おばさんと呼ばれたくない、おばさんの為に、「年輩のご婦人」と表現を変えて書いてみたら、文句は一切来なくなった。
こうるさい、おばさん達も一応、「年輩」だということは自覚していたようだ。
イケメンも歳をとれば、おじさんになり、可愛いおねえちゃんたちも、おばさんになる。私が、おばちゃんになってわかったのは、体が想像以上に思い通りにならなくなると言う事だった。
今は駅の改札もプリペイドカードを使えば済むけれど、まだ、そんな設備がない時代は、おばさんが券売機の前で、切符を買うのにモタモタしているのを見て、「早く準備をしときゃいいのに」と舌打ちをしていた。
ところが、この歳になってみると、財布から小銭を出すのでさえ「あらら、あらら」という時がある。
この太い指が動いてくれない。
新札が何枚か入っていて、そこから一枚抜き取るのも、体に脂肪分は十二分にあるのに、水分量は減っているから指先に、お札が引っ掛からない。
ペロッと指先を舐める人もいるが、あれは見苦しいから絶対にやるもんかと思うと、お札一枚を取り出すのでさえ、指先との格闘になってしまう。
その一方で、オバサン達が図々しくなってしまう理由もわかった。
怖い物が無くなるのである。
そこで、どす黒い人は周囲に被害を及ぼしてしまうわけである。
2年程前、電車に乗っていたら、私と同年輩くらいの、オバサン二人が話をしていた。
そのうちの一人が震度4の地震があった時の事を、もの凄い大声で話はじめた。
「家に帰って着替えていたらなぁ~急にグラッときたから、もうビックリしたわ!!おっぱい丸出しでパンツ一枚だったから、どうしていいかわからんかったわ~」
その途端、周囲の人々は、ちらりと彼女の方に目をやり、そして皆一様に「はぁ~」とため息をついて、視線を床に落とした。
連れの、おばさんも絶句していたので内心、呆れていたと思う。
おばさんが3人以上集まったら、もう誰も太刀打ちできない。
特にこれから楽しみにしている出来事、例えば、贔屓の役者の舞台を見に行くとか、バーゲン会場に行くとか、観光地に行くとなると、テンションが上がりまくって、メチャクチャうるさい!!
大声で話すから、これからの予定が、こちらにも全てわかってしまうのである。
電車で出くわすと迷惑この上なく、私が若い頃は、ただ、じっと睨み付けるだけだったけれど、最近は(もっとうるさくなったら、一言、文句を言ってやる)と身構えている。
これも又、怖い物がなくなった、おばさん化現象の一つだろうか?
オバサン談義はつづく~
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