完全に忘れていた
明日は、私の誕生日
わたしの誕生日は
わたしの誕生日は
12/26
クリスマスが終わった次の日だ
子供のころは
もう冬休みに入っていたので
友達から
おめでとう と
言ってもらえることも
言ってもらえることも
少なかった
小学生のころはまだしも
小学生のころはまだしも
中学生以上になってからは
プレゼント自体
クリスマスと混ざってしまって
うやむやになったことも
うやむやになったことも
しばしばだった
はぁ とうとう三十路
はぁ とうとう三十路
クリスマスケーキの売れ残りの売れ残り
賞味期限を切らした
賞味期限を切らした
ケーキと同じか
いやいや
それは遠の昔にすぎている
いや
いや
ケーキなら一日くらい過ぎていても
大丈夫
気にしなければ食べられるわよ
なんて
なんて
自分で自分にノリ突っ込み
あぁ悲しい
おい千秋
おい千秋
何を笑ったり
泣いたりしてるんだ?
おまえ、大丈夫か?
キャッ
キャッ
と、おもわず
小さく飛びあがってしまった
気がつくと岡崎が後ろに立っていた
あ、えーっと 今の見てました?
あ、えーっと 今の見てました?
いつから?
どぎまぎしながらたずねると
岡崎は笑いながら
どぎまぎしながらたずねると
岡崎は笑いながら
たぶん、最初から?
といいながら
プーーッと吹き出した
失礼しちゃう!
もう
失礼しちゃう!
もう
岡崎さんったら
趣味悪いですよ
もっと早く声掛けて下さったら
いいじゃないですか
いやいや
いやいや
あはっ
はっ おまえが
ずい分楽しそうにニヤついているから
どうしたのか
どうしたのか
と思って見ていたんだが
上向いたり下向いたりして
忙しそうだったんで
ついつい声かけそびれたよ
ふんっ
ついつい声かけそびれたよ
ふんっ
どーせ私はヘンな奴ですよ
明日またひとつ年とるし
とうとう三十路突入だし
いまだにひとり身でさみしいし
いまだにひとり身でさみしいし
それでもさみしいなんて
だれにも言えないし
おい、明日誕生日なのか?
そぉですよぉっ
じゃぁ・・・・
バカか私は
おい、明日誕生日なのか?
そぉですよぉっ
じゃぁ・・・・
バカか私は
何言ってんだ
まるで子供がいじけているような
言い方で
自分でもどうしてこんな風に
自分でもどうしてこんな風に
飾らず話せたのか
不思議な気分だった
んっ?そういえば今
んっ?そういえば今
岡崎さん最後に何か言わなかった?
じゃぁ千秋
じゃぁ千秋
明日2人で誕生会しよう
岡崎が
岡崎が
耳元でそう言って立ち去った。
再び周りを見渡す
大丈夫
再び周りを見渡す
大丈夫
誰にも見られていないし
聞かれていない
それにしても誕生会って
それにしても誕生会って
子供扱いね
口に出して一人つぶやいてみる
口に出して一人つぶやいてみる
それでも心は
ワクワクしていた
社内恋愛で
社内恋愛で
ゴールインしたカップルを
何組か知っているが
こんな感じだったのだろうか?
などと
などと
くすぐったい気持で考える
いや
まだ恋愛しているわけじゃないけど
それにしても大胆なこと言うな
それにしても大胆なこと言うな
岡崎さんって
そんなタイプだったっけ?
でも素直に嬉しかったし
でも素直に嬉しかったし
明日が待ち遠しくなった。
明日は何を着て来ようか?
明日は何を着て来ようか?
そんなこと考えるのは何年ぶり?