このブログは、日常と 「民話.昔っこ」の ブログなのにさぼってます(;^_^A
現代には、まったくマッチしない内容で ちょっとなぁ・・・と思われるでしょうが
あくまでも 昔話ということで、楽しんでくださいね。
何か、生きるヒントがあるかも???
「62の祝い」
むかし、むかしのことだどもな。 お殿様の命令で年寄は 62歳になったら
山に捨ててこなければ ならぬ国があったんだと。
この国には、大した親孝行な息子がいたそうだ。親を大事にして楽しく暮らしていたんだども
とうとうその親も 62歳になってしまったわけだ。 殿様の命令だから
親どこ 山に捨てに行かねば ならねんだども、どうしてもそんな事は出来ねものな。
それで、山に捨てた事にして、奥座敷の床下に作った 隠し部屋に
親に入ってもらったど。そこに隠れてもらって、ご飯を三度三度運んだわけだ。
あるとき、その国と隣の国とで 知恵比べをすることになったんだと。
隣の国からは 「灰の縄を勾玉(まがたま)に通す方法」という
問題が出されたものな。だどもお殿様の周りで この問題を解ける人は誰もいねかったど。
このままでは、知恵比べに負けてしまう。困ったお殿様は 国中に
「この問題が解けた者の 望みはなんでも叶える」という お触れをだしたんだと。
さて 親孝行の息子が親に ご飯を持って行った時のこと。親が世の中の様子を聞くものだから
この難しい問題の事を 話したわけだ。すると、親は「それだば、簡単な事でねが」
と言うと、まず、勾玉に縄を通しておいて それから縄に火をつけて
燃やせばいいと教えてくれた。 息子はさっそくお城に行くと この方法をお殿様に伝えたど。
お殿様は、ようやく答えがわかって大喜び。息子にたくさん褒美をやったそうだ。
だども、ふと不思議に思ってこう尋ねたわけだ。
「この国の知恵者が みな知らなかったことを なんでお前が知っているのか」
親の事をしゃべってしまえば 山に捨てて来いと言われそうで、息子は何も答えなかったど。
だども、あまり何度も聞かれて、とうとう親を捨てないで
隠して居る事をしゃべってしまった。この話を聞いたお殿様は、しばらく考えると
「亀の甲より年の功」といって、62歳で年寄を捨てる決まりを
やめてしまったど。そしてこの時から62歳で、祝い事をするようになったそうだ。
まず、えがったな。とっぴんぱらりのぷう。
角館地域に伝わる民話より