令和2年8月24日に新しく地域学校協働活動推進員になられた皆さんに1時間ほどお話をしました。その時の内容をお伝えします。テーマは「〇〇版 地域学校協働活動に期待すること!~「お互い様」が、地域、学校、子供、住民をつなぐ~」です。
このお話にある写真等はパワーポイントで制作しています。皆さんにぜひ活用して役立てていただけたらと希望しています。パワーポイントファイルを使いたい場合は、ここをクリックしてください。ダウンロード用ホームページに移ります。
テーマの地域学校協働活動に取り組むことで、どのように変化を期待しているのか、サブタイトルにある 地域と学校、子供たちと住民の皆さんとの関係のうえで、「お互い様」と「つながり」をキーワードとしてお話をしていきたいと思います。
できましたら地域学校協働活動推進員の皆様のお仕事に役立つことができればと思っています。
これは、令和2年7月4日(土)の熊本県球磨川の氾濫の様子です。左上は坂本中と八竜小学校が見えます。坂本駅周辺は川の中のようになっています。右はほし印のところからの写真です。橋桁が流されています。中津道(なかつみち)の橋はしばらくすると流されてしまいます。)・谷間から抜けたところにある河川敷運動公園の様子です。
テレビのニュースで、ある地区で「水が来るぞー避難しましょう!」と声を掛け合って全員が助かったということでした。日頃からの地域のつながりや防災訓練が命を救うことになったということでした。
地域と学校との連携・協働の必要性は、十数年前から唱えられ、学校では地域の皆さんに来てもらう取組みをしていましたが、これが強く叫ばれるようになったのが“東日本大震災”の後でした。
日頃から地域のつながりを大切することに気づいたり、子供が胸を張って「地域の復興に頑張りたい」という姿がありました。
「地方創生」の旗印の下、これからの日本は、それぞれの地方の発展を積み上げて、日本の創生を成し遂げていく方向に舵(かじ)を切っていくことになりました。
今お話をしたところが、「日本の課題」の地域社会のところです。日頃からお隣とのつきあいがあれば「だ丈夫ですか!」と声をかけることもあるのでしょうが。また、困っているとき「助けてください!」と言えるのでしょうが、難しくなってきました。「地域の教育力の低下」では、まず、子供は学校と家庭、塾との行き帰りで、地域にはいません。大人も働くことで精一杯という時代です。家庭の孤立化の同じです。
社会については、新型コロナウイルスで世の中が一変しました。これからもどうなるか予想も付きません。もう前の時代には戻れないとも言われています。グローバル化は一辺にシャットアウトされました。
そこに図を示していますが、最近の社会の変わり様は急速です。宅急便は空を飛んでやってくると紹介されています。車は自動運転、仕事は機会やコンピューターに取って代わられて、人の仕事がどうなるのか予測すらできません。超スマート社会と呼ばれています。
学校においては、いじめや不登校、貧困など、複雑化・困難化して、とても学校だけでは改善できなくなっています。
そこで、その解決の方策として「社会総掛かりで・・・」となりました。社会や地域社会の問題を社会教育の手法で取り組むことは難しいです。それに比べて学校教育は全ての国民が等しく教育を受けます。教育が実るまでには子供たちの大人への成長を待たなければなりませんが、学校教育の力を活用することになりました。
学校教育は「文部科学省が示す学習指導要領」によって行われます。その内容を広く皆さんに知ってもらうために前文が設けられました。
それによると、学校教育は、教育基本法に記述されたいつの時代にも必要な不易な教育とこれからの時代に求められる教育からなっています。
「これからの時代に求められる教育」はこのように記述されています。文字ではわかりずらいので、絵にしてみました。
①一人一人の児童が、自分のよさや可能性を認識するとともに、②あらゆる他者を価値ある存在として尊重し、③多様な人々と協働しながら、④様々な社会的変化を乗り越え、⑤豊かな人生を切り拓き、⑥持続可能な社会の創り手となる。
さらに文章は続いて「これを実現していくためには「よりよい学校教育を通してよりよい社会を創る」という理念を学校と社会とが共有して」とあります。
