-----Original Message-----
勝又壽良
Sent: Monday, November 26, 2018 5:00 AM
日本に背を向ける韓国、来たるべき経済危機どう克服するか
歴史問題を持出す理由は何か
民族主義「86世代」が支配
「反日」で国内求心力高める
10月から不況局面へ落込む
中国人民元安でウォンも急落
通貨危機で日本へ駆け込む?
韓国は、立て続けに歴史問題で日本へ砂をかけるに等しい行為を行なっています。
10月30日は、韓国大法院が戦時中の徴用工への賠償を命じる判決を下しました。
11月21日は、2015年の日韓合意に基づき設置した従軍慰安婦問題の「和解・癒やし財団」の解散を発表しました。これは、慰安婦問題の日韓合意破棄に等しい行為です。
韓国が、国内の政治的配慮で国際関係の取り決めを一方的に破棄することが、今後の対日外交にどのような悪影響を及ぼすか。
そういう未来を見据えた配慮はないようです。
ただ、国民の潜在的な反日感情に迎合する形で対応したと見られます。
韓国経済はすでに10月から不況へ転落しており、3回目の通貨危機発生の際に、日本の協力を求めなければ乗り切れないはずです。
あの「反日」を国是にするような中国ですら、人民元相場の急落に備えて、日中通貨協定を要請してきたのです。
先の安倍首相訪中時に、両国は調印しました。人民元相場が急落すれば、韓国ウォンも道連れで急落が予想されます。
その際、韓国は日本へ頼りたくても、日韓通貨協定はありません。その時、なんと言って日本へ支援を求めてくるのでしょうか。
すでに、韓国大学生の就職問題では、日本へSOSを打って来ています。
韓国政府主催による日本企業就職フェア(韓国では就職博覧会と呼んでいます)を開催。
多くの韓国大学生が殺到しています。
このように、身近なところで、日本が大きな「助っ人」になっているのです。
それにもかかわらず、「歴史問題」で日本に謝罪を求め賠償を増やせと高姿勢で臨んでいます。
こうした韓国の要求に、日本はどのように対応すべきでしょうか。
先の慰安婦財団解散に対して、日本の主要7紙が一斉に反対の社説を掲げました。
日韓両政府が合意した協定が、韓国の政権交代で白紙化されたのです。
この事態に、日本はどのように対応すべきでしょうか。
韓国の政権が変わっても、粘り強く要求し続けるしか方法がないのです。
歴史問題を持出す理由は何か
韓国が、歴史問題で日本に背を向けている理由は何でしょうか。
原因は、日韓併合問題(1910年)にまで遡ります。
日韓併合は、日本の敗戦(1945年)によって消滅しました。
さらに、日韓基本条約(1965年)で法的に解決したのです。日本は無償3億ドル、有償2億ドル、借款を含めた11億ドル以上の支援を「経済協力金」という名目で行ないました。
先の韓国大法院の判決では、日本の支払った金額が「賠償」でなく、「経済協力金」名目であるから、人権の名の下において個人保障は時効がなく請求可能としました。実態を無視した屁理屈です。
日本が、日韓交渉で「賠償」名目に応じなかった理由は、日韓併合が合法的に行なわれたからです。
合法的であった日韓併合に、賠償金が発生する理由がありません。
そこで経済協力金名目になりました。
これは、最終的に韓国も合意した結果なのです。
ところが、あれから半世紀以上もたって、韓国大法院が「賠償」という名目がないから「個人賠償請求は可能」であるとの判決を下したのです。日本が、こういう判決を出されれば、「エッ」と驚くのは当然です。日本政府が、拒否声明を出しました。
慰安婦問題は、3年前の12月に日韓両政府間で合意が成立しました。
日本は10億円を拠出しました。ところが、文政権は元慰安婦の意見を聞かずに合意したから無効であると宣言。
ついに先頃、日本の10億円基金で設立した財団を解散したのです。
これは、事実上の日韓慰安婦合意の破棄になります。韓国政府は「財団解散だけで破棄でない」と詭弁を弄しています。
民族主義「86世代」が支配
文在寅政権が、日韓問題の基本に歴史問題を据えていることは疑いありません。
