2018年01月25日 10:25
苦渋の選択、安倍首相の平昌出席への前向き発言
やや驚きをもって聞いた方も多いのではないでしょうか?「安倍首相、平昌オリンピック、開会式参加へ」という報道です。
この見出しだけを見るといかにも決定事項のように見えますが、私は最後の最後まで分からないと思っています。
安倍首相は「事情が許せば、平昌五輪の開幕式に出席をしたいと考えています」と答えているだけで自分の意志と事実は異なるかもしれないという判断余地を残しています。
ここに安倍首相の苦渋が見えるのですが、この記者会見に至る判断材料を考えてみたいと思います。
まず、安倍首相を参加にかきたてた理由として以下の3つが思い浮かびます。
1 北朝鮮による韓国と日米関係の分断作戦に対処すること
2 ペンス副大統領や欧州首脳も参加することで東京オリンピックへの売り込みと同時に国際社会へのアピアランスを示すこと
3 文大統領に勝負を挑みに行くこと
もちろん、安倍首相は選手の応援に行きたい、と言っており、それも重要な理由でありますが、今回のオリンピックがあまりにも政治化してしまい、普通の視点で判断できないところまで来ているところにポイントがあります。
北朝鮮はわがままを言いたい放題です。
それに対してことごとくYESと飲み込む韓国という構図でそれまでの文大統領支持派とされた人々の反感も買い始め、一部では金正恩委員長が描かれたものを焼き払うなどのかなり刺激的行為も見られます。
韓国国内では対北朝鮮への配慮をめぐって国民感情が大きく揺れ始めています。
それを受けて北朝鮮は「いつでも参加は取り止める気がある」という強気の姿勢を貫き、最も弱腰の文大統領が「まぁまぁ」という形になっています。
言い換えれば文大統領はとにもかくにもこのオリンピックが北朝鮮と仲良くできて無事に終わることを第一義に考えています。
そこに安倍首相が「日韓合意の件で話をしにいく」といえば文大統領は嫌に決まっています。
何もこんな時にそんな話をしに来なくてもいいだろう、と内心思っていることでしょう。
安倍首相の外交的強みは「攻め入る」姿勢を持っていることです。
自民党内部ではこの判断に大荒れになっているようですが、安倍首相は日韓合意の話を理由に韓国を揺さぶれると考えている節はあります。
もう一つは韓国が対北朝鮮に対する制裁を行っている中でグレーゾーンに入り込まないよう監視する姿勢を見せるということもあるでしょう。
すでに北朝鮮団(それは選手に限らず、音楽団も含め)に対して誰がその資金を出すのか、あるいは無償提供という形の贈与をするのか、それが国連の北朝鮮制裁の違反にならないか、厳しくチェックするという見方もできます。
では安倍首相の記者会見はなぜ「出席する」と言い切らなかったか、ですが、不測の事態が起きかねないことを考慮しているのだろうと察します。
例えば文大統領が安倍首相と首脳会談を拒否するとか、北朝鮮が無謀な行動に出てオリンピックそのものをぶち壊しにするなど常識では考えにくい事態はいくらでも考えられます。
第三者的見方をすると韓国政府の今の姿勢はほぼ完全に北朝鮮に取り込まれており、北朝鮮に制裁を決めた世界各国も「おいおい、当事者の韓国が弱腰外交か!」と判断しているはずです。
ならば、今後、北朝鮮制裁に真剣に立ち向かわなくなる可能性があります。
「勝手にせい!」であります。
その時困るのはミサイルが飛んでくるかもしれない日本が矢面に立たされるわけで安倍首相が「そこまで必要か?」と言われたバルト3国など6カ国訪問で北朝鮮の脅威を訴え続けたのはその緊張感を維持するための苦心だったとすれば辻褄はあうでしょう。
本件、政府と自民党の誰よりも緊張感を持っているのが安倍首相であります。
河野外相を除き、ほぼ他の閣僚と議員は外野と言い切ってもいいでしょう。ドライバーである首相のハンドルさばきに期待するしかないという状況であります。霧は深く、難しいところですが、ここは首相の判断に期待しましょう。
では今日はこのぐらいで。
苦渋の選択、安倍首相の平昌出席への前向き発言