学校教育が個人の生きる力の育成だけではなくて、持続可能な社会づくりに取り組む住民の育成まで取り組んでいくことを理解していただけたら、住民の皆さんから「そういうことなら、私たちは学校へ行って協働します。」ということになると思います。
学校から見ると、地域住民の皆さんに学校へ来て協働してもらうことは必要なことですので
学校にとっても地域にとってもメリットがありますから「お互い様」ということになります。
さらに文章は続きます。
「それぞれの学校においては、必要な学習内容をどのように学び、どのような資質・能力を身に付けられるようにするのかを明確にしながら」とあります。
つまり、皆さんのそれぞれの学校で、必要な学習内容は何か、それをどのように学ぶのか、ここに育つ子どもたちにどのような力を身に付けさせるのかを、地域や学校、子どもたちの特色を活かした教育を考える必要があります。
そこで、コミュニティ・スクールの学校運営協議会などの場で、学校から聞かれることもあると思います。学校は情報を集めて、校長先生から提案があります。それに対して意見を述べて、皆さんのそれぞれの学校の教育が決まっていくということになります。
さらに文章は続いて「社会との連携及び協働によりその実現を図っていくことが重要となる。」とあります。
つまり、実際に学校教育が行われるときは、”社会と連携・協働して行なう”ということです。
これが”地域学校協働活動”です。
ここで地域学校協働活動を確認しておきます。
前のスライドの絵です。○で囲んだところが地域学校協働活動です。
「あらゆる他者を価値のある存在として尊重し、多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え」というところが地域学校協働活動です。
地域学校協働活動の推進に向けたガイドラインによると、「地域学校協働活動とは、」「地域の高齢者、成人、学生、保護者、PTA、NPO、民間企業、団体・機関等の幅広い地域住民等の参画を得て」とあります。地域の広い範囲に声をかけるということを想定しています。
続いて「地域全体で子供たちの学びや成長を支えるとともに」とあります。ここは今はもっとも弱い部分です。子供たちは、学校と家庭・塾などとの行き来だけで、地域で住民と交流する機会をほとんど持っていません。しかし、これからは少しでも多くこの機会をつくっていく必要があります。
続いて「学校を核とした地域づくりを目指して」とあります。 ここの部分は上図の「これからの時代に求められる教育」のことです。
続いて「地域と学校が相互にパートナーとして連携・協働して行う様々な活動」と地域学校協働活動を規定しています。
それでは、学校が地域学校協働活動に取り組むことを考えてみましょう。
実は、地域の力を借りて学校教育を行う重要性は15年以上前から叫ばれていて、何の仕組みもなく、それぞれの学校だけで取り組んできました。したがって、人探しの全てを学校の教師がしなければなりませんでした。私の場合、校長が直接足を運んで探しました。ある時はPTA会長に相談しましたが、最後に来ていただくようお願いするのは私でした。
それぞれの学校はこの努力をしてこられて、すでに幾人かの地域学校協働活動に取り組んでくれる人を獲得してこられます。
こんな中、今回「地学校協働活動を”もっと”やりましょう。」という学校教育になります。
そこで、学校が気兼ねなく地域学校協働活動に取り組めるよう、地域学校協働活動に取り組んでも学校が大変にならないような仕組みを作ることになりました。
それが、地域学校協働本部です。そこには地域学校協働活動推進員がおられます。
学校が地域学校協働活動をするときには、「こんな人に来てほしい」と本部に依頼すると、必要な人材が派遣れてくる仕組みです。
この仕組みを導入しようとするのが私の仕事だったのですが、学校の受け止め方にも様々なものがありました。
地域学校協働活動の数が少ない○○市の場合、その良さに触れた教師がまだ少なく、ほとんどの教師が未経験です。地域学校協働活動をどう授業に生かせばいいか不安な思いでおられます。そういうのが学校全体の雰囲気であるならば、地域学校協働本部を創ってもらうと有無(うむ)もなくもっと地域学校協働活動に取り組まなければならない。学校にはすでに地域と連携・協働する取組はある。これで十分!というふうに受け止められる学校もあります。地域学校協働活動の負の受け止め方を”その良さ”払拭しなければならない課題があります。