なぜここまで、解決済みの問題までひっくり返して、過去にこだわるのでしょうか。
それは、「86世代」という「親中朝・反日米」の思潮が、韓国の指導層に深く浸透している結果でしょう。
政府・国会・司法と韓国を動かしている層が、この「86世代」によって占められているのです。
「86世代」とは、1960年代生まれ、80年代に学生生活を送った「革命礼賛派」です。
北朝鮮の「主体思想」(チュチェ思想)を信奉する民族主義者の集団と言えます。
1.南北朝鮮の統一、2.日韓併合の無効、3.上海の抗日臨時政府(形ばかりで実態なし)の継承という象徴的な動きをしています。
具体的には、北朝鮮へ接近し、反日活動を積極的に行なう。
そして、1919年の大韓民国臨時政府を韓国の起源にしています。
日本流に言えば、「右翼的」行動であり、「革新的」政権とは言いがたい側面を持っています。
最大の特色は、「主体思想」に染まっていることでしょう。
日本が現在、次のような問題を持出して米国を糾弾したと仮定します。
原爆投下は無差別攻撃で国際法違反である。よって、米国は日本に賠償金を払え。
最高裁判所がこういう判決を出したとしましょう。
日米関係は悪化するに決まっています。
米国は、改めて日本の開戦責任の追求と賠償を求めます。
日本は、無差別攻撃は国際法違反だと主張する。収拾が尽きません。
だが、サンフランシスコ講話条約(1951年)で決着がついているのです。日本の最高裁は、原爆被害の訴訟を取り上げないでしょう。
韓国が現在、言い募っている問題を日本の例に喩えれば、前記のような話題になると思います。
過去の解決済み問題をわざわざ引っ張り出し、日韓の憎悪感を増幅させることが、外交政策としてメリットがあるのか、という問題です。
韓国にとっても実質的メリットはありません。ますます日本の反感を買うだけです。
韓国政府はそれを承知で、日本に背を向けることをあえてやっている。その動機は何か、です。
「反日」で国内求心力高める
韓国政府が、日韓関係悪化を承知で行なっているとすれば、理由は韓国の内政問題です。
韓国の政治情勢が、理由もなく「反日政策」を歓迎する状況にあります。
保守党は朴槿恵政権の弾劾による追放で、完全に力を失いました。
「86世代」はここを狙って、反日政策を矢継ぎ早に打ち出しているのです。
韓国の保守派は、反日であるものの日本との関係を重視しています。
日韓関係悪化が、韓国経済にとって打撃になることを知っているからです。
だが、革新派を支えているのは、労働組合と市民団体です。経済的な感覚はゼロの集団です。
日韓関係がいくら悪化しようと、彼らの懐に響くことはありません。
だから、「主体思想」に則って、民族主義を100%開花させ、日本への鬱憤ばらしを「楽しん」でいるのです。
文政権の最大の泣き所は、反企業主義を掲げた経済政策の失敗です。
労働組合や市民団体に歓迎されるような経済政策が、韓国経済を活性化させるはずがありません。
反企業主義とは何でしょうか。
具体的には、企業活動への政府規強化です。
大企業の法人税率を引き上げました。反企業主義者にとっては大喜びする政策です。
さらに、最低賃金の大幅引き上げを行い、企業の労働者搾取を防いで、労働者の生活水準を引き上げるという目的です。
今年の最低賃金引き上げ率は16.4%。来年は、さらに10.9%の引上を決定しています。
今年と来年で、最低賃金引き上げ率は合計で約3割にもなります。
年率の経済成長率が3%未満の韓国経済が、2年間で30%の最低賃金引き上げに耐えられる。
韓国政府が。こう分析した点に呆れるほかありません。
経済成長率3%未満の意味は、韓国全体の生産性上昇が3%未満ということです。
この経済で、年間10%以上の最低賃金引き上げを吸収できるはずがありません。
ただの「経済音痴」ということでは済まされず、韓国経済の成長軌道を破壊させるほどの暴挙です。
10月から不況局面へ落込む
案の定、韓国経済は今年10月から不況局面へ突入しました。
韓国統計庁から正式発表はありません。
