虹色オリハルコン

命にエネルギーを与えるパワーの力

命からエネルギーを奪うフォースの力

どちらを選ぶかは自分次第

人生の最後を考えることは、悔いなく生きることにつながる

2014年06月17日 | 
6月14日の東京新聞に、興味深い記事が出ていた。「人生の最後」どう迎えたいか・・・という特集記事。





我が家の不思議人間のおかげで、父と母が亡くなった時、体は果てても、魂は自由になって故郷へ帰る、ということが事実として受け入れられるようになった。
それを踏まえると、死を自分のこととして考えた時、関わりあった人たちに、感謝の思いを伝えられるなら、病院だろうが家だろうが、死に場所はどこでもいいような気もする。
現実の多くは、衰え弱った体で病院のベッドでチューブに繋がれた姿を、家族親戚縁者に見せながら亡くなってゆく。残されたものは、辛く悲しく、また死への恐怖ばかりが残ってしまうのではないか…

家で家族に向かって「大変なこともあったけれど、それがまた面白く、良い人生だった。今までありがとう。お先に、向こうの世界に行くよ。じゃあね、いつかまた会おうね」と笑顔を見せて別れることは出来ないものか?
・・・いざとなったら私だって、こんな余裕なんかないかもしれないし、不慮の事故という突然の別れもあるかも知れないし、人それぞれの別れに何が正しいなんて言える性質のものではないけれど。

ところで、特集記事では、それについて3人の識者が語っている。そのうちの一人、宗教学者で臨死体験などの研究もされているカール・ベッカー氏の話を、ご紹介したいと思います。
飯田史彦さんも、「死」は体から離れて生きることだと、言われていますが、「死」を考える時、カール・ベッカー教授の視点で見つめると、死はすべての終わりではないという学術的な研究の裏付けがあり、死への恐怖は薄らぎます。
すれば安心して、ここに生きていることそれ自体が、限りある今生に与えられたかけがえのない一瞬と思え、大切にしなくては、と気持ちが変わってきます。



(東京新聞 2014年6月14日)


自宅でみとり大切
カール・ベッカー


 現代人は死をタブー視しています。これは、自宅ではなく病院で死ぬようになったことと関連しています。医療現場では、死を敗北と捉え、心のケアはほとんどされていません。死んだらすべて終わりとなったら、死を恐れるのは当然です。

 かつての日本人は死期を大事にしていました。千年以上の間、逝く人を囲み、いまわの際に何を見、聞いたのか、書き残してきました。こんな蓄積は日本だけです。文献には、まばゆい光に包まれた存在が迎えに来たと記されています。その名は、時代によって、弥勒菩薩、お地蔵さん、阿弥陀如来、観音様、弘法大師などと変わりますが、いずれも慈悲と智慧の光を見るとされているのです。



 
 死を意味する「他界する」「往生する」「渡る」「休む」「隠れる」「逝く」の表現からは、死後も何らかの形で人は存在し続ける、と日本人が考えていたことが分かります。他界の肉親を思い、お迎えを信じて、朝夕に仏壇に向かってきた日本人。故人を忘れないからこそ、前の世代へ感謝し、次の世代の責任も担ってきたのです。

 非科学的な迷信と切り捨てられてきた「来迎」(※)が再評価されるようになりました。理由は米国で始まった臨死体験の研究。生き返った人の聞き取りから、日本の文献と同じような経験が次々に報告されたのです。今や世界中で、死と心、意識の研究が行われています。

 団塊世代の高齢化で、かつてない時代が訪れます。どんな最後を迎えるかは、各人の選択に任せられるべきですが、全員分の病院のベッドを死に場所として用意するのは財政面からも非現実的。厚生労働省も自宅でのみとりを勧めています。日常の延長上として死があれば、今のように恐れなくなるでしょう。別れを身近に体験した子は、死の重み、不可逆性を知ります。

 徹底的な治療を求めるもよし、延命治療を打ち切って残された時間、財産を有意義に使うもよし。ただ、自分の人生で学んだこと、本当に大切なものとは何か、 を次世代に伝えることだけはしてほしいですね。

 臨死体験者によると、死後には一生を振り返り、反省する時があるそうです。なら、死をまたずとも、日々、内省すればいい。今日という日は、掛け替えのないものと分かるはずです。最後のことを考えることは、悔いなきように生きる、ことにつながるはずです。
(聞き手・都築修)




 ※注 来迎(らいごう): 浄土教で、人が死ぬ際に一心に念仏すると、阿弥陀仏や菩薩が迎えにやって来ることをいう。

 素敵なお花の写真は、フリー素材「足成」さんより






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