数は少ないですが、地域学校協働活動を実施することで、その成果をわかっている教師もいます。例として、中学技術家庭の本立てづくりの授業に15人ほどが参画して、教師一人であれば画一したものを5時間で作るところを、生徒の設計したオリジナルを3時間で作ることができました。私も協働者として参画しましたが、三人の生徒さんを担当しました。設計図をもとに手順を協議して取り組んでもらいました。道具の選定・使い方を指導しました。制作中相談もありました。できた時には握手して喜び合いました。
この良さは、教育の質を高め、時間短縮にもつながるものです。
働き方改革にもつながるこを実感してもらうことで、この仕組みの良さを知ってほしいと思います。
次は、地域学校協働活動推進員の役割について考えてみましょう。
次は、地域学校協働活動推進員の役割について考えてみましょう。
ここにおいでの地域学校協働活動推進員の皆さんの一般的な活動は次のようなものではないかと思います。学校が地域学校協働活動を計画したとします。すると、学校は地域学校協働活動推進員に「こんな人に来てほしい」と依頼します。地域学校協働活動推進員は地域の皆さんに声をかけて「こんな人に来てほしい」と学校から依頼がありました。行ってもらえませんか。「はい行きます。」と答えてくれた人がいれば、地域学校協働活動に参画してもらいます。
これは、長く地域学校協働活動推進員の皆さんが続けてこられたやり方ですが、実は課題があります。
地域の皆さんに「お願いする」というかたちになってしまいます。以前の「支援」つまり、学校が忙しいので手伝ってください。教師の児童生徒と向き合う時間がほしいなどに答えて学校に来てもらった時代はこれで良かったですが、今は「連携・協働」「学校と地域がパートナーとして・・・」「お互い様」などのともに子どもたちの学びや成長を育むという姿勢からは適当ではないように思います。
つぎに、学校ではこれに積極的に取り組む先生はまだ少ない状況です。日頃学校におられる地域学校協働活動推進員の場合、そんな先生からはよく声をかけられますが、口頭の依頼であったり、個人間の依頼のようになってしまいます。すぐ、口頭で依頼できて対応してもらえるので教師にとっては都合の良い仕組みですが、悪い表現ですが「行き当たりばったり」になってしまいます。
地域学校協働活動の数が増えてくると対応できなくなってきます。すると、2年目以降の地域学校協働活動推進員は、この時期にはこんな依頼があると予測して年間計画を作成されています。しかし、去年あったからといって、今年あるとは限りません。
そこで改善の1です。
教育委員会から学校に、地域学校協働活動の年間計画を作成を依頼してしてもらいます。私も5、6年前から校長先生に、自分の学校でどれだけの地域と連携・協働した活動が行われているのかを把握してほしい。出来ればそれを時系列に並べて年間計画としてほしいとお願いしてきました。ですからすでにある学校も多いと思います。
次の月計画をあらかじめ登録された協働者の皆さん全員に配付します。地域学校協働活動ごとに参画できるかの〇×△を記入してもらいます。△の記号は、私の提案で、忙しいがどうしても人がそろわないときは参画します。という意思表示です。記入した後は返却してもらいます。それを見て参画する人を決めます。この場合、〇の人は決まりました。依頼が2人ならば△の人にも依頼して行ってもらいます。
下の記述は改善を言葉にしています。
その改善の効果は、まず、説明会を開いて賛同者を集めてください。教育委員会で応募者を募て登録してもらっています。
その登録者は、地域学校協働活動ごとに〇×△を自分で記入しますので、主体性を持って来てくれます。連携・協働にはふさわしいです。
〇の人が少なければお願いしなければなりません。これはマイナスの効果ですね。
登録者全員に配付するので、「登録したけどいちども呼ばれなかった。」ということはない。
