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奈良)ケニアでドライフルーツ会社起業 上牧出身の女性
2017年2月25日03時00分
ケニアの農村部の人たちを支援しようと、現地でドライフルーツの加工会社を始めた女性がいる。農家の人たちに収入を、若者に仕事を生み出す試み。より高品質の商品をつくり、ケニアの社会に貢献するため、日本からの後押しを呼びかけている。
上牧町出身の山本歩(あゆみ)さん(36)。首都ナイロビから北へ車で1時間の町で、「ケニア・フルーツ・ソリューションズ」を営む。
五つの村で農家が育てたマンゴーやパイナップルを、生産地でいったん乾燥させる。山本さんの会社で再び乾燥機にかけ、食品会社に出荷。そこで包装され、スーパーマーケットなどに並ぶ。「自然の甘みが濃厚」と好評という。
農学部で学び、農業高校で教えた。30歳の時、電車で募集広告を見て青年海外協力隊に応募した。ケニアの半乾燥地帯で2年半、干ばつに強い農業の普及にあたった。
山本さんによると、ケニアでは実が大きく、糖度の高い新鮮なマンゴーが採れるが、適正価格で買い取ってもらえず、収穫されないまま廃棄されることも少なくないという。農家の収入は不安定で、農村部では農業以外の仕事が少ないことも知った。
捨てられる大量のマンゴーを何とかできたら――。山本さんは、保存のきくドライフルーツにすることを思いたった。農家が1次加工まですれば、より高く出荷でき、安定した収入につなげられる。協力隊の任期を終え、起業した。
日本のような時間感覚で仕事を進められなかったり、食品衛生の考え方を理解してもらうのに時間がかかったり。それでも、村や販売先で粘り強く話し合った。起業から3年近く経ち、生産量は月350~500キロに。8人の従業員のうち6人は、期間付きの雇用から正社員になった。
「ゼロからの出発でしたが、少しずつかたちになっています。ケニア社会の中で、農家の収入増、若者の雇用増につなげられれば」
施設の衛生環境をさらに向上し、農村部の人に加工技術や衛生面の指導をする費用にあてるため、インターネットのクラウドファンディングで寄付を呼びかけている。3月16日までに100万円が目標。金額に応じてドライフルーツなどの贈り物がある。
詳しくはウェブサイト(https://readyfor.jp/projects/KFS)で。