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コミュニケーション障害とオキシトシンとスマホの関係

2014年11月02日 | ジョブズの呪い
個人的に気になったニュースです。

コミュニケーション障害治療 名大などで臨床治験
(中日新聞:2014年10月31日)

「愛情ホルモン」を点鼻

 愛情ホルモンともいわれる「オキシトシン」を、対人コミュニケーション障害の治療に用いる臨床試験が始まる。山末英典東京大医学部准教授と岡田俊名古屋大医学部准教授、それに金沢大、福井大のグループが30日発表した。

 対象は、かつてアスペルガー障害といわれた病気が主体。現在は自閉スペクトラム症と総称される。他人の気持ちを表情などから読み取ることができず、コミュニケーションが苦手。多くが男性で、100人に1人以上いるが、有効な治療法はない。オキシトシンは脳から分泌されるホルモンで、出産時に陣痛誘発のために使われている。最近、授乳の促進や他者との信頼関係の強化、さらに親子のきずなを強める働きがあることが分かってきた。

 金沢大の棟居俊夫特任教授と福井大の小坂浩隆特命准教授らは、これまで自閉スペクトラム症の人にオキシトシンを投与し、症状の改善を確認した。東大の小規模な試験でも効果があると分かった。男性に対しては目立った副作用は報告されていない。

 今回は4つの大学で計120人の成人男性患者を募集する。7週間にわたってオキシトシンを鼻から吸収させ、偽薬を与えた場合と比較する。効果は、他者の感情を読み取る力などを総合的に判定する。

 研究グループでは「薬として認められるための第1段階。将来は女性や子どもにも使えるようにしたい」と話している。

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2003年、長崎。大型量販店で4歳の男の子が誘拐され、殺害された事件。その犯人は中学生で、「高機能広汎性発達障害」であったということを新聞で知った。「高機能広汎性発達障害」という言葉は、その時、初耳であったけれど、新聞に出ていた障害の症状が父とあまりにも重なる部分が多くて、驚いたのがはじまり・・・。
高機能広汎性発達障害はアスペルガー症候群とも呼ばれおり、ずっと昔から父に感じていた違和感は、父の性格によるものと思っていたけれど、実は脳の障害であるかもしれないと、初めて思い当たった。
もし、もっと早くに障害なんだとわかっていれば、50年付き合った母ももう少し違う対応ができたかもしれないし、父を恨み続ける虚しい人生をおくらずにすんだかもしれない‥・。
そう思えば、人間同士、いらぬトラブルを避けるためにも、もっとアスペルガーについて、世間が認知し理解してゆかなくてはならないのだろうと思います。

記事によれば、アスペルガーという言葉は今は使っていなくて、「自閉スペクトラム症」というそうだ。へえ~。

アスペルガー(自閉スペクトラム)の人は、セロトニンが出にくいというのは、知っていたけれど、それを鑑みると同様に愛情ホルモンであるオキシトシンも、不足しているのだろうなということは、想像できる。
東邦大医学部教授で脳内物質研究者である有田秀穂先生の著書によると、オキシトシンがホルモンとして血液中に出ている時に、脳の中でもオキシトシン神経が働いて、セロトニンを活性化させるということだ。
だから、小規模な実験で、オキシトシンで効果があったというのも、なるほどー、と目からうろこの落ちたような気持ちになって。こういう方法がみつかって良かったなと思った。なにしろ今までは、打つ手がなかったのだから、希望が見えてきたでしょう。


  


ついでに言えば、世界中で爆発的な普及を見せるスマホに関して、またいつもと同じ警告させていただくと、長時間のケータイ、スマホの使用で、共感の気持ちをよぶ脳内物質セロトニンが出にくい状態になることがわかっている。
(参照:怒りやすい人ほど、ネットの利用はほどほどに

最近は、物心つく前の小さな子どもにまで、子守代わりに安易にスマホを見せる親もいるということ、それが成長期の脳の発育にどんな影響を与えてしまうのか、とても危機感をもっている。
また、大人のあくことなき欲望のために、スマホの子供用アプリも充実の品ぞろえだ。

オキシトシンは、親子でハグした時などに、大人も子どもも、ブワッと出てくる。万が一にも、スマホを子守に使ってしまった時は、その後、
「スマホに子守させてごめん、あなたのことが大好きだよ」と、ぎゅっと抱きしめてあげよう。スマホの害も少しは相殺されるかもしれない・・・?

