ひかり薬局ブログ 『a・honto!?』

ひかり薬局で起きるいろんな出来事と 管理薬剤師 光田の日々の思い♪

たまたまのステロイドデー

2007年08月18日 | 光田の個人的な日常

Pshe_020 18日土曜日の午後は、毎月恒例の鳥栖健康普及の会の勉強会(茶話会)を世話役の松隈さんのご自宅で開催しました。この日は、ステロイド(副腎皮質ホルモン)の日となりました。ステロイドの日とは・・・偶然ですが、治療で副腎皮質ホルモンを投薬され、服用し続けた難病を抱える皆さんが集まった日ということです。
その病気とは・・・膠原病・間質性肺炎・リウマチ・耳鳴り。そもそも副腎皮質ホルモンは、ノーベル賞をとったほどの素晴らしい消炎作用を持つお薬です。対症療法としてこれしかない病気は数多くあり、人類の福音と言っても過言ではありません。しかし一方では、免疫抑制(早くいえば病気にかかりやすい)や骨を溶かすなどの副作用があり、使用には細心の注意が必要です。
 先日、このブログに書いていたセカンドオピニオン(ふたりめの医師に診断してもらい意見を聴く)を求めておられた大腿部骨頭壊死(太ももの付根の関節の骨の一部が壊死する病気)の女性ですが、その後、私とふたりでインターネットで症例を検索して発病原因をだいたい突きとめました。その女性は副腎皮質ホルモンを飲んだ記憶はないけど、過去に一度、特有の副作用ムーンフェイス(満月のように顔が丸くなること)を経験しているのです。そして頑張って自分の薬歴を調剤薬局で調べて、4年ほど前に一週間だけ副腎皮質ホルモンを耳鼻咽喉科で耳鳴りのために服用し、それが原因で大腿部骨頭壊死を発病したことまで判りました。たった一週間の服用。しかも彼女はそのことを知らされていませんでした。また投薬した病院は、副作用予防措置をとってもいませんでした。
そのために、彼女は大手術を受けます。現在、医薬品副作用被害者のための救済制度を申請しようかというところです。健康普及の会では、本当に無知の恐ろしさを痛感します。自己責任。自己防衛。ちなみに救済制度も自己申告です。黙っていたって、誰も助けてくれません。私の舅が明らかに薬の副作用で死亡した時、姑が「医療機関を訴える!」と頑張った際、その基金から数百万円がおりました。泣き寝入りならゼロです。何よりもそうすることで、副作用に対する医療機関の教訓になることが大切だと感じます。大腿部骨頭壊死の彼女を応援しよう!と思っています。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする