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さらに中国貿易の基本情報として、中国のおもな貿易相手国と貿易額や貿易品目について、日中貿易からみた両国の経済概況についても考察していきます。
中国への海外展開を考えている日系企業が知っておくべき「中国の貿易の基本情報」としてぜひお役立てください。
- 1. 中国貿易の最新情報【2020年版】
- 2. 中国の貿易相手国ランキング&各国との貿易額
- 3. 中国貿易の最新トピック
- 4. 日本と中国の貿易について
- 5. 優良な中国進出サポート企業をご紹介
2020年7月の中国の税関である海関総署の発表によると、中国の2020年上半期の貿易総額(ドル建て)は前年同期比6.6%減の2兆297億ドルとなりました。
そのうち「輸出」は6.2%減の1兆988億ドル、「輸入」は7.1%減の9,310億ドルとなっており、結果として1,678億ドルの黒字となっています。
新型コロナの悪影響が懸念されていた中で、意外にも「中国からの輸出」がドルベースで増加した背景としては、新型コロナ禍後の世界におい経済活動が再開されたことが挙げられます。
海関総署の発表によると、新型コロナ禍の影響で防疫物資や在宅勤務用のノートパソコンなどの輸出が伸びたこと、原材料価格の下落や中国国内の操業再開・経済復興の加速に伴う原料需要の増加、大豆などの農産品購入などにより輸入が増加したことが具体的な要因としています。
この結果、中国の貿易黒字が623億3,000万ドル(約6兆5800億円)に拡大しています。
その背景として、海関総署は、ASEAN地域では新型コロナウイルスの流行が相対的に抑えられていること、ACFTA(中国ASEAN自由貿易協定)による経済協力の深化、ベトナム、マレーシア、シンガポールとのサプライチェーンの緊密化などを要因として挙げており、さらにASEAN諸国との集積回路(IC)の貿易が、中国とASEAN貿易の増加に付与したと指摘しています。
海関総署の報道官、対アメリカ輸入の減少幅は輸入総額の減少幅よりも小さいと指摘し。また今後はアメリカと共同して米中経済貿易協議の第1段階合意を実行すると述べています。
さらに2020年7月に限っては、対アメリカ輸出が前年同月比12.5%増と、2018年以来の大きな伸びを見せており、アメリカからの輸入も同3.6%増えている状態です。
専門家の見方によると、今後の米中関係の悪化を見越した、いわゆる〝前倒しの動き〟ということですが、いずれにせよ予断を許さない状況であることには変わりありません。
輸出入が2年連続前年比プラスの伸びとなった背景としては、ビジネスにおける環境が改善されたことや、輸出増値税還付率が引き上げられたことなどが挙げられています。
2019年の政府活動報告としては、前年にあげた方針のひとつである「通関の総所要時間を3分の1短縮する」を実現し、貨物の通関時間を前年より半分以上短縮した実績が報告されていました。
その結果としては、2019年第1四半期の貿易総額は、前年同期比1.5%減の1兆272億ドル。
アメリカとの貿易総額は15.4%減と、大幅に減少。輸出が前年同期比8.5%減の911億ドル、輸入が31.8%減の285億ドル、貿易黒字は7.6%増の626億ドルとなっていました。
その他の国との貿易総額を見ると、日本は2.1%減、韓国は6.9%減と、こちらも減少しています。
税関総署は、税や社会保険料率の引き下げ等による企業の安定化や、中国経済および貿易が安定した状態に向かっていることをあげ、米中貿易摩擦の影響はあるものの、他国との貿易は全体で見ればコントロール可能な状態であると発表していました。
中国にとっての輸入相手国1位は韓国で、9.6%のシェア率です。2位が日本で9%のシェア率。3位が台湾で8.4%のシェア率となっており、輸出相手国1位だったアメリカは輸入では台湾と同率の3位で8.4%となっています。
※データ抜粋:「日本の主な貿易相手国 / 中国」JFTC(一般社団法人日本貿易会)きっず サイト
2018年の輸出は品目別に見ると機械、輸送設備が輸出全体に占める構成比48.6%でもっとも多く、1兆2,081億ドル(前年比11.6%増)となりました。
2018年の輸入は品目別に見ると、輸入全体に占める割合が39.3%の機械、輸送設備がもっとも多く、8,395億ドル(前年比14.2%増)となりました。
※データ抜粋:「世界貿易投資報告 / 中国 / 2019年版」JETRO
トランプ政権はその後、2018年7月にロボットなど約800品目に対して340億ドル相当の25%の関税を、同年8月には半導体などの約300品目に対して160億ドル相当の25%の関税をかけると圧力をかけました。
中国の習近平政権も黙ってはいません。2018年3月に大豆などの約500品目に340億ドル相当の25%の関税を、同年7月には自動車などの約300品目に160億ドル相当の25%の関税をかけるとの声明を発表します。
同年8月、両国の追加課税合戦はさらにエスカレート。アメリカが家具・家電などの約5,700品目に2,000億ドル相当の10%関税をかけると発表し、中国はそれに対して液化天然ガスなどの約5,200品目に600億ドル相当の5%または10%の関税をかけることに。
2020年現在、2018年12月のアルゼンチンおよび、2019年6月の大阪での「G20(主要20ヵ国・地域)サミット」を経て、トランプ大統領と習近平国家主席は会談し、現時点では「米中貿易戦争は休戦」とされています。
米中貿易戦争の勃発から2年近く経っても両国の貿易摩擦の収束の道筋は見えず、世界各国の企業が「中国からの生産移管」を実施あるいは視野に入れ始めた矢先に、2019年12月より中国湖北省武漢市で発生したとされる「新型コロナウイルス」の感染拡大が始まっていったのです。
産業別では、第一次産業が3.2%減、第二次産業が9.6%減、第三次産業が5.2%減となっていました。
統計局の毛報道官はマイナス成長の要因として、新型コロナウイルスの影響が比較的大きかったとしていました。 2020年3月単月では主要経済指標の減少幅が1~2月と比較して大幅に縮小しており、「明らかな改善がみられた」と繰り返し強調。改善の勢いが継続すれば第2四半期の経済は当期よりも良くなり、世界での感染が抑制されれば、下半期の実績は上半期よりも良くなるとしていました。
結論から言うと、中国は日本にとって最大の貿易相手国です。日中首脳間においても、関心や方向性が一致している分野についての経済・実務協力を一層進めていく意向は一致しています。
2018年の日中貿易総額は3,537億7,293万ドル(前年比7.4%増)で、前年に続き増加しています。日本からの輸出は1,802億3,425万ドル(前年比9.3%増)、日本への輸入は1,735億3,868万ドル(5.5%増)となっています。
●貿易額
対中輸出:1,347億ドル
対中輸入:1,692億ドル 計3,039億ドル
(2019年,財務省統計に基づく日本貿易振興機構(JETRO)換算)
●主要品目
対中輸出:電子部品,科学光学器,プラスチック
対中輸入:通信機,衣類,電算機類
(2019年,財務省統計に基づく日本貿易振興機構(JETRO)換算)
集積回路(8.4%)、プラスチックおよびその製品(5.9%)、乗用自動車その他の自動車(5.5%)、自動車の部分品および付属品(4.4%)、有機化学品(4.2%)、半導体、集積回路又はフラットパネルディスプレイの製造用機器(4.2%)、鉄鋼(3.6%)など
※出典:中国海関統計2017年12月号より
電話機およびその他の機器(12.2%)、衣類および同付属品(10.2%)、携帯回線用・無線回線用電話(8.8%)、自動データ処理機械(7.0%)、がん具、遊戯(ゆうぎ)用具および運動用具(3.1%)、プラスチックおよびその製品(3.0%)など
※出典:中国海関統計2017年12月号より、( )内はシェア
日本は中国に対して「公平な競争環境の実現」「自由で公正な貿易体制の発展」に共に努力していきたいことを伝えると同時に、法制度の運用改善や市場の開放など、日中金融協力の強化等を通じ、お互いのビジネス環境の改善にさらに取り組むことを働きかけています。