大阪 1月としては最も高い気温! たんぽぽ咲く
2020年01月28日14:45
2020年01月28日14:45
2020年1月27日 19時41分(最終更新 1月27日 22時20分)
武漢への渡航歴なく・・・奈良県の男性、日本人で初感染(20/01/28)
2019/11/21 10:30
「世界最高齢」という93歳の指揮者がタクトを振る。教師生活のかたわら、自ら結成した楽団を長年率いた井手章夫さん(92)=京都市左京区=。彼の指揮でベートーベン交響曲第2番を大阪交響楽団が演奏する公演が来年1月9日、京都コンサートホール(左京区)である。舞台に立つのは12年ぶりという。企画したのはクラシック通の落語家、桂米團治さん(60)。2人の不思議な縁で今回の大舞台が決まった。
「せっかくの機会を楽しみたい」。来年の元日で93歳となる井手さんは意気込みを語る。音楽への思いや来歴を振り返る語り口は、卒寿を超えているとはとても思えない。
京都市生まれの井手さんは戦時中、京都第二中(現・鳥羽高)で学び、音楽部でクラリネットや指揮を担当した。戦後の47年、京都薬学専門学校(現・京都薬科大)を卒業後、府内の中高で化学を教えた。
教師のかたわら49年に京都市内の高校生による「新制高等学校連合交響楽団」を結成。のちに、弦楽団「コンツェルティノ・ディ・キョート」も発足させ、指揮を担当した。87年に石原高(現・府立工業高)の校長として定年退職した。
交響曲第2番は、ベートーベン作品の中でもあまり演奏されない曲という。「終戦直後の物資が何もない頃に聴いた思い出の曲。青年期のベートーベンが抱えていた未来への不安や、自分の音楽を創ろうとする情熱など、彼のいろいろな面が表現されている」と井手さんは評する。
そんな井手さんと米團治さんは、実は親類だった。しかし、つい最近まで会ったことはなかったという。
それが昨年1月、親類の葬儀で会い、米團治さんが井手さんの経歴を知った。ベートーベン交響曲第2番への思いにも触れた。クラシックに詳しい米團治さんは、最高齢の現役指揮者として知られ、01年に93歳で亡くなった朝比奈隆さんに通じるものを感じたといい、ベートーベンの生誕250年と井手さんの指揮者活動70周年を記念して公演を企画した。「世界最高齢の指揮者として、第2番の魅力を紹介してほしい」と米團治さんは期待する。
井手さんが指揮するるのは2008年の記念演奏会以来。「再び舞台に立つとは夢にも思わなかった。不安もあるが楽しみ」と語る。公演では第2番以外の交響曲も演奏する。ナビゲーターを米團治さんが務める。公演は1月9日午後7時から、京都コンサートホールの小ホール。5500円。問い合わせは米朝事務所06(6365)8281(平日午前10時〜午後6時)。
新型コロナウイルス感染症の患者数が日々増え続けており、また1人の患者から15人の医療従事者が感染したとも報じられています。
新型コロナウイルスの感染力はどれくらいの強さなのでしょうか?
※本稿では便宜的に感染症の人から人へのうつりやすさを「感染力」と表現しています
感染症のうつりやすさの指標として、基本再生産数がよく使われます。
基本再生産数とは?
基本再生産数(R0; R naught)とは、簡単に言うと「1人の感染症患者から何人に感染させるか」を表す数です。
正確には1 人の感染者が生み出す2次感染者数の平均値のことを指し、感染症別の感染性の指標として利用されています。
これまでの患者の発生状況などから、新型コロナウイルスの基本再生産数は1.4-2.5と暫定的に見積もられています。
1人の感染者からだいたい2,3人に感染するということになります。
ではこれは他の感染症と比べてどれくらいの感染性の強さなのでしょうか?
