リオデジャネイロ五輪の体操男子で個人総合連覇、団体総合でも悲願の金メダルを獲得した内村航平(27=コナミスポーツ)がプロとして20年東京五輪を目指すことが分かった。11月13日の全日本団体選手権(東京・国立代々木競技場)後にコナミを退社し、12月から体操界では初のプロ選手として活動する。

 12年ロンドン五輪の直後に「いずれはプロとしてやってみたい気持ちはある」と明かしており、抱いていた夢が現実に変わる時が来た。体操選手は大学、企業に所属して競技するのが一般的。数々の名選手を生んだ体操ニッポンでも、プロとしてスポンサーを募って活動する選手は内村が初めてになる。体操界にとどまらず、現在の日本スポーツ界で屈指の実力と知名度を兼ね備えたキングなら、支援を希望する企業が殺到することは必至だ。

 決断に至った背景には、体操への熱い思いがある。栄光の戦歴とともに自身の存在は広く知られているが、競技そのものとしてはどうなのか。内村は「体操はまだまだメジャーなスポーツじゃないと思う」と話したことがある。今後も競技は最優先だが、これまでより一層、普及活動にも時間を割く。コナミ退社後の練習拠点は味の素ナショナルトレーニングセンターが有力。体操界のキングが、新たな道を切り開く。