スケッチブック

しずかに、のんびり、ゆるやかに

ノンフィクション1

2017-10-17 19:54:19 | small talk
遺品を片付けに
母についていきました

生前、機械音痴な故人にたのまれて
ないしょで電話に登録したものを
ないしょで抹消しなくてはいけないのでは・・?

と、みょうな使命感があったので
誘われて、ふたつ返事


「なにか、欲しいものがあればいいよ」
と、母

ちょっとした財産分与の件は
母が元気なので
わたしは全く関係ないのですが
「日々、是好日」の額を
おねだりしてしまいました



清潔で質素な、ひとり暮らしの故人の家を
のろのろ片付けながら
なんとなく、涙がとまらない
なんの涙かわからない

先月来たときに
換えたままの神棚の
半分になってるコップのお水を
椅子にのぼって、背伸びして
なむなむ、とまた取り換えた

それでなんとなく
故人の朝をたどることにしました

故人は毎朝、
この清潔な天照大神さんのお水を換え、
お仏壇の両親に、お花とごはんとお水を供え
お台所のガス台に祀ってある、
たぶん火の神さまにも
お水を換えていた
(わたしときたら、この小さな神さまに
今日はじめて気がつきました・・)

それから
玄関から内階段を掃きながら降りて
きちんと並んだお掃除道具でお外を掃いて
雑巾も・・干してあるから
どこか拭いていたのかな?
階段の手摺り?

目の前の
公園の桜を見上げて
・・いいえ、それはないかも
公園にちらばるゴミを見つけて
ち、行儀悪い、と舌打ち
・・うん、きっとそう

そうして
新聞を持ってまた階段を
片足をひきずって昇り
(小さな頃から一本動かない)
玄関に入る

そんな感じだったのでしょうか・・

そのすがたを
見守るような位置に掛けてある、
「日々、是好日」

よいな・・
できれば、わたし、欲しいです
見習わなきゃいけないことが
たくさんたくさんあるのです