だが、景気動向指数の一致指標(生産や小売)は、今年4月から連続6ヶ月間下降し続けました。
ルールに従えば、10月から不況入りです。
文政権のことです。ルールを変えて、「今も好況期である」と言い出す懸念はあります。
もしそうなったら、この政権は再び「ロウソク・デモ」で退場させなければならない、という議論が出てくるかもしれません。
それほど、文政権はこと経済問題に対して、「黒を白」と言いくるめる術に長けています。
その例は、最低賃金の大幅引き上げが失業率を高めている、という事実を拒否し続けているのです。
文政権は、「所得主導成長」を御旗に掲げています。
所得を引き上げれば、それによって個人消費が活発化して、経済が好循環を描くと主張しています。
この主張は、既述の通り10月から不況局面へ突入で否定されました。今年の経済成長率は、昨年の3.06%より低下して、2.7%程度が見込まれています。
来年の経済成長率はさらに落込みます。
最低賃金の引き上げ幅が、10.9%に決まっているからです。
韓国メディアは、この最賃引き上げ幅の圧縮、ないし棚上げを主張していますが、全く取り上げる様子もなく、さらに「所得主導成長」を強力に推進すると頑張っています。
それは、財政支出を拡大して雇用助成金を増やすというのです。
最低賃金を引き上げ過ぎて景気を冷やす一方、財政支出で景気冷却分をカバーする。異常な経済政策です。
中国人民元安でウォンも急落
ここで、韓国経済が中国経済の影響を強く受ける事実を取り上げたいと思います。
中国経済は、米中貿易戦争の渦中にあります。
11月末の米中首脳会談の結果次第ですが、「一時休戦」が精一杯という見方が有力です。
解決するには、中国が米国の要求を完全に受入れることが前提になります。その可能性はゼロでしょう。
中国が受入れたら、習近平氏が弱腰であるとして国内で非難の矢面に立ちます。
中国経済が、さらに一層、切羽詰まった状況に追い込まれない限り、「白旗」を上げないでしょう。
中国経済はガタガタになってゆきます。その場合、人民元が1ドル=7元を割り込むと観測されています。
この点が、韓国にとって困った事態になります。
人民元安は、ウォン安につながる可能性が極めて高いのです。
この点は、ぜひ記憶に止めてください。
米国の経済通信社『ブルームバーグ』によれば、今年1~10月に人民元は6.68%、韓国ウォンは6.07%値下がりしました。
両通貨の下落相関性は0.9という極めて高いデータが出ているのです。
韓国経済の中国依存度が高いことから、ウォンが人民元の「プロキシー(代理)通貨」と考えられているという指摘もあります。
オフショア市場参加者は、流動性が低く相対的に取引が難しい人民元の代わりに、似た動きをするウォンに投資してリスクを分散している、とされています。
韓国は、これまで中国政府に虐められてきました。
「THAAD」(超高高度ミサイル網)設置で、中国から言われなき経済的な報復を受けました。その上さらに、ウォン相場が、人民元の「代理通貨」にされたのでは踏んだり蹴ったりでしょう。
通貨危機で日本へ駆け込む?
ウォン安が深刻になれば、第三の通貨危機に陥るリスクを想定して準備する必要があります。
その際、頼れる先は日本です。
韓国は中国と通貨協定を結んでいますが、人民元急落となれば、自国の頭のハエを追うだけで精一杯です。
韓国へ支援する余裕はなくなるでしょう。
そうなれば、否応なく日本へ頭を下げるしか道はありません。
その時、日本が、「国民の感情が許しません」と答えたらどうするのでしょうか。
韓国は、過去の解決済みの問題を穿り返し、そのたびに謝罪を求めています。
韓国が経済的な苦境に立ったとき、日本がどういう反応するのか。韓国は考えておくべきでしょう。
勝又壽良
Sent: Monday, November 26, 2018 5:00 AM
日本に背を向ける韓国、来たるべき経済危機どう克服するか
歴史問題を持出す理由は何か
民族主義「86世代」が支配
「反日」で国内求心力高める
10月から不況局面へ落込む
中国人民元安でウォンも急落
通貨危機で日本へ駆け込む?