配付や返却の方法を工夫しなければいけません。郵送・メール・ファックスなどが考えられますが、お金がかかったり、返信してもらえなかったりとうまくいかない部分の多いです。
そこで、提案ですが、ある小学校で〔連絡児童〕という役割を小学校3年生以上の児童を設けています。連絡児童は月一回担当の地域住民の自宅を訪れてプリントを渡します。数日後それを受け取りに行きます。
連絡児童と大人が触れ合いを持つことができるメリットもあります。確実にプリントが届いています。
これは、先ほどお話しした年間計画のサンプルです。私は100校ほどを担当していますが5、6年前から校長先生に作成をお願いして来ました。最初はなかなか作ってもらえませんでしたが、その必要性が理解されてきて、しだいと作られるようになってきました。
ある校長先生は、
・ 年度末職員に、この一年間でどんな地域の支援があったかを記入してもらいました。
・ それを一覧表にまとめて、地域の支援の状況を把握することができました。
・ それを時系列に並べて、年間計画にされたそうです。
しかし、学校は人が変わりますのでなくなってしまうこともあります。ぜひ教育委員会から学校に対して作成の依頼をお願いします。
その使い方です。
引受団体及び個人の代表者欄を空欄にして学校が作成します。まず、学校で直接頼めるところは了解を取って記入します。次にPTA役員会でPTAでできるところを記入します。最後に、地域の代表者が集まったコーディネート会議で引受団体又は個人とその担当者を決めて連絡先を記入します。
これは要請カードと呼ばれるものです。年間計画と同じように、地域学校協働活動の推進にとっては必要なものです。これには、学習活動・要請内容などが記入されていて、このカードを要請者(学校)から協働者(地域住民)に渡すことで打ち合せに代える仕組みです。また、地域学校協働活動が終われば反省も記入でできます。最後は学校に返して、実績を記録したものになります。次年度は、これを参考に計画が作成されることになり、学校の多忙さを軽減することができます。
その使い方です。
このカードは地域学校協働活動をする数週間前に学校担当者が作成します。それを地域学校協働活動推進員に託して地域担当者に渡します。地域担当者は、この内容を踏まえて実際に地域学校協働活動に参画する皆さんに説明します。必要があればコピーを取って渡します。地域学校協働活動の実施後は、反省を記入して学校に返します。
次は改善の2です。
右側に〇がいっぱいありますが、地域の団体や民間企業、機関等に声をかけてはという提案です。「社会総掛かりで対応・・」とか「地域全体で子どもたちの学びや成長を支える・・」という言葉がありましたが、それを実現した姿がこれと思ってください。市役所や税務署、警察といった公的な機関は、説明をすると「いや」とは言えないところです。企業も環境問題への対応とか社会貢献とか対応できる企業でなければ生き残れないとも言われています。
〇〇市の場合は、何といっても「まちづくり協議会」ですね。全ての校区にありますので、大きな力になってもらえると思います。また、婦人会や老人会、JAなどはどこの地域でも積極的に参画してもらっています。
取材する中で、ある企業に協力を依頼されたそうです。忙しいので人を出すことはできませんが、お金は出せます。活動の時、この旗を立ててください。こういう企業もありますから・・・・・・ぜひ、説明に足を運んでください。市統括コーディネーターや教育委員会の皆様にもお願いします。
それをどう機能させるかですが、学校に地域学校協働活動年間計画を作成してもらいます。それを地域学校協働活動推進員と学校担当者は、地域の団体や民間企業、機関等の代表者に集まってもらった場に提出して、ひとつひとつの地域学校協働活動について、どの団体・個人が参画するかを決めます。これをコーディネート会議といいます。決めるときには「私たちが行きます。」と言って決まります。
コーディネート会議を年3回開くとすれば三分の一づつの話し合いになります。
それを文章にすると下のようになります。
その効果は
「私たちが行きます。」と主体性を持って参画団体(者)が決まっていくのは連携・協働にはふさわしい。
〔社会総掛かりで〕〔地域全体で、子どもたちの学びや成長を支える〕という体制が実現される。多様で多くの人がこの活動に関わることができる。
