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「韓国経済」がグローバル競争から「脱落」する構図

2017-01-02 18:21:23 | 日記
新潮社フォーサイト

2016年09月29日

「韓国経済」がグローバル競争から「脱落」する構図

韓国経済がグローバル競争から脱落し始めた。

牽引車のスマホ、テレビ、半導体など電子・電機産業は中国製造業の猛追で、サムスン電子すら足元が揺らぐ。

造船は業界存亡の時を迎え、鉄鋼、自動車も勢いが落ちた。イノベーションによる突破力が身につかないまま成長を目一杯追った結果だ。

1997~98年の「IMF危機」以降の競争至上主義とグローバル化も、限られた企業を強くしただけで、産業全体の底上げにはつながらなかった。

次の成長ステージに進めなければ、韓国は先進国の地位からずり落ちる恐れもあるだろう。

致命的なバッテリー事故

「『ギャラクシーノート7』の機内での使用は全面禁止、貨物としての預け入れもお断りします」。

世界の航空会社の多くがサムスンの最新スマホを忌避している。

内蔵のリチウムイオン電池が爆発、発火するなど、韓国はもちろん欧米各国で事故が多発、サムスン自身も一時はユーザーに使用中止を薦めた。

ギャラクシー・シリーズのスマホの世界的ヒットで世界のエレクトロニクス業界の頂点に立ったサムスンだったが、

中国をはじめとする新興国景気の急減速と軌を一にするように2014年あたりから業績が悪化していた。

今年3月に発売した「ギャラクシーS7」の好調でなんとか持ち直し、8月に発売した「ノート7」も発売直後は人気を呼び、シェア回復に弾みが付きかけていたところだった。

だが、「スマホ史上最大規模」となるバッテリーの不具合で、勢いは止まった。

今後、リコールにかかる費用とユーザーからの損害賠償請求の負担は決して軽くはないが、それ以上に深刻なのはサムスン本体と「ギャラクシー」ブランドが受けた傷だ。

バッテリー事故を抜きにしても、サムスンの置かれた状況は厳しい。

営業利益の7割を稼ぐといわれるスマホを核とするモバイル部門は
「華為技術(ファーウエイ)」
「ZTE」「広東欧珀(OPPO)」「小米(シャオミ)」「TCL」

など中国勢にシェアを急激に浸食され、2013年には31%を超えていたスマホの世界市場シェア(米市場調査会社『IDC』調べ)は、2015年には25%を割った。

シェア急降下の様子は、かつて世界の携帯電話(フューチャーフォン)市場を支配したノキアの急激な凋落を思い出させる。

サムスンが狙う上級機種ではアップルが依然として圧倒的な支持を得ており、韓国国内でも20~30歳代ではiPhoneユーザーが増えている。

世界最大の液晶パネル生産国は「中国」に

スマホ以前に韓国ブランドを世界市場に浸透させた液晶テレビでも、主役の転換が急速に進んでいる。

「ハイセンス」「TCL」「スカイワース」など中国メーカーの追い上げが激しい。

今年第1四半期の世界シェア(米市場調査会社『IHS』集計)ではサムスン21%、LG13.2%と韓国が1、2位を維持してはいるが、

中国メーカーの合計は31.4%まで急伸、韓国2社の合計に迫っており、通年では中国勢が上回る可能性が出ている。

その裏付けとなる液晶パネルの生産拠点については、中国企業が第8世代以降の新鋭工場を続々立ち上げ、

世界最大級の第10~11世代のプラントも合肥(安徽省)と深圳(広東省)で建設が進んでいる。

業界の予想では、2017年第4四半期には中国が韓国を抜いて、世界最大の液晶パネル生産国になる。

過去10年以上、韓国がリードしてきたDRAM、フラッシュなど半導体メモリーも中国メーカーが政府支援を受け、5兆円ともいわれる巨大投資で新鋭プラントの建設を進めており、

