奈良)河合町の自治会一丸で「ヒヤリ・ハッと地図」作成
2017年2月17日03時00分
車とぶつかりそうになった、自転車で転びそうになった……。事故には至らなかったが、ヒヤリとした住民の体験をもとに、危険箇所を示した地図を河合町高塚台2丁目自治会が作った。県警が2日に開いた「ヒヤリ地図コンクール」の高齢者の部で、最優秀賞に選ばれた。
その名も「河合町 高塚台2丁目ヒヤリ・ハッと地図」。約1メートル四方で、ヒヤリとしたのが歩行時か自転車に乗っている時かなど、色分けしてわかりやすく作ってある。
前年のコンクールに地区内から参加者がいたことから、今回は自治会をあげて地図作りに取り組もうと、高岡宏芳会長(69)ら3人が中心になって企画。自治会所属の約400世帯に地図とコメント記入用紙を回し、危ない思いをした地点と、そのときの様子を書いてもらった。
回答率は約50%。高岡会長は「全然集まらないのではと不安だったが、みなさん熱心に書き込んでくれた」と話す。
高岡会長が防犯対策などを以前から相談していた町子供・女性・高齢者安全対策室の山口香織さん(44)も、住民から集まった情報を地図に示す作業に協力。丸いシールで位置や危険性を示した。
赤のシールは歩いている時に危険を感じたことを示し、青は自転車に、緑は車やバイクに乗っている時だ。シールがたくさんついているほど、危険な思いをした人が多いことになり、危険度の高さも一目瞭然になった。
住民の声がたくさん集まった現場は山口さんが写真を撮り、地図に貼り付けた。「抜け道として車がたくさん通る」「街灯が暗くて怖い」といった住民の声も、吹き出しで加えた。約4カ月かけて完成させた。
作製に携わった一人、坂本秀夫さん(66)は「ここが危ないのは回り道になるからとか、危険な理由まで見えてくる」と言う。西和署の新家達大交通課長(38)は「こうした住民の生の声は大変貴重。署としても役立てたい」と話す。
自治会は地図の縮小コピーと、去年1年に実際に事故が起きた地点を記した県警作製の地図をセットにして各戸に配布することにしている。近隣の小学校などで開かれる交通安全教室でも使うほか、町もホームページに掲載予定だ。