地域学校協働活動推進員は、人探しの必要がなく、計画にしたがって次々に行われる地域学校協働活動が確実に効果的に実施されるよう連絡・調整・指導、また事後の反省・評価・改善などに努めることができる。
コーディネート会議でどこが学校に行くか決まっていても、よく問題が生じます。ひょっとしたら数日前に「一人どうしても足りません。」などの連絡が地域学校協働活動推進員にあるかもしれません。そのような対応が必要になってきます。
今学校を核として地域づくり(持続可能な地域の創りてとなる)に対する取り組みが行なわれています。本来は地域でするものですから、その趣旨を十分理解しておられるのであれば、きっと、コーディネート会議の合間に「地域で子どもたちの学びや成長を育む」提案などが話し合われるのではないかと期待しています。
改善の3です。
改善の1・2と提案してきましたが、少しハードルの高さが大きかったかもしれませんが、学校教育の改訂はほぼ10年おきになされてきましたので、この教育は10年は続くと考えてもいいと思います。時間をかけても結構かと思います。教育関係者の総力を挙げてこの体制を創ることが、子どもたちの学びと成長、持続可能な地域づくりにつながっていきます。
この動きは全国の津々浦々で始まりました。それぞれが地域の強みを活かそうと探しています。マイナスも見方を変えればプラスにもなるといったことが現実になってきます。
それでは、皆様の校区にどのような団体・民間企業・機関等があるか記入してみてください。
また、それをどう機能させるかの改善点を記入してください。 3密の回避ですから「話し合ってください」とは言えませんが・・・・。
役割をまとめます。
・「地域や学校の実情に応じた地域学校協働活動の企画・立案」
地域学校協働活動の主体者は学校です。学校とともに企画・立案に参加する構えでいいとおもいます。
他の学校との比較は必要ありません。自分の学校の地域学校協働活動はこれでいいのかと不安になることもありますが、「地域や学校の実情に応じた地域学校協働活動」ですから、学校に任せましょう。
・「コミュニティ・スクールへの参加」
地域学校協働活動推進員は○○協議会と地域学校協働本部の両方に所属します。そこで「学校運営協議会と地域学校協働活動の一体的な推進」に努めてください。
学校教育は「こんな力を育てたい」という目標を掲げて取組み、成果を確かめながら行われますので、身に付けさせたい力や本活動の目的を把握して活動して、実施後はその力が身についたかを確かめてほしいと思います。できればそのやり方を協働者に広めてほしいと思います。
・「学校や地域住民、企業・団体・機関等の関係者との連絡・調整」
これが地域学校協働活動推進員の主役割です。 学校の派遣依頼から、ボランティアの派遣にいたるまで、よりよく機能が発揮されるよう仕組の〔改善〕に努めてください。
・「活動の啓発」
「よりよい学校教育を通してよりよい社会を創る」という理念を広く地域住民に伝えてください。
本来は、教育委員会や学校が担ってほしい役割です。それらと協力して地域住民への説明会をもったり企業・団体・機関等へ説明に努めてください。
・「地域ボランティアの募集・確保」
組織的には、教育委員会や学校が募集を行ってほしい。それに協力する構えでいいと思います。。
日々の活動の中で、「○○のできる人」を探して確保することは重要で難しいです。ここに力を注いでください。
・「地域住民への情報提供・助言・活動促進(広報啓発) 等」
経験を重ねてくると、情報の提供や助言ができるようになりますから心配いりません。
記録として地域学校協働活動の写真を撮ったり、文字で残してください。自身の振り返りや今後の改善にも役立ちます。
余裕があれば、広報誌づくりにも取り組んでください。
子どもの数が増えていますが、これからの教育は、幼稚園・小学校・中学校・高等学校・支援学校で、今までお話ししてきた教育が始まります。
ここの地域住民の皆さんは、これからの教育の趣旨を説明して、賛同してもらった皆さんです。
学校で地域学校協働活動をする、つまり「様々な人々との協働して、社会的困難を乗り越える」教育活動をします。そこで子供たちは、線で結ばれるように地域の皆さんとつながっていきます。