韓国との差を一気に縮める可能性がある。

テレビ、スマホという最終製品でトップに立ち、組み込むデバイスでも日本、韓国、台湾などに追いつこうというのが中国の産業高度化戦略であり、韓国は狙い撃ちされている。

それは、かつて日本メーカーが液晶パネル、半導体、スマホで韓国、台湾勢に追いつかれ、主導権を奪われていった姿に重なる。

「サンドイッチの具」

サムスングループを個別に見た場合、中国との競り合いは企業の存亡にかかわることがわかる。

今回、不具合を起こしたバッテリーの主力サプライヤーは、

リチウムイオン電池で世界トップを争うサムスンSDI社であり、

中国に浸食される液晶パネルはサムスンディスプレイ、カメラモジュールやLEDはサムスン電機、

半導体メモリーは本体とデバイスの大半をグループ企業が内製しており、スマホ、テレビの売り上げが落ちれば、グループ全体が連動して沈む構造だからだ。

「日本と中国のサンドイッチにされる」。

10年以上前から、韓国では自国の産業が高付加価値のハイテク分野では日本に押さえ込まれ、

低付加価値の分野では中国に追い上げられ、結果的に上と下から挟まれ「サンドイッチの具」のようになるという危機論が語られてきた。

それがある意味で、サムスンや現代自動車、鉄鋼のPOSCOなどの奮起を促し、規模の拡大に駆り立ててきた。

「サンドイッチの具」が成長することで上と下のパンの圧力を跳ね返したわけだ。

「サンドイッチ」から「ピザ」へ

だが、今、韓国製造業の状況は「具の厚いサンドイッチ」から「ピザ」へと急速に変化しつつある。なぜピザか?

まずはサンドイッチの変化をみよう。

"上のパン"だった日本メーカーは、韓国の得意とするコモディティ化した商品分野から、高付加価値で、差別化しやすい分野に重心を移し、韓国産業にとって重しではなくなった。

日本の製造業は、例えばテレビやスマホから、高速複写機などデジタル事務機器やCT、MRI、内視鏡など医療機器、自動車向け電子部品、放送・映像機材、さらに航空宇宙や鉄道車両、電力システムなど社会インフラなどに軸足を移した。

あれほどテレビにこだわり、総額で1兆5000億円もの資金をプラズマディスプレー工場に投じ、さらに液晶事業も日立製作所から買収したパナソニックは、今やディスプレイをLGなどから調達している。

小型車で世界第5位の自動車メーカーにのし上がった現代・起亜自動車グループと

北米、欧州で競合していたトヨタ自動車、ホンダ、日産自動車は、商品の軸をハイブリッド車、電気自動車など技術的に差別化できる分野やプレミアムカーなどに移し、

研究開発は燃料電池や炭素繊維、高機能樹脂利用による軽量化や自動運転などに移っている。従来型の内燃機関の低価格小型車中心の現代・起亜と市場が離れてきている。

猛烈な火勢が

このように、韓国製造業にとって「上のパン」は消えたことで、ピザの具のように直接、熱を浴びることになった。

「下のパン」である中国はピザ生地にあたるが、生地を焼きあげる熱もまた具を容赦なく熱する。それは中国製造業の高度化そのものである。

例えば、今世紀初頭に日本勢を追い落とし、世界首位に君臨していた韓国造船業は

今や中国造船メーカーに追い付かれ、タンカー、バラ積み貨物船、コンテナ船はもちろんLNG船でも中国にシェアを奪われて、

トップから陥落。電子・電機分野ではすでにみたようにテレビ、液晶パネル、スマホ、半導体まで中国メーカーに追い上げられている。

鉄鋼も、世界の50%以上を生産する中国メーカーの輸出攻勢でアジアの市場を奪われている。

中国市場で成長した現代・起亜自動車の中心商品は今、中国地場メーカーの草刈り場にされつつあり、中国市場でのシェア低下は深刻だ。

韓国製造業の危機の構造はサンドイッチ状態からピザ状態に変わったが、

このままの状況が続けば、下手をすれば"具"である韓国製造業は焼け焦げにされかねない。

しかも、韓国にとってさらに深刻なのは、中国に続いてASEAN(東南アジア諸国連合)やインドメーカーも韓国の得意分野で大いに成長し、下から猛烈な火勢を上げ始めている点だ。