それと、スマホを安易に子どもに与えてしまう前に以下の記事も参照されたし、と心より思う。

自閉症100倍増 母親の6人に1人「スマホ子守り」の不安
(日刊ゲンダイ:記事一部抜粋)
 ちょっと気になる調査結果が出た。
 セキュリティーソフト大手のデジタルアーツが14日に発表した「スマホの利用実態」によると、0~3歳児を持つ母親の17・4%が、「あやすための手段」としてスマホやタブレットを使っているという。実に6人に1人以上だ。
 かつてはテレビ、今はスマホに子守りをさせる時代らしいが、スマホが子どもに与える影響はないのか。
 「kids21子育て研究所」所長の片岡直樹氏(川崎医科大名誉教授)がこう言う。
「これまで主にテレビが子どもの発育に与える影響について研究してきましたが、45年前には全世界で5000人に1人といわれていた自閉症患者が、現在は50人に1人になっています。診断技術が向上して患者数が増えたという指摘もありますが、私はテレビをはじめ、スマホなど電子機器による影響も少なからずあると考えています」 ネット上でも「テレビ子守り、スマホ子守りをしても大丈夫でしょうか」なんて母親の相談が飛び交っているだけに、不安になる。片岡氏がこう続ける。
やはり子どもの発育には全身、そして五感をフルに使わせることが必要です。電子機器では目で見て頭で処理と、一部しか使わない。また、親とのコミュニケーションが少なくなることで、言葉が出るのが遅くなったり、発達障害につながることもあります。電子機器を使う使わないにかかわらず、大人がそばにいて子どもと触れ合うことが何より大切なのです」

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東洋経済オンラインからは、こんな記事も。

子どもを“IT音痴”に育てよう スマホが壊す人間関係(東洋経済オンライン) - goo ニュース
(東洋経済オンライン:一部抜粋)
スマホは子どもの人格形成を阻害する

同じく胸がどきどきする言葉で、さまざまなことを警告してくださっているのが、柳田邦男氏です。
柳田氏は「人の痛みを感じる国家」などでも繰り返し、「子どもが持つ一日の持ち時間には限りがある。その大半をバーチャル・メディアに接すると、仮想現実と現実が逆転する。それは言葉の発達や感情のきめ細やかな分化発達の遅れにつながり、相手の気持ちや感情を察することができなくなり、対人関係が上手く作れなくなってしまう」と指摘されています。その他自己中心的な性格になりやすい根拠を詳しく説明してくださっています。
柳田氏はまた、社会を驚かせた異常な少年少女・若者たちの犯罪の背景に、ネット依存があった事例を多く取材されて、幼少期の親の愛情不足による人格形成のゆがみについても指摘されています。子どもがスマホに使われるか否かは親子関係がカギです。

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幸福ホルモンであるセロトニンと愛情ホルモンであるオキシトシン。この2つは相乗効果があり、オキシトシンが出るとセロトニンも出やすくなる。だからこれらが十分に出ている人は、たとえ別れた恋人に対しても、相手を思いやる能力があるので、ストーカーになんかならないのだ。

急増する対人障害とスマホとオキシトシン。一見関係なさそうな3つの言葉をつなぎあわせて考えると、急速に変化してきた親子の関係と電子機器が子供の脳に与える影響、がそこに今ドスンとある問題なのだと思ったりしました。
ジョブズも孫さんも罪だよ。


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