つながるとは、子供たちは地域の皆さんと〔知り合いになる〕〔興味を持ち、影響を受ける〕〔生き方に学ぶ〕など、つながりの度合いは色々です。
この体制を「学校を核とした地域づくり」といいます。
教育委員会と今日お集まりいただいた皆さんによって、この体制の始まりを作ってもらいました。
これから皆さんで、多様でより多くの地域の皆さんに参画してもらえるよう、学校では、目的に応じたたくさんの地域学校協働活動が実施されるよう願いたいと思います。
次は、この学校教育で育った子供たちが大人になったころの社会を空想してみましょう。
「豊かな人生を切り開き、持続可能な社会の創り手となる」が実現した世界です。
当時の子供たちが、ここにいるの大人です。豊かな人生を切り開いた姿です。
また、ここには「持続可能な社会」が創られていますので、次代を担う子供たちも地域の中にいます。地域の中で「地域づくり」を学ぶ状況があります。
では、学校はどこにありますか? もうすでに地域の中心ではありません。地域のひとつになっています。
地域づくりに取り組むことは終わりましたので、いつの時代にも必要な教育をすればよくなっています。ひょっとしたら、この時代には別の課題が出てきているとすれば、そのような新しい教育が始まっているかもしれません。
この未来社会をちょっと空想してみましょう。
社会の仕事は、AIなどで機会に置き換わり様変わりしていると思います。労働時間も短くなって、余暇をどのように過ごすかという状況になっていると考えられます。
子供たちも、給食までは学校、その後は地域で色々な活動に参加するのです。
スポーツやダンス、将棋などを楽しむ人。ボランティアグループで活動する人など。その中で、大人から「地域づくり」を学んでいきます。また、この子どもたちが大人になった時には、今とは違った持続可能な社会を創ってくれるという言うわけです。
学校だって、午前中だけではなく、何時だってどこでも学べるようになっているかもしれません。午前中社会活動をして、午後は在宅学習をするとなっているかもしれません。
ちょっと未来を見てみたい気分です。
地域学校協働活動で期待される社会を紹介いたしました。未来の予測できない社会に生きる子供たちが、自身の豊かな未来を切り開き、持続可能な社会を創っていく姿を、想像できましたでしょうか。
このお話にある写真等はパワーポイントで制作しています。皆さんにぜひ活用して役立てていただけたらと希望しています。活用したい場合は、ここをクリックしてください。ダウンロード用ホームページが立ち上がります。
このお話にある写真等はパワーポイントで制作しています。皆さんにぜひ活用して役立てていただけたらと希望しています。パワーポイントファイルを使いたい場合は、ここをクリックしてください。ダウンロード用ホームページに移ります。
テーマの地域学校協働活動に取り組むことで、どのように変化を期待しているのか、サブタイトルにある 地域と学校、子供たちと住民の皆さんとの関係のうえで、「お互い様」と「つながり」をキーワードとしてお話をしていきたいと思います。
できましたら地域学校協働活動推進員の皆様のお仕事に役立つことができればと思っています。
これは、令和2年7月4日(土)の熊本県球磨川の氾濫の様子です。左上は坂本中と八竜小学校が見えます。坂本駅周辺は川の中のようになっています。右はほし印のところからの写真です。橋桁が流されています。中津道(なかつみち)の橋はしばらくすると流されてしまいます。)・谷間から抜けたところにある河川敷運動公園の様子です。
テレビのニュースで、ある地区で「水が来るぞー避難しましょう!」と声を掛け合って全員が助かったということでした。日頃からの地域のつながりや防災訓練が命を救うことになったということでした。
地域と学校との連携・協働の必要性は、十数年前から唱えられ、学校では地域の皆さんに来てもらう取組みをしていましたが、これが強く叫ばれるようになったのが“東日本大震災”の後でした。
日頃から地域のつながりを大切することに気づいたり、子供が胸を張って「地域の復興に頑張りたい」という姿がありました。
