軌道に色がついていますが、1色は時間10(1秒)です。時間50(5秒)ごとに軌道上に時間数字が記録されます。
プログラムでは発射後のロケットは6回の噴射や逆噴射の機会があります。これを利用して望むところにロケットを進める仕組です。つまり噴射の時間とパワーを入力することでそれを実現します。時間は整数・パワーはプラスの数字(少数可)がロケットの後方への噴射でマイナスの数字が逆噴射になります。つまりプラスが加速でマイナスが減速です。上下の時間とパワーが1セットです。噴射はロケットの進行方向だけですから、ロケットがどの方向に進んでいるかが重要です。
では書き替えてみましょう。最初の時間の数字100000をクリックやタップしてください。
すると、この入力画面が表示されます。拡大すると
33と入力したところです。なぜ33かというと、発射から墜落までの時間が時間67ですからその半分の時間約33がロケットが地球と平行になると判断しました。このとき噴射すると、地球を周回する軌道に入ることができそうです。
同様にその下のパワー「0」も書き換えました。何度かやってみてパワー180が良いようでした。
入力済みの画面です。ここで【発射】のボタンを押すと地球の周回軌道になります。
さらに2番目の時間とパワーにも入力して【発射】ボタンを押すと
となります。
軌道上に丸が2箇所ありますが、そこが噴射の位置です。
ここにはロケットの絵がありませんから飛行途中の画面になります。どこへ飛んでいくのかじっと見ていると、何かドキドキして楽しいです。行く先を予測したりしています。「月を回った後どこへ行くかな~?」という感じです。この後も地球を周回するかぶつかるかですね。
実はこうなります。
不思議なものですね。こうなるんです。地球と月の重力につかまっていますからいずれはどちらかに墜落してしまいます。
もっと、月に近づけないかと2番目のパワーを100から103に書き換えてみました。すると、
こうなって近づきました。一番近づいた時間830で逆噴射をしたら月の周回軌道に入れるのではと予測して2番目の時間に830パワーにー50を入力しました。【発射】を押すと
月を周回する軌道に入りました。最後は、
見事、月を2周回ることができました。
繰り返し、遊んで、遊んで時間が過ぎていきます。アイデアがいっぱい浮かんできます。画面上に時間表示が邪魔だな~。でも飛行計画づくりには必要だ。軌道が画面から外れても軌道計算は動いている。
そこで改良です。
その1 ロケットが画面を飛び出しても飛行位置がわかるようにX座標Y座標を数字で表示するようにしました。
その2 時間表示「ある」「なし」のボタンを付けました。これは飛行中でもタップできます。
その初期画面です。
新しいボタンや表示を画面の上のほうに設置しました。どれもこれからの活用に役立っています。特に座標は、頭の中で画面の枠をず~と広げてくれます。
実際、発射してみましょう。加速を2回計画しています。
このような飛行です。月に近づいたところで逆噴射をさせると
月を3周させることができました。
実はこれまでのものは、月の重力を実際より10倍大きくして使いやすくしていました。そこで現実に近いものもやってみたいな~と思い最新作「Ⅱ」を作りました。
※ 月の重力は地球の0.0123倍ですが、約100分の1とあまりにも小さいので、月の周回軌道に入るのが極めて困難です。そこで初期のものは月の重力を地球の10分の1に設定したわけです。 月の重力を地球の重力の0·0123倍と正しい値に設定した「Ⅱ」の初期画面です。
見た目は一番上の表題だけがⅠからⅡに替わっただけですが中身は全然違います。月の重力の影響がⅠの約10分の1ですからロケットが月に接近しても、月が軌道に及ぼす影響は10分の1に減少しているということです。それを分かり易く実感できるのがこれです。
発射パワーを565として月に接近します。
発射角度を51度・52度・53度・54度と4回打ち上げてそれを重ねて記録した軌道です。月に接近して軌道を変えられています。51が一番遠くを通りますが、月の重力でわずかに曲げられています。52はもっと近くなるので影響は大きくなっています。53は月に吸い寄せられて墜落です。54は月の極近くを通過したので大きく軌道を曲げられて画面に入らないほどの大きな地球周回軌道になっています。最終的には51と52が月に、53と54が地球に衝突しています。Ⅰに比べて月の重力が小さいのが実感できたと思います。 上のXとY座標の数値は月の座標内ですから54度が月に激突したことを示しています。
では55度はということで、
こんな複雑な軌道になります。最初に月の近くを通るとき、引き寄せられて曲がっていますが曲がりは小さいです。しかしその影響で地球を周る軌道になって、再び月に接近(2回目)します。さらに3回目もあって、最後は地球に衝突します。
図形としても上下対象で不思議な図形です。ビックリですね。
これがわかったのが大きな成果です。我ながら感動しています。
これをつくるのに50日ほどかかりました。その間30日くらいは何が難だかわからなくなり手を付けずアイデアを待つ日々でした。私の制作の過程でそれがどうしても必要です。真剣に考えなければと思ってもアイデアは浮かんできません。数学の勉強をしたり手を動かしている中で突然浮かんでくるようです。考えて無くても無意識の中で考えを巡らしているようです。