筆者も時効廃止には賛成です。ただ懸念もあります。
時効廃止は犯罪被害者の団体による陳情によって議題になったわけですから、実現すれば一定のけじめはつく考えられます。
しかし、時効を廃止によって未解決事件が一様に解決可能になるわけではない事は、一つ念頭に措かなければなりません。
時効が廃止されるということは、未解決事件の再捜査はいつでも出来ると解釈する事も可能になります。これまでは時効があるために、未解決事件解決を急ぎ、捜査員の割り当てを行うことも出来ましたが、いつでも出来るとなると、優先順位の考え方が変わってきます。ここは犯罪被害者の団体との確認が必要かもしれません。米国のコールドケースやドラマの「ケイゾク」のような組織も必要かもしれません。
一方、時効完成前事件への時効廃止適用は避けるべきであると考えられます。法の不遡及を曲げるべきではありません。暫くの間、時効完成前事件と新事件との不公平感が生まれます。これは時間が解決してくれるでしょう。ここも犯罪被害者の団体との確認が必要と考えられます。団体は将来の犯罪被害者の為に尽くしたと納得して頂く必要があります。
犯罪者は刑に服したときに初めて犯罪が消滅するのです。時効によって消滅するなど考えられません。時効廃止によって得られる最も大きな効果は犯罪抑止であると考えられます。
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