2018年5月8日,シャープは,2018年夏モデルとなる「
AQUOS」ブランドの新型スマートフォン「
AQUOS R2」を発表した。
AQUOS R2
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新製品発表会では,Android版「鉄拳」を使って,映像の美しさや滑らかさを表現するデモを披露していた。画面右端までゲーム映像を描画しているため,角の部分が丸く欠けて見えている。原因は不明だが,写真から実測するに鉄拳が18:9(2:1)の横長アスペクト比に対応しているためだろう。アスペクト比16:9のゲームであれば,両サイドに帯が表示されるはずだ
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AQUOS R2は,2017年夏に登場して好評を博した
AQUOS Rシリーズの第2世代モデルで,最大リフレッシュレート100Hz表示が可能な「なめらか倍速表示」に対応しつつ,AQUOSスマートフォンとして初めて,
- アスペクト比9:19,解像度1440×3040ドットという縦長アスペクト
- 上端のフロントカメラ部分や上下左右の四隅を丸く切り欠いたデザイン
の,シャープ独自開発による液晶パネルを採用するのが大きな特徴となっている。HDR表示も可能で,Dolby LaboratoriesのHDR表示規格「Dolby Vision」に対応するなど,液晶のシャープらしい充実したスペックや機能を有するのはポイントだろう。
液晶パネル上端を丸く切り欠いてフロントカメラを配置しているほか,液晶パネルの四隅も丸くなっていることに注目してほしい
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Dolby Vision対応コンテンツを使ったHDR表示のデモ。外光が写り込んでいるので写真では分かりにくいと思うが,暗部の階調表現は,左にあるHDR表示版のほうが優れていて,影に溶け込みがちな部分まで描写できている
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デュアルレンズ式アウトカメラは,上側が画角約135度の動画用広角カメラ。下側は静止画向けの高精細カメラとなっている。背面パネルからの突出部分はやや大きめだ
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液晶パネルと並ぶ大きな特徴が,これもAQUOSスマートフォンとしては初となるデュアルレンズ式アウトカメラ「AQUOS twin camera」の採用である。
このアウトカメラで注目すべき点は,2つのカメラのうち一方を静止画用,もう一方を動画用カメラに位置付けていることだ。上下に並んだアウトカメラのうち,上側のカメラは動画用で,画角が約135度(35mmフィルム換算で19mm相当)という広角撮影用になっている。下側の静止画用カメラは,画角こそ約90度(35mmフィルム換算で22mm相当)だが,有効画素数約2260万画素という高精細さが特徴だ。
2つのカメラとAIベースの撮影機能を併用し,動画を撮影しながら見どころとなるシーン――たとえば,人や犬,猫の顔がはっきり写った瞬間――を自動判別して,同時に静止画を撮影できるというのも,今までのスマートフォンにはない特徴と言えよう。
AQUOS twin cameraの主な仕様を示したスライド
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動画撮影時の画角を示すデモ。奥の大画面テレビに映っている画面と,手前に小さく映っているスマートフォンの画面から,画角の広さが想像できるかと思う
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搭載するSoC(System-on-a-Chip)はQualcomm製のハイエンドモデルである「
Snapdragon 845 Mobile Platform」だ。メインメモリ容量は4GBで,内蔵ストレージ容量は64GBと,2018年のハイエンドモデルとして不足のないスペックを有している。
SoCのスペック向上に合わせて,放熱構造も改良を加えており,前世代機となる「
AQUOS R」と比べて熱を拡散する能力は2倍に,最高性能を持続できる時間は約7倍に向上したとのことだ。放熱能力の強化は,持続して高負荷がかかり続けるゲーム用途にも恩恵がありそうである。
カラーバリエーションは左からPremium Black,Platinum White,Aqua Marine,Coral Pink,Rose Redの5色展開。ただ,販売する通信事業者によって,ラインナップするカラーは異なるとのこと
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上側面(左):サブマイク孔と3.5mmミニピンヘッドセット端子がある。アウトカメラ部分の出っ張り具合がよく分かるだろう
下側面(右):中央に見えるUSB Type-Cポートの左側にマイク孔が見える,右側面近くにある横長の孔はスピーカーだ
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左側面:トレイ式のSIMカード兼microSDカードスロットがあるだけ。側面中央のエッジを立たせることで,手に取りやすくしているだけでなく,背面寄りの中央部が緩やかに湾曲しているなど,非常に複雑な形状となっている
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右側面:[電源/スリープ]ボタンと音量調整ボタンが並ぶ
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●AQUOS R2の主なスペック
- メーカー:シャープ
- OS:Android 8.0(Oreo)
- ディスプレイパネル:6.0インチIGZO液晶,解像度1440×3040ドット
- プロセッサ:Qualcomm製「Snapdragon 845」(CPUコア Kryo 385×8,最大CPU動作クロック2.6GHz,GPUコア Adreno 630)
- メインメモリ容量:4GB
- ストレージ:内蔵64GB+microSDXC(最大容量400GB)
- アウトカメラ(メイン):有効画素数約2260万画素,F1.9,画角約90度(35mm換算22mm相当),光学式手振れ補正機能搭載
- アウトカメラ(サブ):有効画素数約1630万画素,F2.4,画角約135度(35mm換算19mm相当),電子式手振れ補正機能搭載
- フロントカメラ:有効画素数約1600万画素
- バッテリー容量:3130mAh
- 対応LTEバンド:未公開
- 対応3Gバンド:未公開
- SIMカードスロット:nanoSIM(nanoUIM)
- 待受時間:未公開
- 連続通話時間:未公開
- 無線LAN対応:IEEE 802.11ac
- Bluetooth:未公開
- USBポート:Type-C
- 公称本体サイズ:74(W)×156(D)×9(H)mm
- 公称本体重量:約181g
- 本体カラー:Premium Black,Platinum White,Aqua Marine,Coral Pink,Rose Red(※通信事業者によりカラーバリエーションは異なる)
また,同時にシャープは,SIMロックフリー対応のミドルクラス市場向け新型スマートフォン「
AQUOS sense plus」(アクオス センスプラス)を2018年夏モデルとして発売することも発表している。発売日や価格,詳細なスペックは明らかになっていない。
本製品は,シャープ製スマートフォンとしては初となる,大手通信事業者を通さずに販売するSIMロックフリー専用モデルとのこと。SIMロックフリー対応スマートフォンとしては珍しく,「おサイフケータイ」機能に対応するのが見どころと言えよう。
AQUOS sense plus。SIMロックフリー対応スマートフォンでは珍しい,おサイフケータイ対応モデルで,「モバイルSuica」や「iD」といったおサイフケータイのサービスが必須という人には歓迎されそうだ
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搭載SoCは,Qualcomm製のミドルクラス向け「
Snapdragon 630 Mobile Platform」。5.5インチサイズでアスペクト比9:18,解像度1080×2160ドットの縦長液晶パネルを採用しているのもポイントだ。