韓国経済「失速」の隠れた要因

8月末、韓国最大で、世界でも第7位の海運会社である「韓進海運」が経営破綻した。

世界各地の港で、同海運所属の80隻近いコンテナ船、貨物船が荷揚げできなくなり、世界の物流にも影響を与えた。

同社は大韓航空なども傘下に持つ財閥の基幹会社で、財閥オーナーの娘が「ナッツの出し方が悪い」と怒って滑走路に向かっていた航空機をゲートまで戻させた「ナッツリターン」事件で世界に悪名をとどろかせた。

韓進の破綻は中国による鉄鉱石、石炭など資源輸入の減少、中国からの輸出不振による海上物流の落ち込みが原因といっていい。

それはまさに中国経済の高成長の波に乗るだけで、独自技術で目立った進化を遂げられず、量的拡大と韓国国内の生産拠点から世界に輸出するというモデルに安住してきた韓国製造業の弱点を象徴的に映し出している。

日本ではサムスン、現代自動車はじめ韓国製造業はグローバル化で先行したと考えられてきた。

だが、マーケティングでのグローバル展開は見事に成功しても、生産・開発のグローバル展開という点では、韓国製造業は規模と広がりの両面で日本に及ばない。

当然ながら中堅・中小企業のグローバル化も遅れている。実はそこに韓国経済失速の隠れた要因がある。

日本は、大手企業の海外への生産移転についていったり、人件費の安い拠点を求めたりする形で世界に乗り出していった中堅・中小企業が多いが、韓国の中堅・中小企業ではそこまで達しなかった。

韓国は、財閥グループとその他企業の間に経営体力、技術力、人材などで大きな格差があるからだ。

日本のように「グローバル・ニッチ(限られた特殊な製品・技術分野で世界トップの中小企業)」は多くはない。

 韓国製造業はただ「ピザ」のように焼かれてしまうのか、新たな成長モデル、分野を見つけ、体質を変えて、窮地を脱するのか。存亡の秋(とき)を迎えつつある。 


後藤康浩

亜細亜大学都市創造学部教授、元日本経済新聞論説委員・編集委員。

どうなる韓国2017 悪夢再来シナリオ?

2017-01-02 17:35:32 | 日記
どうなる韓国2017 悪夢再来シナリオ?民主化30年、通貨危機20年「節目の年」

産経新聞 1/2(月)

韓国は今年、節目の年を迎えた。

1987年の「民主化」から30年。

保有外貨が払底し国際通貨基金(IMF)の緊急支援を受けた97年のIMF危機(その後、危機からは脱出)から20年。

年の初めを明るくすがすがしい気分でスタートさせたいものだ。

しかし、韓国では特に、この経済と民主化された社会がいずれも思わぬ方向に向かっている(ソウル 名村隆寛)

 新年から景気のいい話ではないのだが、現に韓国の経済専門家、財界、メディアの多くが自国経済の先行きを不安視している。

 韓国経済を牽引(けんいん)してきた輸出の低迷、所得低下、失業率の増加、物価上昇、冷え込む消費、個人負債の増大、格差の拡大…。書き込めばキリがない。

世界的な景気の低迷といった外的要因も多いのだが、「韓国経済の基礎体力は地に落ちている」(朝鮮日報)といった悲観論が実に多い。

 こうした中で、真実味を帯びて語られているのが、多くの倒産や大量失業者を出したIMF危機の再来である。

 韓国政府が昨年末に発表した「2017年の経済政策方向」によると、

韓国の今年の国内総生産(GDP)成長率は2・6%と予測され、昨年6月の3・0%の見通しから0・4ポイント引き下げられた。

2%台の見通しはアジア通貨危機とIMF危機後の1999年以来だ。

さらに、見通しが当たれば2015年から3年連続の2%台の低成長となる。現実的には2%の達成さえ困難だとの見方さえ出ている。

 朴槿恵大統領(パク・クネ、64)の親友で女性実業家の崔順実被告(チェ・スンシル、60)による国政介入事件で、朴氏の大統領権限が停止、弾劾の危機にさらされている国政停滞という現状もあるが、この権力の空白状態の結果が現実の数字として表れてくるのはこれからのことだ。

