ジョセフ・ケナタッチ氏 (523P)
(ケナタッチ氏・カナタチ氏・カナタッチ氏、サイトによって表記が違いますが便宜上、ケナタッチ氏と書きます)
国連プライバシーの権利に関する特別報告者 ジョセフ・ケナタッチ氏が、5月18日、共謀罪(テロ等準備罪)に関する法案はプライバシーや表現の自由を制約するおそれがあると懸念を示す書簡を安倍首相宛てに送付した。
以下、ヒューマンライツ・ナウ5月19日のこちらの記事より抜粋(改行などは少し編集)
書簡では、
●法案の「計画」や「準備行為」の文言が抽象的であり恣意的な適用のおそれがあること
●対象となる犯罪が幅広く、テロリズムや組織犯罪と無関係のものを含んでいること
を指摘し、
●いかなる行為が処罰の対象となるかが不明確であり刑罰法規の明確性の原則に照らして問題がある
としています。
さらに、プライバシーを守るための仕組みが欠けているとして、次の5つの懸念事項を挙げています。
1 創設される共謀罪を立証するためには監視を強めることが必要となるが、プライバシーを守るための適切な仕組みを設けることは想定されていない。
2 監視活動に対する令状主義の強化も予定されていないようである。
3 ナショナル・セキュリティのために行われる監視活動を事前に許可するための独立した機関を設置することが想定されていない。
4 法執行機関や諜報機関の活動がプライバシーを不当に制約しないことの監督について懸念がある。例えば、警察がGPS捜査や電子機器の使用のモニタリングをするために裁判所の許可を求める際の司法の監督の質について懸念がある。
5 特に日本では、裁判所が令状発付請求を認める件数が圧倒的に多いとのことであり、新しい法案が、警察が情報収集のために令状を得る機会を広げることにより、プライバシーに与える影響を懸念する。
「普通の市民には関係ない」という法律なら、それらの担保のためにセイフティネットは当たり前だと思うのだが。なぜ、それがないのか。
(だから不安、安倍政権だからよけい不安)
国連の力が弱くなってきている、と言われて久しいですが、このような良心的で常識的、誠意ある意見を持つ方たちからの助言は、立憲民主主義の国なら、むしろ感謝し参考にすべきもの、抗議するようなものではないと思いますが・・・。
日本政府は、これに対して抗議した。おそらくは、自分達の面目が潰れたとでも思ったのだろう。
しかし、それを読んだジョセフ・ケナタッチ氏は、「抗議は怒りの言葉が並べられているだけで、全く中身がない」と反論した。
この第三者から言われた、しごく普通の感覚がこれほど愛おしいとは・・・
「抗議は怒りの言葉が並べられているだけで、全く中身がない」
これって、あらゆる場面で「感情が優先して理性を欠く」という、安倍政権の特質をついていますよね。
警察官が国民にむかって「土人」という。その言葉に理解を示す政治家たち。なんとかに刃物じゃないですが、政治のあり方に抗議することは憲法で保証されている国民の権利なのに、理性の政治家なら、民主主義国家であるなら当然と思うことも、ネガティブな感情に支配された政治家は、それを不快に思い、権力で支配しようとするから。
テロの予防は口実、むしろ自分たちに都合の悪いことを言うものたちを押さえ込みたい気持ち満々ではないかと。
→恐怖政治の始まりと、菅前総理が安倍総理を提訴
福島でパネルを持った女性を政府関係者が取り囲み脅した件。
→人は人に対して敬意を持って接するべき
沖縄、やんばるの森にヘリポート建設反対して座り込みした人たちに対して大阪の警察官が「土人」発言
福島でパネルを持った女性を政府関係者が取り囲み脅した件。
→人は人に対して敬意を持って接するべき
沖縄、やんばるの森にヘリポート建設反対して座り込みした人たちに対して大阪の警察官が「土人」発言
国民は、いいかげん気がつかないと・・・自分にその刃が向いてからでは遅いのですよ。
「抗議中身ない」国連報告者が反論 「共謀罪」懸念書簡
朝日新聞デジタル 5/23(火) 12:07配信
「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織的犯罪処罰法改正案は23日の衆院本会議で可決される見通しだ。国連特別報告者が2度にわたって懸念を表明するなど、法案への疑問は尽きず、参院での議論に期待する声もあがっている。
法案をめぐり、国連のプライバシー権に関する特別報告者のジョセフ・カナタッチ氏(マルタ大教授)と政府が激しいやりとりを交わしている。
カナタチ氏は18日付で安倍晋三首相宛てに書簡を送付。法案について「プライバシーや表現の自由を制約するおそれがある」と指摘すると、政府は22日、「特別報告者は国連の立場を反映するものではない。内容は不適切」と抗議した。
これに対し、民進党は23日、カナタチ氏の22日付の反論文を入手し配布。文書の中でカナタチ氏は「抗議は怒りの言葉が並べられているだけで、全く中身がない」と反論。自身の書簡は「完全に適切」と述べた上で、「日本政府は実質的な反論を送付できていない。これだけ拙速に、深刻な欠陥のある法案を押し通すことを絶対に正当化できない」と指摘した。
政府は国連の国際組織犯罪防止条約に加わるのに「共謀罪」が必要としてきた。外務省の宮本新吾国際安全・治安対策協力室長は文書について「我々に文書で提出されたとは承知していない」と述べた。(後藤遼太)
これは、24日の東京新聞より
「共謀罪」プライバシー置き去り 国連特別報告者「深刻な欠陥ある法案」
★関連サイト
国連特別報告者ジョセフ・ケナタッチ氏 共謀罪法案について安倍内閣総理大臣宛の書簡全体の翻訳(ヒューマンライツ・ナウ)