作って遊ぼう&学校の応援

 小学校でオモチャを身近な材料で作っています。また、最近プログラミングで学校支援アプリを制作しています。

「紙トンボづくり」のクラブ活動

2021-11-20 16:34:04 | 作って遊ぼう教室
 先日最寄りの小学校で「紙トンボづくり」のクラブ活動をしてきました。自転車で3分の距離です。段ボール1つに材料を詰めて持ち込みました。30分前に受付で手を消毒、体温は36.4度、来校の記帳をして図工室に向かいました。
 準備は、まず机上に配付物を並べます。途中で児童が「こんにちは!」と言って入ってきました。「今日は何を作るんですか?」「それですよ。」「竹トンボですね。」「紙でできているでしょう。」「じゃあ、紙トンボですね。」「ウン!」という会話があり、紙トンボを借りて遊びました。前の教卓の上に画鋲(がびょう)を置いて穴あけコーナーを作ります。箱を置いてその中にカラーの画鋲15個を置きました。15個はその時にいた児童に数えてもらいました。終わったとき15個なければ探さなければいけませんから。次に私は板書です。理解を深める図を4枚の黒板に大きく記入しました。
 児童は4から6年生の30人それに先生が2人です。板書が終わったところで先生の声が聞こえてきました。全員集合して「きょうつけ、礼」で始まりました。
 紙トンボを見せて飛ばして紹介しました。「飛ばして~飛ばして~!」と喜んでくれました。
 「今日は紙トンボを4つ作ってもらいます。材料の袋と説明書を配ります。班から材料を取りに来る人、説明書を取りに来る人、2人前に来てください。」
 班は6班あり、1つの班に456年生がいる縦割班です。こうするとすんなり配付が終わります。

配付物です。


配付した説明書です。


 配付物を一つ一つ確認しました。その後、作り方の説明をします。

① 方眼紙から長さ100㎜、幅15㎜又は20㎜をハサミで4枚切り取ります。切り取ったら名前を書いてください。みんな同じ紙ですから。

 「先生、失敗しました!」と見せに来た児童が4人ほどいました。方眼紙を切る方向が縦方向でした。「新しい紙をもらえますか?」という児童、長さが長いことに自分で気づいて100mmに切った児童は中心線を自分で書いていました。

② 切り取った4枚の長方形の方眼紙を短冊(たんざく)と呼ぶようにします。短冊を紙筒にチョッと斜めに貼ります。この貼り方によって紙トンボの回す方向が決まってしまいますから「自分はどっちに回すか?」をよく考えて決めてください。
 貼り方は、紙筒に線が引いてあります。これに短冊の対角線を重ねて貼ってください。ノリを付けるところは短冊の方眼の印刷されていない面です。ノリは全体に薄く塗ります。ノリが多いと乾きずらく、塗っていないところは剥(は)げてしまいます。具体的には短冊の向かい合う角が直線のところに来るように貼ります。

 「4枚貼れましたか。」机間巡視してみると、意外と貼るのが難しいようです。ノリも全面に塗れていないのでめくれあがっています。傾きも様々です。
 極端に傾いていたり曲がっているものは、紙筒を与えて、作り方を説明して再チャレンジしてもらいました。

③ 短冊を4枚貼ってしまったら黒板のところの〔穴あけコーナー〕に来ます。短冊の中央に画鋲で穴を空けます。中央線の真ん中が短冊の中央です。そこに画鋲の針を刺します。
 ここで大切なのは、紙筒が曲がらないことです。そのまま針を刺すと紙筒がへこんで丸みが無くなってしまいます。こんなことにならないよう丸いままで針を刺します。そうするには筒の内側に指を添える必要があります。指を刺さないように気を付けてください。

 これだけ説明しても、机や手のひらに紙筒を置いて上から針で押さえつけている児童がいっぱいでした。実際に筒の中に指を添えてやって見せました。「怖い、怖い!」と言っています。「指に刺さらないよう指の位置に気を付けることが大事。」理性的に考え行動するよう説明します。
 4つの画鋲を使う児童もいます。「画鋲一つでできます。みんなが待っていますよ。」