 ■近づく不動産バブルの崩壊

 今年の経済見通しが下方修正された要因に韓国政府は内需の鈍化を挙げた。

原油価格の上昇や金利の上昇圧力などで韓国を取り巻く環境が悪化すると予測している。

また、中国経済の成長鈍化や保護主義拡大の傾向で回復は限定的で、下半期には構造改革の影響が内需の足かせとなり、回復基調が弱まることを見通している。

 民間消費の増加率は昨年の2・4%を4ポイント下回り2・0%と予測。

雇用状況の悪化で実質購買力が鈍るとみている。

金利の上昇により債務返済の負担増も懸念されている。

 韓国経済にとって、いい材料はほとんど見られない。

個人債務は膨大で、家計負債は1300兆ウォン(約129億円)にも上る。クレジットカードの債務返済不能の件数、額も増加し続けている。

 これに輪をかけて不安視されているのが、金利上昇の可能性だ。

米連邦準備制度理事会(FRB)が昨年12月に金利を0・25%引き上げた。

今年中にさらに3回の利上げも示唆した。

韓国の中央銀行に当たる韓国銀行は即座に基準金利の凍結を発表したが、米国の金利引き上げは、確実に韓国の不動産市場に悪影響を及ぼすとの懸念が高まっている。

 景気低迷にもかかわらず、韓国の不動産価格は高騰状態を維持しており、ここ数年間の販売も好調だ。

しかし、金利が上昇した場合、住宅ローンの返済負担は高まる。すでに敏感な反応が出ており、12月にはソウルの高層マンションの売買価格は下落傾向を見せ始めた。

 ここで心配されているのが、不動産バブルの崩壊と不動産所有者の債務不履行だ。庶民の個人負債は今後も減りそうにない。

 ■「普通の人の時代」が再来か

 昨年のクリスマスは、おまつり好きの韓国ではこれまでなかったほどに、活気がなかった。

当地での感覚であるが、韓国人の多くがそれを認めている。景気は悪く、韓国社会から以前のような明るさが失われ始めている。

 そんな中、割を食った人々、庶民の不満が高まり、政府批判が連日、展開されている。

その象徴的なものが毎週土曜日にソウル中心部で行われている朴槿恵政権への抗議デモだ。

 30年前と時代こそ変われ、その規模からは1987年の全斗煥(チョン・ドファン)政権末期に起きた民主化運動が思い出される。

同年末の大統領選挙で当選し全政権を引き継ぐことになる盧泰愚(ノ・テウ)氏は「民主化宣言」を出し、やたらと自身を「普通の人」と称し、「普通の人の時代」を強調した。

 30年後、韓国は民主化されたものの、かつて政府に抗議していた市民、普通の人々が現在も不満をあらわにして街に繰り出している。

ただ、かつてのような軍事独裁政権に対する切実な人権要求などといった悲壮感はない。声を張り上げ、不満を叫び、ただ政府非難を続けている。

 30年を経て韓国の世代も変わった。

現在50歳の者は民主化当時には20歳で、今30歳以下の者は、当時生まれてもいなかった。

50歳以下は未成年の子供であったが、この世にいなかったということだ。その民主化30年間の結果が今の韓国社会に現れている。

 ■エネルギーの使い道

 30年を経て、普通の人々がさらにモノを言い、自己主張を続けている今日。

ただ、一方で韓国特有のこの不平不満の発散のさせ方、自己主張の強さ、「モノを言い過ぎる普通の人々」の言動に、30年を経て、皮肉にも“達成されすぎた民主化”の姿を感じさえもする。

