ハイライト|J1リーグ第9節|vs 柏レイソル
悲願のACL優勝を逃し、選手のメンタルが心配だった。
そしてUAE遠征した後の実質中2日のキツい日程。
肉体的にも精神的にも最悪の状態で迎える…….
とにかく今日は精一杯応援するだけ、試合開始前はそう思っていた。
しかし、マリノスは死んではいなかった。
いやまだ死ねないぞっという執念を感じた試合だった。
ターンオーバーするかと思ったスタメンは、怪我人を除いては決勝戦とほぼ同じメンツ。
前日の練習後に選手だけでミーティングをしたとキー坊が試合後に話している。
少し長くなるけど、5月30日の報知新聞の記事より抜粋しました
〜〜〜前日練習終了後、主将の喜田が動いた。選手だけでミーティングを行った。
喜田は「これから先のクラブだったり、戦いだったりに向けて、話した方がいいと判断した。前を向くために必要だと思った」と明かした。柏戦のあとは、中2日で2位の鹿島戦。中断期間を挟み、クラブが近年苦手とする天皇杯、首位の町田戦と続く。喜田には危機感があった。
アカデミー出身でマリノス一筋の喜田は言った。「普通のチームだったら、ここで右肩下がりに下がっていくかもしれない。でも自分が知っているこれまでのマリノスは違った」「マリノスはここで崩れるようなチームじゃない」「ここでもう1回、自分たちらしいサッカーをしよう」「前を向こう」。選手たちに語りかけた。
発言の機会は、負傷もあってUAE遠征に帯同しなかったDF小池龍太にもあった。小池の話した内容は、実体験に基づくものだった。
2018年、小池が所属していた柏は、ACLで1次リーグ敗退となった。柏は「柏から世界へ」をスローガンに掲げるなど、国際大会に高いモチベーションで臨むチームの1つとして知られる。
そんなクラブは、ACLの早期敗退で歯車が狂った。第12節終了時点ではリーグ7位だったが、そのまま徐々に順位を落とし、最終的にJ2降格。伊東純也、中村航輔、中山雄太らを擁し、アジア制覇を本気で狙っていたチームですら、1つ間違うと一大事になってしまう―。ある選手は「特にあの話は、みんなの心に響いたと思う」と振り返った。〜〜〜
そんな想いで臨んだ柏戦。
ACL UAE決勝戦では出場のなかったアマジュンがキレキレでした。
果敢なプレーが先制点につながるPKを得て、ロペスがきっちり決めた。
バイタルエリアで得たアマジュンのFK。入ったかと思った。
あの軌道は俊輔を思い起こさせた。
柏戦のマリノスは、躍動感あふれる動きが随所に見れたマリノスだ。
特にマツケン、アマジュン、ヤンが揃う右サイドの攻撃は久しぶりに見ててワクワクする見る動きを見せてくれた。
追加点は、メンタルが心配だった永戸がヤンの放ったマイナスのパスを右足で見事なシュートでゲット。
左SBの永戸がセンター付近から得点するのもマリノスらしい。
終わってみればボール保持率59%であったが、最近の短いパスでつなぐというカタチばかりではなく、この試合はダイナミックなパスでビルドアップしていったプレイもあって楽しめた。
アマジュンを筆頭に、ヤン、ナベコー、そしてマツケンまでもが後方でボールを保持している時に、前への動き出しをしている。
疲労度が抜けていない状態なのに、みんな走った。裏を取ろうとする動き、それに狙ったパスも出る。
キー坊が開いたミーティング通り、「ここでは終われない」「前を向こう」「俺らは死んではいない」そんな想いでみんながプレイしてくれたのだろう。
前半を2点リードで折り返したけど、ここで安心できないのが皆さんご存知の今季のマリノス。
しかし、後半もロペスが2得点し、マリノスで初のハットトリックを達成。
久々の複数得点、しかも4得点だ。
残り20分に柏の武藤が交代で入り、シュートをかなり打たれ、細谷にも決定機があったが得点にならなかった。
やはり後半も押し迫ってくると、疲労がたまり動きが鈍くなったがそれは仕方がないと思う。
特に試合開始直後からスプリントを繰り返し、裏抜けもがんばって得点にもからんだヤンは目に見えて辛そうだった。
そうそう、ポープが後半15分あたりにファールを受けて、飯倉が急遽アップなしで交代。
あのファールはアフターで危険なファールの感じがした。個人的にはカードが出ないのはちょっと納得できない。ポープ、大丈夫だろうか。担架でピッチから出たがベンチに戻ったようなので少しホッとしたが、どうなのだろうか。
その飯倉が右足で武藤のシュートを跳ね返して無失点に貢献している。
しかし相手陣内でセットプレイ中に自陣の真ん中あたりまで上がっていて、ロングシュートを打たれたらやばい、とマジ不安でしたよ。
不安から「飯倉、下がれ〜」と叫んだけど、声は届かずそのままのポジション。
アップも出来ず、久々にもかかわらず「なんだかわからないけど、無失点で終えたんだから、こちらの不安を意に介さず飄々とプレイした飯倉はやっぱり飯倉だった」と一緒に観戦したToristanさんと談笑した。
最後にキー坊がミーティングで語った内容をもう一度。
「マリノスはここで崩れるようなチームじゃない」「ここでもう1回、自分たちらしいサッカーをしよう」「前を向こう」。
プレイでその気持ちを見せてくれて嬉しかった。
中2日で2位の好調アントラーズとの試合を迎える。
まだ終わっていないぞ、しぶといマリノスを見たい。
文中の選手名は敬称略となっています。
画像はマリノス公式HPより