 ここまでは、4つ分をいっぺんに作ってきましたが、ここからは紙トンボを1つずつ作っていきます。

④ 紙筒から、貼った短冊を 大まか に切り取ります。
 実際、ハサミで切っていくとわかりますがちょっと切りにくいんです。曲がっているのをまっすぐなハサミで切ろうとするので、筒を平らに伸ばしてしまいます。筒の曲がりが紙トンボづくりには大切なので、曲がりを大切にして切っていってください。図にあるように、両側から切れ目を入れて切り取るのがいいと思います。
⑤ 大まかに切り取ったものを、きれいに切り取ってください。いっぺんに切り取ろうとすると、先ほどの曲がりが無くなってしまうので、ちょっとずつちょっとずつ切っていってください。
⑥ ほぼプロペラの完成ですが、それが回転するとき角が危険なので、角を同じように切り取ってください。

 これで プロペラ の1つ完成です。

⑦ 回転軸にプロペラを付けます。まず回転軸のトンガリに刺さっているゴムを外します。
⑧ プロペラの裏側の穴のところにノリを付けます。
⑨ 回転軸のトンガリをプロペラの穴に差し込んで、回転軸の紙とプロペラを強く密着させて貼り付けます。
⑩ ⑦で外したゴムを再びトンガリに刺してプロペラに押さえつけます。
 
 ここまでが一通りです。④から⑩を4回繰り返します。

⑪ ノリが乾いたら紙トンボの完成です。4つ目ができたころには最初のものは乾いてるかもしれません。



 作っているところです。



 出来上がったら、さあ~遊びましょう。



 何とか45分内に終わりました。早い児童は15分ほど遊べました。「僕のはこんなに良く飛びます。」「高いところから飛ばすといいよ。」「走って飛ばすよ。」「先生、僕のはよく飛びません。」「こうやって飛ばすんだよ。」先生が「2階に行ってはダメだ。」「2階まで飛びました。取りに来たんです。」色々な言葉が飛び交いました。

 穴あけコーナーの画鋲は15個ありました。良かったです。

 いつも部長と副部長の児童sが荷物をもって玄関まで送ってくれます。その日は玄関に自転車を止めていたんですが、荷台に段ボールを置いたトタン自転車が横に倒れてしましました。「大丈夫ですか!」と1人の児童が寄ってきてくれて段ボールを支えてくれました。中の材料がぐじゃぐじゃになっていたので「ありがとう。チョッと私が起こします。」と言って半分起こしたところで「手伝ってもらえますか!」と言えました。その後お礼を言うと児童はス~といなくなってしまいました。心の暖まるうれしい出来事でした。

 関連のパソコンサイトもあります。説明書のダウンロードもできますのでここをクリックしてください。

 

紙トンボ2〔児童の製作で(瞬間)接着剤を使わない〕

2021-11-12 21:11:52 | 作って遊ぼう教室


〔パソコンサイト〕

 紙トンボは「トイレットペーパーやキッチンペーパーの芯のような紙筒を斜めに切り取るとプロペラになる。」と気づいたところから考案しました。先の記事で紹介していますが、一つ難点がありました。
 それは、プロペラと回転軸を固定することが難しいのです。接点が小さいので大きな力が加わります。それで空回りして軸を回してもプロペラが回らないのです。工夫としては、接着の上下をゴム板で挟んで、面積を大きくしてずれが起きないように工夫しました。
 しかし、10~20分程度は遊べますが、熱中して遊んでいるうちに圧着が甘くなって空回りし始めます。「回らなくなりました。」と持ってくることになります。使いたくない瞬間接着剤を一滴落として固定してやることになります。教室にシンナーのような芳香(ほうか)が漂います。これが難点でした。
 そこで、紙トンボ2の工夫は、準備段階で(瞬間)接着剤を使って、絶対児童の作る遊ぶとろでは使わないという工夫です。

