心のままに・・・

実体験をもとに小説仕立てでお話を書いています。
時々ひとりごとも…

あの日見た夢・・・12

2017-09-29 13:46:38 | あの日見た夢

城の中に入るといつもの部屋へ

そこへいつも姫さまのそばについている

お付きの方がやって来た

明日はいよいよお嫁入りの日

花、いったい何処へ行っていたのですか

貴女がいないので姫は随分ご機嫌が悪く

嫁には行かぬなどと言い出す始末

大殿さまは、好きなようにさせておけ

と、相も変わらず気にも留めておいででないし

そういえば、先ほど姫が

花はもうここへは帰ってこないのではないか

私を置いて

一人で戦のない場所へ行ってしまったに違いない

などと、

わけのわからない事を言っておられたのですよ

さぁとにかく一度顔を見せてあげてくださいな

貴女もいろいろと支度がおありでしょうけど

シノも忙しいのでございますよ・・・

ブツブツ文句を言いながら奥へと行ってしまった



どこか憎めない人

もう随分いい歳なのに、

あの方もずっと姫の側で世話をなさっている



私の役目は表向きは身の回りの世話と話し相手

でも本当は、身代わりの身

姫と私は、背丈や顔が似ているのだ

私には、いつでも身代わりになる覚悟がある

あにさまは、そんな私をいつも気遣ってくれ

お前にそんな事をさせはしないと言ってくれる

これ以上命など狙われないよう

今よりも大きな城へと明日旅立たれる

もちろん私も一緒に行くのだ






こんな世の中いつか終わるに違いない

私はいつもそんなことを思いながら過ごしている

そしてそれは本当の事だとどこかで確信を持っている



いつか花の言うような

戦なんてない所で静かに暮らしたいものだと

姫も私の言葉を信じてそう言ってくれている