韓国は、立て続けに歴史問題で日本へ砂をかけるに等しい行為を行なっています。
10月30日は、韓国大法院が戦時中の徴用工への賠償を命じる判決を下しました。
11月21日は、2015年の日韓合意に基づき設置した従軍慰安婦問題の「和解・癒やし財団」の解散を発表しました。これは、慰安婦問題の日韓合意破棄に等しい行為です。
韓国が、国内の政治的配慮で国際関係の取り決めを一方的に破棄することが、今後の対日外交にどのような悪影響を及ぼすか。
そういう未来を見据えた配慮はないようです。
ただ、国民の潜在的な反日感情に迎合する形で対応したと見られます。
韓国経済はすでに10月から不況へ転落しており、3回目の通貨危機発生の際に、日本の協力を求めなければ乗り切れないはずです。
あの「反日」を国是にするような中国ですら、人民元相場の急落に備えて、日中通貨協定を要請してきたのです。
先の安倍首相訪中時に、両国は調印しました。人民元相場が急落すれば、韓国ウォンも道連れで急落が予想されます。
その際、韓国は日本へ頼りたくても、日韓通貨協定はありません。その時、なんと言って日本へ支援を求めてくるのでしょうか。
すでに、韓国大学生の就職問題では、日本へSOSを打って来ています。
韓国政府主催による日本企業就職フェア(韓国では就職博覧会と呼んでいます)を開催。
多くの韓国大学生が殺到しています。
このように、身近なところで、日本が大きな「助っ人」になっているのです。
それにもかかわらず、「歴史問題」で日本に謝罪を求め賠償を増やせと高姿勢で臨んでいます。
こうした韓国の要求に、日本はどのように対応すべきでしょうか。
先の慰安婦財団解散に対して、日本の主要7紙が一斉に反対の社説を掲げました。
日韓両政府が合意した協定が、韓国の政権交代で白紙化されたのです。
この事態に、日本はどのように対応すべきでしょうか。
韓国の政権が変わっても、粘り強く要求し続けるしか方法がないのです。
歴史問題を持出す理由は何か
韓国が、歴史問題で日本に背を向けている理由は何でしょうか。
原因は、日韓併合問題(1910年)にまで遡ります。
日韓併合は、日本の敗戦(1945年)によって消滅しました。
さらに、日韓基本条約(1965年)で法的に解決したのです。日本は無償3億ドル、有償2億ドル、借款を含めた11億ドル以上の支援を「経済協力金」という名目で行ないました。
先の韓国大法院の判決では、日本の支払った金額が「賠償」でなく、「経済協力金」名目であるから、人権の名の下において個人保障は時効がなく請求可能としました。実態を無視した屁理屈です。
日本が、日韓交渉で「賠償」名目に応じなかった理由は、日韓併合が合法的に行なわれたからです。
合法的であった日韓併合に、賠償金が発生する理由がありません。
そこで経済協力金名目になりました。
これは、最終的に韓国も合意した結果なのです。
ところが、あれから半世紀以上もたって、韓国大法院が「賠償」という名目がないから「個人賠償請求は可能」であるとの判決を下したのです。日本が、こういう判決を出されれば、「エッ」と驚くのは当然です。日本政府が、拒否声明を出しました。
慰安婦問題は、3年前の12月に日韓両政府間で合意が成立しました。
日本は10億円を拠出しました。ところが、文政権は元慰安婦の意見を聞かずに合意したから無効であると宣言。
ついに先頃、日本の10億円基金で設立した財団を解散したのです。
これは、事実上の日韓慰安婦合意の破棄になります。韓国政府は「財団解散だけで破棄でない」と詭弁を弄しています。
民族主義「86世代」が支配
文在寅政権が、日韓問題の基本に歴史問題を据えていることは疑いありません。
なぜここまで、解決済みの問題までひっくり返して、過去にこだわるのでしょうか。
それは、「86世代」という「親中朝・反日米」の思潮が、韓国の指導層に深く浸透している結果でしょう。