 説明は、事前準備と実際の教室とを分けて説明します。

 紙トンボは〔プロペラ部〕と〔回転軸部〕からできています。



 材料です。
 紙筒としてはトイレットペーパーやキッチンペーパーの芯です。これを斜めに正確に切り取るための目安となる紙の短冊(たんざく)が必要です。
 回転軸の尖った竹ひご(竹串)150㎜です。
 図のような10㎜四方の厚紙と同様な大きさのゴム板が必要です。




 短冊の紙は、広告紙やプリント用紙、色紙など何でもいいんですが、実際やってみて、広告紙が曲面に貼り易くてベストです。色紙のような柔らかいものは、貼るとき曲がってしまいます。良いプロペラにするのは何といっても“厚紙”が最高(スーパーベスト)ですが、厚紙をノリで紙筒に貼るのは難しく事前に曲面に合わせるように曲げておく必要があります。しかし厚い丈夫なプロペラになるので壊れにくく回転する力が大きくいっぱい遊べます。
 その短冊をA4用紙横置きにケガキしたものです。こうやって作っています。この場合36枚の短冊ができます。短冊には対角線が2本引いてあります。その交点は縦横の中央になります。



 プロペラ部の事前準備です。
 紙筒に短冊を斜めに貼っていきますが、短冊の対角線のいずれかを円柱線(円柱の方向の線)と重ねるように貼ります。これより“深い”・“浅い”角度で斜めに貼ってもいいかもしれません。これは私が見つけた適度な角度ですから、皆さんなりのベストを見つけてください。
 短冊を貼って乾いたらその中央に穴を空けます。
※ 紙筒が歪んだりしないように気を付けて穴を空けてください。紙筒の曲面があることが重要です。



 次に短冊を大まかに切り取ります。その後、短冊の外周を目安に曲面を切り取ります。プロペラ部の完成ですが、四隅を切り取って回転した時の危険防止に配慮します。

 実際の写真です。






 次は回転軸部を作っていきます。ここで(瞬間)接着剤を使います。
 回転軸部は“竹串”・“厚紙”・“ゴム板”から作ります。
 竹串のとんがりから厚紙を通して、その下側に(瞬間)接着剤を付けて接着します。上の面は、児童が作るときにノリ付けをするので、極力接着剤が付かないように気を付けます。
 最後に、ゴム板を竹串のとんがりに刺して回転軸部の完成です。



 さあ準備は終わりました。これらを持って紙トンボ教室に向かいます。
 教室の時間は様々ですが、その長さによって内容が違ってきます。小学校の1時間は45分が普通です。その場合、紙筒に短冊を貼ったものを提供して、そこからプロペラ部をハサミで切り出すところから始めます。その後、回転軸部と接着します。活動時間が2時間でしたら、紙筒に短冊を貼るところから始めます。
 高学年では1時間あれば短冊を貼るところから始められますが、クラブ活動のような45分間の活動では、プロペラ部を切り出すところから始めます。
 
 プロペラ部と回転軸部を接着して完成させるところです。ハサミとのりだけで作ります。



 実際に作っているところの写真です。プロペラ部と回転軸部の厚紙をノリでしっかり接着させるために指で挟んで押し付けてください。最後にゴム板でまた押さえて空回りを防ぎます。


  
 接着したプロペラ部の写真です。しっかり接着されています。この状態で遊べて、遊んでいるうちにノリが乾いて接着を確実にします。



 事前準備から完成までの一括した図も作成しています。図をクリックすると拡大する鮮明な図が開きます。





 今回の改定で、準備する時間が増えてしまいました。回転軸部の下準備は接着剤を付けて、乾く前に摘まんで力を入れるので、指は溶けたゴムと接着剤でゴテゴテに固まってきます。しかしティッシュで摘まんで引き離すと、餅のように剥げていきます。丁寧に丁寧に取って手を洗っています。20人ほどの教室では、一人当たり4つほど作るので(20人×4つ=)80本の回転軸部が必要になります。少なくとも100本ほどを準備していきます。

 最後まで読んでいただきありがとうございました。