも見たことがあります。また「リストカット」をしたりと一時期は症状が激しく出ていた。私と知り合ったときは、その激しい時だったのでそのような人と会うのは初めてだったので言葉も出ない時もあった。専門家のコラムや行政機関のHPなどを見ると「止めることを強制してはならない」など書かれているが、そのようにするしか手がないというのが現状のようだ。家族関係で自傷行為を繰り返した人は紆余曲折があったのちに現在は家族との和解が出来たようで症状は収まっているようです。その間、入院や薬物療法、カウンセリングを行ってきたことは知っているし、実際にその間も密に連絡を取っていたが私が近くで見ていた限りにおいては成果はなかった様に思う。中には「家族から虐待にあったのは虚言だ」ということを言う人もいて医療者、支援者としての取り組みなどを考えさせられた。
 「拒食症」の人は家族の中で孤立していると考えたり、兄弟姉妹とのコンプレックスで「拒食」になって私が会ったときはやせ細っていて、その時も私は「拒食症当事者」と会ったのも初めてだったので非常にショックでした。勉強熱心で今思うに自分を追い詰める傾向のある人なんだと思います。非常に努力家で国家資格も働きながら複数取得したりしてそばで見ていて「オレには出来ない」と思いました。
 「自分を追い詰める」「追い詰められたと思う」ことで様々な心の不調になって「自傷行為」になって考えも狭くなってなかなか抜け出せない抜け出すことが難しい状態になる。私自身もそのような状態になって「過食」「多量飲酒」「希死念慮」さまざまな事があって苦しみました。自分を客観視できるようになったのはつい最近です。…といっても「つまづき」があればまた同じ『穴』に落ち込んでしばらくはまったままになることもしばしばです。「寛解」という言葉がありますが、いつどんなときも「穴にはまる」ということと背中合わせで危うい生活を送っていることが「寛解」という言葉の意味です。その言葉の真意が健常者にはなかなか理解が出来ないは厳しい現実です。そのようなギャップが医療・支援側からの何気ない一言に当事者が右往左往してしまうのです。当事者の理解をしようとやっきになる専門職・医療職また当事者が当事者を知ろうとすることもありますが『100%はムリよ』というこいとを前提としないと支援する側が徒労にくれますから「とりあえずここまで知ることが出来た、もう少し分かるかな?」という程度のスタンスがよろしいかと思います。大上段に構えるのは自分を追い詰めることにもなりますので…。また支援を受ける側もあまり期待せずに期待するという程度。相手に丸抱えを期待しないということが肝要かと思います。丸抱えしてもらえないと思ったときの落胆は厳しいので…。
 自分を追い詰める・追い詰めてしまうという事までに至るには厳しい過程があってのことです。少しでも肩の荷物を軽くして生きたいもんです。「人に頼る」ことをためらわずにすることが一番の近道です。
難しいけどね。(それが出来れば病んでねぇよって)

















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