日々是好日

楽しみあるところに楽しみ 楽しみなきところに楽しむ

大原から静原へ

2010年11月20日 | 日記・つぶやき


京都も紅葉の最盛期を迎え、各地の道路はダダ混み…

テレビや新聞のニュースでは「今年は紅葉の当たり年」だという事らしいが、
確かに、山を見ても、街路樹を見ても、どこもかしこも綺麗に色づいている。

台風が来なかったのと、11月に入ってから雨の日が多かったのと、
昼夜の寒暖の差が大きかったのが、美しい紅葉に結びついたようだ。

今日も何時ものように大原まで野菜を買いに行ったが、
帰り道は美しい紅葉に惹かれて、ちょっとだけ遠回りをし、
大原からひとつ山を越え、静原から西賀茂までの山道を通った。

静原は四方を山に囲まれ、東の山を越えると大原、北の山を越えると鞍馬、
南の山を越えると岩倉。道路は東西に1本通っているだけで、
これといった観光地も無く、文字通り静かな山里の風景が広がっている。

京都市北部一帯は、古くから田畑が拓かれ、お米や野菜などの食料品をはじめ、
炭や薪などの生活必需品の供給地だった。
今でも鷹ヶ峰や西賀茂あたりの農家のオバチャンが、軽トラに自分の畑で採れた
野菜を積んで、街中まで売りに来る。
上賀茂や西賀茂などは宅地化が進み、昔の田園風景は失われつつあるが、
それでも市街地からほんの10分ほど走っただけで、美しい風景に出合える。

ちなみに私が子供の頃は、週に1~2回の割で、絣の着物に姉さんかぶり姿の
白川女(しらかわめ)が大八車にお花を積んで売りに来た。
「花、いりまへんか~~」と売り声が聞こえると、母に「仏さんのお花買ぉて来て」
と言われ、小銭を握りしめて、買いに行った。
大八車の上の花の束から適当に選んで、ちょんちょんと鋏を入れ、
瞬く間に仏壇のお花を作る、その手際の良さに子供ながら見惚れたものだったが、
もうその花売りの白川女も見かけなくなって久しい。

(写真は去年11月末、鞍馬から大原まで歩いた時の物。時期はさほど変わらないが、今年の方が色鮮やかだ)