 それだけ国民の生活水準が上がった結果なのだろうが、人々はさらに上を要求している。

大規模抗議集会などで感じるそのエネルギーにはすさまじさを覚える。

その一方で、「このエネルギーを他に活用できないのだろうか」とソウル駐在の日本人記者と話すことも少なくない。

 集会には中学生や高校生ら未成年も多く参加している。

明らかに民主化以降に生まれた世代だ。この韓国の未来を担う世代が、集会に参加する時間を勉強や読書、家のお手伝いに割いた方がよほど効率がいいはずだ。

当の韓国人に、そんな思いを口にしてみると、苦笑するなど、本心では認める人々も少なくない。

 だが、「もっと別にやることがあろうに」と思うものの、彼らにとっては「このままではよくないから抗議活動を続けるのだ」(集会参加者)というのが多くの言い分だ。

 一方、大規模集会が開かれるたびに、韓国メディアは

「けが人が出ず平和な集会だった」
「秩序あるデモだった」
「集会後にゴミを拾い集めるなど市民が成熟した姿を見せた」などと自賛している。

 確かにこれらは、社会が韓国なりに成熟した証なのかもしれない。

貧富の格差や不平等に不満を持つ一般市民が、鬱憤(うっぷん)を爆発させ自由に主張することは結構なことだ。

 ただ、彼らの不満は解消されず、効率の悪さと国内の混乱といった悪循環を繰り返している。

盧泰愚元大統領が30年前に口にした「普通の人の時代」、普通の市民が満足する時代に韓国はいまだに到達できていないということなのだろうか。

 それよりも、最近の抗議集会やデモには歯止めが利かなくなっており、当局も手がつけられなくなってきている。

ごく最近の例がそれを示している。南東部、釜山の日本総領事館前の路上に違法に設置された慰安婦像だ。


 ■民主化30年後の作品

 既報のように、地元の市民団体などが設置した釜山の慰安婦像は、地元自治体がいったん撤去したが、市民らの猛烈な抗議、圧力に屈するかたちで一転、設置を許可した。

 市民団体などは「釜山市民、国民の勝利だ!」とはしゃいでいたが、そのリスクを全く感じていない。


総領事館前に慰安婦像を建てることは、ソウルの日本大使館前の慰安婦像同様、外国公館前での侮辱行為を禁じたウィーン条約に反している。

韓国政府や地元自治体は世論に押されて、国際法を再び無視したことになる。

 韓国外務省は外交問題化を懸念しているというが、もう遅い。すでに外交問題になっている。さらに地元の釜山では、減り続ける日本人観光客のさらなる減少を心配しているそうだ。

 慰安婦像を設置した市民団体や学生は英雄気取り。

自分たちの欲求不満を解消できればリスクなんてどうでもいいのだ。

釜山の慰安婦像設置には、地元の大学生らが中心となって計画を進め、設置を“達成”した。当然、彼らは民主化以降に生まれ、韓国で教育を受けた世代である。

 言い換えれば、民主化30年の韓国の学校教育の成果であり、その作品でもある。

民主化後の愛国・反日教育を受けて育った者を教育した側(国や自治体)が止められなくなっている。これが、生の民主化30年間の現実なのだ。

 ■“朴後”もあとを引く?

 国政介入事件による混乱が起きて2カ月余りが過ぎた。この間、韓国は政治も経済も全く前に進んでおらず、あらゆることが停滞を続けた。

韓国では今年、次期大統領選挙が行われるが、その時期がいつになるかも不透明だ。

 前向きに動いていただきたいところだが、このままずるずると時間だけが過ぎるような気がする。

大統領選が行われ、次の政権が誕生しても、「振り返れば結局は何も進んでおらず、何も変わっていない」というような状況になる可能性が十分にある。

停滞からの脱却で必至にもがいている日々の韓国社会を目のあたりにして、「まんざら外れていないのではないか」と思う。

 さらに、この国内のゴタゴタや停滞は、次期政権にまで引きずられる可能性もある。

節目の年の韓国ではあるが、皮肉にも、30年前の民主化が悪い方向に向かい、経済では20年前のIMF危機のような状況にどんどん近づいている。

 今後も当地で、韓国社会が危機克服に向けて頑張る姿を見続けたいものだ。

韓国人が大好きな「漢江の奇跡」(1970年代の経済成長)の再来をぜひ、目の当たりにしてみたい。その実現はともかく。