政府・国会・司法と韓国を動かしている層が、この「86世代」によって占められているのです。
「86世代」とは、1960年代生まれ、80年代に学生生活を送った「革命礼賛派」です。
北朝鮮の「主体思想」(チュチェ思想)を信奉する民族主義者の集団と言えます。
1.南北朝鮮の統一、2.日韓併合の無効、3.上海の抗日臨時政府(形ばかりで実態なし)の継承という象徴的な動きをしています。
具体的には、北朝鮮へ接近し、反日活動を積極的に行なう。
そして、1919年の大韓民国臨時政府を韓国の起源にしています。
日本流に言えば、「右翼的」行動であり、「革新的」政権とは言いがたい側面を持っています。
最大の特色は、「主体思想」に染まっていることでしょう。
日本が現在、次のような問題を持出して米国を糾弾したと仮定します。
原爆投下は無差別攻撃で国際法違反である。よって、米国は日本に賠償金を払え。
最高裁判所がこういう判決を出したとしましょう。
日米関係は悪化するに決まっています。
米国は、改めて日本の開戦責任の追求と賠償を求めます。
日本は、無差別攻撃は国際法違反だと主張する。収拾が尽きません。
だが、サンフランシスコ講話条約(1951年)で決着がついているのです。日本の最高裁は、原爆被害の訴訟を取り上げないでしょう。
韓国が現在、言い募っている問題を日本の例に喩えれば、前記のような話題になると思います。
過去の解決済み問題をわざわざ引っ張り出し、日韓の憎悪感を増幅させることが、外交政策としてメリットがあるのか、という問題です。
韓国にとっても実質的メリットはありません。ますます日本の反感を買うだけです。
韓国政府はそれを承知で、日本に背を向けることをあえてやっている。その動機は何か、です。
「反日」で国内求心力高める
韓国政府が、日韓関係悪化を承知で行なっているとすれば、理由は韓国の内政問題です。
韓国の政治情勢が、理由もなく「反日政策」を歓迎する状況にあります。
保守党は朴槿恵政権の弾劾による追放で、完全に力を失いました。
「86世代」はここを狙って、反日政策を矢継ぎ早に打ち出しているのです。
韓国の保守派は、反日であるものの日本との関係を重視しています。
日韓関係悪化が、韓国経済にとって打撃になることを知っているからです。
だが、革新派を支えているのは、労働組合と市民団体です。経済的な感覚はゼロの集団です。
日韓関係がいくら悪化しようと、彼らの懐に響くことはありません。
だから、「主体思想」に則って、民族主義を100%開花させ、日本への鬱憤ばらしを「楽しん」でいるのです。
文政権の最大の泣き所は、反企業主義を掲げた経済政策の失敗です。
労働組合や市民団体に歓迎されるような経済政策が、韓国経済を活性化させるはずがありません。
反企業主義とは何でしょうか。
具体的には、企業活動への政府規強化です。
大企業の法人税率を引き上げました。反企業主義者にとっては大喜びする政策です。
さらに、最低賃金の大幅引き上げを行い、企業の労働者搾取を防いで、労働者の生活水準を引き上げるという目的です。
今年の最低賃金引き上げ率は16.4%。来年は、さらに10.9%の引上を決定しています。
今年と来年で、最低賃金引き上げ率は合計で約3割にもなります。
年率の経済成長率が3%未満の韓国経済が、2年間で30%の最低賃金引き上げに耐えられる。
韓国政府が。こう分析した点に呆れるほかありません。
経済成長率3%未満の意味は、韓国全体の生産性上昇が3%未満ということです。
この経済で、年間10%以上の最低賃金引き上げを吸収できるはずがありません。
ただの「経済音痴」ということでは済まされず、韓国経済の成長軌道を破壊させるほどの暴挙です。
10月から不況局面へ落込む
案の定、韓国経済は今年10月から不況局面へ突入しました。
韓国統計庁から正式発表はありません。
