PARIS ROYAL パリ ロワイヤル Ref.9007438
ペキニエ社はフランスで唯一自社一貫生産が出来るメーカーです。
このメーカーは大きく二つに分類できます。一つが、ペキニエ マニュファクチュールです。名前の通りで自社製ムーブメントを搭載したシリーズとなります。今回ご紹介するパリ ロワイヤルもこちらに属します。もう一つが、ペキニエ モーレアです。機械式で10万円台からあるシリーズですが、ムーブメントは他社製で、クオリティも当然下がります。弊社が今後ご紹介するのは、ペキニエ マニュファクチュールのみです。
商品紹介と共に、技術的は特徴もご紹介したいと思いますので、少し長くなりそうです。
PARIS ROYAL パリ ロワイヤル Ref.9007438
今回ご紹介の時計は、パリ ロワイヤルのキャトル・ファンクションというモデルになります。さらにコチラはその中でも珍しい50本の限定品です。
マニュファクチュールの中で最も小さい41mmで、最も複雑なモデルとも言えます。
PARIS ROYAL パリ ロワイヤル Ref.9007438
何となくスイス時計でもドイツ時計でもない感じがしますよね。デザインとしてはクラシックと言えると思いますが、全体的にドッシリとした印象です。ケースの厚みもそうですが、針、インデックスのサイズが若干大きめで、カレンダー表示もはっきり大き目に表示されていますね。
PARIS ROYAL パリ ロワイヤル Ref.9007438
曜日
日付け
月齢カレンダー
パワーリザーブ表示
これらの機能が合わさった、ペキニエマニュファクチュールのコンプリートモデルです。
それでは技術的な特徴をいくつか挙げてみたいと思います。
まずは、ムーブメントの画像から↓
PARIS ROYAL パリ ロワイヤル Ref.9007438
PARIS ROYAL パリ ロワイヤル Ref.9007438
PARIS ROYAL パリ ロワイヤル Ref.9007438
PARIS ROYAL パリ ロワイヤル Ref.9007438
こちらが裏側からみたカリブルロワイヤルです。見た目もかなり特徴的なムーブメントです。
ローターがオフセンターです。また香箱が異常に大きいですよね。
写真では隠れてしまっていますが、テンプは耐衝撃性に優れた2点止めブリッジを採用し、フリースプラングとなっています。フリースプラングは高級ムーブメントの証で、機械自体のポテンシャルが高くないと使えない構造です。
仕上げも丁寧に施されていますね。
特徴①
センターシャフトドライブ
このムーブメントの最大の特徴がセンターシャフトドライブと言われるものです。国際特許取得。
一般的な機械式ムーブメントは、香箱真で香箱内のゼンマイを巻き上げ、解ける力は香箱車が回転する事で輪列に伝わります。しかし、カリブルロワイヤルはその逆です。つまり、香箱車が回転する事で動力を得て、解けるゼンマイの力を香箱真から、シャフト、そして特殊部品を介する事で一定の動力を輪列に伝えます。こうする事により、堅牢なシングルバレルによるロングパワーリザーブの実現、そしてロービートでも高精度、優れた耐久性を実現しました。現在は毎時28,800振動の機械が多い中、カリブルロワイヤルは毎時21,600振動です。
特徴②
フラット3ディスク ジャンピングデイデイト
非常に近い横並びのカレンダーディスク、しかも日付けはビッグデイトです。これは見た目としても大きな特徴ですね。この3枚のディスクがフラットになっているのはペキニエ社が国際特許を取得しています。さらに、カレンダーの切り替わりが一瞬で送られます。デイトジャストのような感じですね。
そしてもう一つ、カレンダー操作の禁止時間帯がこの時計にはありません。これは便利ですよね。
特徴③
オリジナルパワーリザーブ・インジケーター
センター・シャフト・ドライブを採用した事により、シングルバレルで88時間(実働100時間弱)のロングパワーリザーブを実現しました。
ISOCHRONISME(イソクロニズム)は等時性を意味し、72時間まではトルクの安定、その後16時間はトルクの低下を意味します。こちらも国際特許取得済。
特徴④
高精度ムーンフェイズ
122.5年で一日しか誤差が出ない独自設計(国際特許)のムーンフェイズです。一般的なムーンフェイズディスクの歯数は59枚ですが、カリブルロワイヤルのそれは135枚もあります。日付け曜日はリューズで操作しますが、ムーンフェイズだけは6時位置のケースサイドのプッシュボタンで調整します。
さて、外装にも注目してみましょう↓
PARIS ROYAL パリ ロワイヤル Ref.9007438
PARIS ROYAL パリ ロワイヤル Ref.9007438
PARIS ROYAL パリ ロワイヤル Ref.9007438
PARIS ROYAL パリ ロワイヤル Ref.9007438
PARIS ROYAL パリ ロワイヤル Ref.9007438
シリーズのなかでもパリロワイヤルのケースは最も複雑で特徴的です。全体として‘くぼみ’を作り出しています。リューズもくぼんでいますよね。
ラグは完全に後付けになっていて、計7パーツで構成されています。要するに生産コストが最もかかっているケースと言えます。
PARIS ROYAL パリ ロワイヤル Ref.9007438
Dバックルもしっかりとした作りですね。
PARIS ROYAL パリ ロワイヤル Ref.9007438
PARIS ROYAL パリ ロワイヤル Ref.9007438
PARIS ROYAL パリ ロワイヤル Ref.9007438
PARIS ROYAL パリ ロワイヤル Ref.9007438
なかなか存在感のある時計ですよね。
この時計だけに限らずカリブルロワイヤルは使い手の事を最優先に考えたムーブメントです。ポテンシャルは当然高い時計ですが、視認性、操作性も良く非常によく考えられています。また、実際リューズを巻いて頂くと解りますが、巻き上げ時の感触は自動巻きではなく手巻き時計です。コレが良いんですよね。
PARIS ROYAL パリ ロワイヤル
Ref.9007438
ケース径:41mm
防水性:50m
限定数:50本
¥1,080,000(税込)
次回は、リューロワイヤルをご紹介致します。
林時計鋪
〒514-0028
三重県津市東丸の内19-6
TEL/059-228-3079 FAX/059-228-9948
E-mail/h-tokeiho@h-oyaji.jp