新型コロナウイルス感染症とその他の感染症の広がりやすさの比較(ECDC infographicを参考に筆者作成)この図は新型コロナウイルスの基本再生産数と、他の感染症とを比べてみたものです。
馴染みのあるところでは、インフルエンザは1.4-4となっており、1人のインフルエンザ患者から1人、最大4人に感染させることになります。
同じコロナウイルスであるSARSは2-5であり、今のところ新型コロナウイルス感染症はSARSよりは広がりにくい性質を持っていると考えられます。
世界でもっとも感染力が強い感染症の一つである麻疹の基本再生産数は12-18であり、1人の患者から12〜18人に感染させることであり、新型コロナウイルスの10倍近い感染力ということになります。
昨年、某宗教団体が三重県の自施設で開催した研修会で麻疹患者の集団発生があり、その後の国内流行のきっかけになりましたが、これはこの団体がワクチンを含む医療を否定する教義であったことから、研修会に参加していた参加者の大半が感染するという事態になりました。
新型コロナウイルス感染症は麻疹と比べるとずっと感染力が低い感染症ということになります。
では、報道にもあった1人の患者から15人の医療従事者に感染したというのはどういうことなのでしょうか。
1人から多くてもせいぜい3人くらい、という話でしたので15人というのは明らかに多すぎです。
これにはいくつかの理由が考えられます。
・診察していた時点で診断がついておらず感染対策が不十分な状況で診察していた可能性がある
・診療を行っていたのが激しい症状を伴う感染力の高い重症患者であった
・武漢市内に広がっている状況であり、診療で感染したとは必ずしも限らない
現在、報道でも流れていますが中国では新型コロナウイルス感染症と診断された患者には厳重な個人防護具(フルPPEと呼ばれます)を着て診療しており、容易には感染しないと考えられます(ただし脱衣の際などに防護具の表面を触ることにより汚染のリスクがあります)。
しかし、今回の新型コロナウイルス感染症の正体がつかめないままに十分な感染対策が行われずに診療が行われていた時期に感染してしまった可能性があるのではないかと考えます(中国語ですが、感染対策の不備について伝えている記事もあります)。
その場合、患者と近距離で長時間曝露する濃厚接触となり、非常に感染しやすい状況となります。
また重症患者ではしばしば症状が激しいことがあり、軽症の新型コロナウイルス感染症患者と同じ感染力とは言えないことがあります。
そして、先日の記事にも書きましたが、12月下旬の時点ですでに武漢市内では人から人に感染している症例が出ていたと考えられ、必ずしも患者から感染したとは限りません(感染症が蔓延した状況下で誰から誰に感染したのかを評価するのは一般的に困難です)。
というようなことから、医療従事者の感染については説明可能かもしれません。
しかし、この1人から15人への感染という事態はコロナウイルスの共通する、ある特徴に由来するものかもしれません。
元々同じコロナウイルスによる感染症のSARSやMERSは、病院の中で広がりやすいという特徴があります。
SARSのアウトブレイクの際も多くの医療従事者が感染しており、8,096人の感染者のうち1,707人(21%)が医療従事者とされています。
またMERSが韓国でアウトブレイクした際も、感染者186人全員が病院の中で感染したとされており、そのうちおよそ半分が別の疾患のために入院していた患者、約3割が患者家族、約2割が医療従事者という内訳でした。MERSの基本再生産数は1未満とされていますが、病院内では1を上回るとされています。
そもそもコロナウイルス感染症は病院内で広がりやすいという特徴があるのです。
もう一つ、SARSコロナウイルスとMERSコロナウイルスに共通する特徴としてスーパースプレッダーの存在が示されています。
スーパースプレッダーとは、感染症を多くの人に拡散してしまう患者のことで、SARSでもMERSでもこのスーパースプレッダーの存在により流行が広がった経緯があります。
スーパースプレッダーの一例(Euro Surveill. 2015;20(25):pii=21163.より引用)例えば、図は韓国でのMERSがどのように広がっていったのかを示したものですが、発端となったNo1の人からNo14, No16と27人(計29人)の人に感染させています。No14の人はなんと86人の人に感染させています。
このように、スーパースプレッダーのメカニズムは未だに解明されていませんが、大きなアウトブレイクのきっかけになる存在です。
今回、医療従事者15人に感染させたのがスーパースプレッダーであったのかはもっと詳細な情報が必要ですが、その可能性はありそうです。
しかし、同じコロナウイルスの仲間ではあるものの、異なるウイルスではありますので、安易に「新型コロナウイルスもスーパースプレッダーが存在する!」と判断するのは時期尚早かもしれません。
とりあえず今の時点では「それほど感染力は強くなさそうだが、病院などの特定の環境では感染しやすくなる可能性がある」という評価になるかと思います。