バーチャルだのAIだの、仮想空間の中での進化がやたら早くて、社会は効率や経済優先で、リアルの人間がそのスピードについて行けない。
優しさとか思いやりとかは、人々の忙しさの向こうに追いやられてしまうのか、前の大阪万博の時に「人類の進歩と調和」を目指した21世紀は、どこにいってしまったのか。
国内外問わず、人類は相変わらず自然とも他国とも不調和を目指しているようで悲しい。
気候変動も今や、情け容赦ない。いうまでもないが、この世界に襲いかかる自然災害は凶暴さを増している。
それでも、時間つぶしのおちゃらけたテレビ番組が、グルメや旅行と、遊興に人々の意識を集中させ、先々の漠とした不安をごまかし続けているようにも見える。時代が変わり人が変わっても、テレビは、変わらずにふざけ続けているのだろう。
そんな中、以下のような発見があったことを知った。セミの翅の殺菌能力のすごさ、自然の驚異がまた新たにわかったことが、単純にうれしくで、もう少し生きて、この世界の行く末を見守っても良いかという気持ちになった。少し元気が出た。
以下、抜粋
セミの翅に触れただけで細菌が破壊される殺菌効果
セミの翅が細菌を殺すばかりか、死んだ細菌のカスを自動的に洗浄してしまうことは、以前から知られていた。
その殺菌パワーはきわめて強力で、細菌はセミの翅に触れただけで死んでしまう。
しかも、そのせいで翅が汚れてしまうこともない。細菌のカスや死骸が表面にたまると、そのせいでよりいっそう細菌がくっつきやすくなる。
ところが、セミの翅からはそうした汚れが綺麗さっぱり落ちてしまうのだ。
このスーパーパワーの秘密を探るため、翅の化学や物理的な特徴が研究されてきたが、なぜそんなすごいことができるのか、詳しいメカニズムはわからないままだ。
だが、どうやらその力は、翅の表面にある微細な柱状の構造体で、ナノメートルサイズの突起物「ナノピラー(ピラーとは柱のこと)」が関係しているらしい。
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このセミの翅の驚きの殺菌システムは、リンク記事にくわしいので、気になる方はぜひリンク記事をご覧ください。
昆虫の命は、たいていは長くても1年くらいの短さだけれど、幼虫時代のセミは、雑菌だらけの土中で何年も生き続ける。
菌との戦いに負けなかった幼虫時代を経て、土から這い出て、やがて強い殺菌能力を持つ翅をつけて成虫となる。
研究チームは、このセミの翅システムを応用して、将来的に医療機器の表面の菌の繁殖を防ぐ「殺菌コーティング剤」を作ることを目指しているという。
このメカニズムが、自然から学ぶ技術として、期待が持てそうでうれしい。
他にもいろいろな場面で応用が利きそうだが、つくづく技術は、命を生かすことに使って欲しいと思う。
余談だが、私は真夏のセミの大合唱、公園の木漏れ日の下、蝉時雨の中に身をゆだねることが好きだ。
個人的な体感で恐縮だけど、全身で蝉のエネルギーを受け止めて、なぜか知らないが元気になる自分を感じるから。
今回のニュースでまた、ちょっとだけセミに元気づけられた気がする。