だが、景気動向指数の一致指標(生産や小売)は、今年4月から連続6ヶ月間下降し続けました。
ルールに従えば、10月から不況入りです。
文政権のことです。ルールを変えて、「今も好況期である」と言い出す懸念はあります。
もしそうなったら、この政権は再び「ロウソク・デモ」で退場させなければならない、という議論が出てくるかもしれません。
それほど、文政権はこと経済問題に対して、「黒を白」と言いくるめる術に長けています。
その例は、最低賃金の大幅引き上げが失業率を高めている、という事実を拒否し続けているのです。
文政権は、「所得主導成長」を御旗に掲げています。
所得を引き上げれば、それによって個人消費が活発化して、経済が好循環を描くと主張しています。
この主張は、既述の通り10月から不況局面へ突入で否定されました。今年の経済成長率は、昨年の3.06%より低下して、2.7%程度が見込まれています。
来年の経済成長率はさらに落込みます。
最低賃金の引き上げ幅が、10.9%に決まっているからです。
韓国メディアは、この最賃引き上げ幅の圧縮、ないし棚上げを主張していますが、全く取り上げる様子もなく、さらに「所得主導成長」を強力に推進すると頑張っています。
それは、財政支出を拡大して雇用助成金を増やすというのです。
最低賃金を引き上げ過ぎて景気を冷やす一方、財政支出で景気冷却分をカバーする。異常な経済政策です。
中国人民元安でウォンも急落
ここで、韓国経済が中国経済の影響を強く受ける事実を取り上げたいと思います。
中国経済は、米中貿易戦争の渦中にあります。
11月末の米中首脳会談の結果次第ですが、「一時休戦」が精一杯という見方が有力です。
解決するには、中国が米国の要求を完全に受入れることが前提になります。その可能性はゼロでしょう。
中国が受入れたら、習近平氏が弱腰であるとして国内で非難の矢面に立ちます。
中国経済が、さらに一層、切羽詰まった状況に追い込まれない限り、「白旗」を上げないでしょう。
中国経済はガタガタになってゆきます。その場合、人民元が1ドル=7元を割り込むと観測されています。
この点が、韓国にとって困った事態になります。
人民元安は、ウォン安につながる可能性が極めて高いのです。
この点は、ぜひ記憶に止めてください。
米国の経済通信社『ブルームバーグ』によれば、今年1~10月に人民元は6.68%、韓国ウォンは6.07%値下がりしました。
両通貨の下落相関性は0.9という極めて高いデータが出ているのです。
韓国経済の中国依存度が高いことから、ウォンが人民元の「プロキシー(代理)通貨」と考えられているという指摘もあります。
オフショア市場参加者は、流動性が低く相対的に取引が難しい人民元の代わりに、似た動きをするウォンに投資してリスクを分散している、とされています。
韓国は、これまで中国政府に虐められてきました。
「THAAD」(超高高度ミサイル網)設置で、中国から言われなき経済的な報復を受けました。その上さらに、ウォン相場が、人民元の「代理通貨」にされたのでは踏んだり蹴ったりでしょう。
通貨危機で日本へ駆け込む?
ウォン安が深刻になれば、第三の通貨危機に陥るリスクを想定して準備する必要があります。
その際、頼れる先は日本です。
韓国は中国と通貨協定を結んでいますが、人民元急落となれば、自国の頭のハエを追うだけで精一杯です。
韓国へ支援する余裕はなくなるでしょう。
そうなれば、否応なく日本へ頭を下げるしか道はありません。
その時、日本が、「国民の感情が許しません」と答えたらどうするのでしょうか。
韓国は、過去の解決済みの問題を穿り返し、そのたびに謝罪を求めています。
韓国が経済的な苦境に立ったとき、日本がどういう反応するのか。韓国は考えておくべきでしょう。
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