やや驚きをもって聞いた方も多いのではないでしょうか?「安倍首相、平昌オリンピック、開会式参加へ」という報道です。
この見出しだけを見るといかにも決定事項のように見えますが、私は最後の最後まで分からないと思っています。
安倍首相は「事情が許せば、平昌五輪の開幕式に出席をしたいと考えています」と答えているだけで自分の意志と事実は異なるかもしれないという判断余地を残しています。
ここに安倍首相の苦渋が見えるのですが、この記者会見に至る判断材料を考えてみたいと思います。
まず、安倍首相を参加にかきたてた理由として以下の3つが思い浮かびます。
1 北朝鮮による韓国と日米関係の分断作戦に対処すること
2 ペンス副大統領や欧州首脳も参加することで東京オリンピックへの売り込みと同時に国際社会へのアピアランスを示すこと
3 文大統領に勝負を挑みに行くこと
もちろん、安倍首相は選手の応援に行きたい、と言っており、それも重要な理由でありますが、今回のオリンピックがあまりにも政治化してしまい、普通の視点で判断できないところまで来ているところにポイントがあります。
北朝鮮はわがままを言いたい放題です。
それに対してことごとくYESと飲み込む韓国という構図でそれまでの文大統領支持派とされた人々の反感も買い始め、一部では金正恩委員長が描かれたものを焼き払うなどのかなり刺激的行為も見られます。
韓国国内では対北朝鮮への配慮をめぐって国民感情が大きく揺れ始めています。
それを受けて北朝鮮は「いつでも参加は取り止める気がある」という強気の姿勢を貫き、最も弱腰の文大統領が「まぁまぁ」という形になっています。
言い換えれば文大統領はとにもかくにもこのオリンピックが北朝鮮と仲良くできて無事に終わることを第一義に考えています。
そこに安倍首相が「日韓合意の件で話をしにいく」といえば文大統領は嫌に決まっています。
何もこんな時にそんな話をしに来なくてもいいだろう、と内心思っていることでしょう。
安倍首相の外交的強みは「攻め入る」姿勢を持っていることです。
自民党内部ではこの判断に大荒れになっているようですが、安倍首相は日韓合意の話を理由に韓国を揺さぶれると考えている節はあります。
もう一つは韓国が対北朝鮮に対する制裁を行っている中でグレーゾーンに入り込まないよう監視する姿勢を見せるということもあるでしょう。
すでに北朝鮮団(それは選手に限らず、音楽団も含め)に対して誰がその資金を出すのか、あるいは無償提供という形の贈与をするのか、それが国連の北朝鮮制裁の違反にならないか、厳しくチェックするという見方もできます。
では安倍首相の記者会見はなぜ「出席する」と言い切らなかったか、ですが、不測の事態が起きかねないことを考慮しているのだろうと察します。
例えば文大統領が安倍首相と首脳会談を拒否するとか、北朝鮮が無謀な行動に出てオリンピックそのものをぶち壊しにするなど常識では考えにくい事態はいくらでも考えられます。
第三者的見方をすると韓国政府の今の姿勢はほぼ完全に北朝鮮に取り込まれており、北朝鮮に制裁を決めた世界各国も「おいおい、当事者の韓国が弱腰外交か!」と判断しているはずです。
ならば、今後、北朝鮮制裁に真剣に立ち向かわなくなる可能性があります。
「勝手にせい!」であります。
その時困るのはミサイルが飛んでくるかもしれない日本が矢面に立たされるわけで安倍首相が「そこまで必要か?」と言われたバルト3国など6カ国訪問で北朝鮮の脅威を訴え続けたのはその緊張感を維持するための苦心だったとすれば辻褄はあうでしょう。
本件、政府と自民党の誰よりも緊張感を持っているのが安倍首相であります。
河野外相を除き、ほぼ他の閣僚と議員は外野と言い切ってもいいでしょう。ドライバーである首相のハンドルさばきに期待するしかないという状況であります。霧は深く、難しいところですが、ここは首相の判断に期待しましょう。
では今日はこのぐらいで。
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