「地方創生」の旗印の下、これからの日本は、それぞれの地方の発展を積み上げて、日本の創生を成し遂げていく方向に舵(かじ)を切っていくことになりました。
今お話をしたところが、「日本の課題」の地域社会のところです。日頃からお隣とのつきあいがあれば「だ丈夫ですか!」と声をかけることもあるのでしょうが。また、困っているとき「助けてください!」と言えるのでしょうが、難しくなってきました。「地域の教育力の低下」では、まず、子供は学校と家庭、塾との行き帰りで、地域にはいません。大人も働くことで精一杯という時代です。家庭の孤立化の同じです。
社会については、新型コロナウイルスで世の中が一変しました。これからもどうなるか予想も付きません。もう前の時代には戻れないとも言われています。グローバル化は一辺にシャットアウトされました。
そこに図を示していますが、最近の社会の変わり様は急速です。宅急便は空を飛んでやってくると紹介されています。車は自動運転、仕事は機会やコンピューターに取って代わられて、人の仕事がどうなるのか予測すらできません。超スマート社会と呼ばれています。
学校においては、いじめや不登校、貧困など、複雑化・困難化して、とても学校だけでは改善できなくなっています。
そこで、その解決の方策として「社会総掛かりで・・・」となりました。社会や地域社会の問題を社会教育の手法で取り組むことは難しいです。それに比べて学校教育は全ての国民が等しく教育を受けます。教育が実るまでには子供たちの大人への成長を待たなければなりませんが、学校教育の力を活用することになりました。
学校教育は「文部科学省が示す学習指導要領」によって行われます。その内容を広く皆さんに知ってもらうために前文が設けられました。
それによると、学校教育は、教育基本法に記述されたいつの時代にも必要な不易な教育とこれからの時代に求められる教育からなっています。
「これからの時代に求められる教育」はこのように記述されています。文字ではわかりずらいので、絵にしてみました。
①一人一人の児童が、自分のよさや可能性を認識するとともに、②あらゆる他者を価値ある存在として尊重し、③多様な人々と協働しながら、④様々な社会的変化を乗り越え、⑤豊かな人生を切り拓き、⑥持続可能な社会の創り手となる。
さらに文章は続いて「これを実現していくためには「よりよい学校教育を通してよりよい社会を創る」という理念を学校と社会とが共有して」とあります。
学校教育が個人の生きる力の育成だけではなくて、持続可能な社会づくりに取り組む住民の育成まで取り組んでいくことを理解していただけたら、住民の皆さんから「そういうことなら、私たちは学校へ行って協働します。」ということになると思います。
学校から見ると、地域住民の皆さんに学校へ来て協働してもらうことは必要なことですので
学校にとっても地域にとってもメリットがありますから「お互い様」ということになります。
さらに文章は続きます。
「それぞれの学校においては、必要な学習内容をどのように学び、どのような資質・能力を身に付けられるようにするのかを明確にしながら」とあります。
つまり、皆さんのそれぞれの学校で、必要な学習内容は何か、それをどのように学ぶのか、ここに育つ子どもたちにどのような力を身に付けさせるのかを、地域や学校、子どもたちの特色を活かした教育を考える必要があります。
そこで、コミュニティ・スクールの学校運営協議会などの場で、学校から聞かれることもあると思います。学校は情報を集めて、校長先生から提案があります。それに対して意見を述べて、皆さんのそれぞれの学校の教育が決まっていくということになります。
さらに文章は続いて「社会との連携及び協働によりその実現を図っていくことが重要となる。」とあります。
つまり、実際に学校教育が行われるときは、”社会と連携・協働して行なう”ということです。
これが”地域学校協働活動”です。
ここで地域学校協働活動を確認しておきます。
前のスライドの絵です。○で囲んだところが地域学校協働活動です。
「あらゆる他者を価値のある存在として尊重し、多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え」というところが地域学校協働活動です。
地域学校協働活動の推進に向けたガイドラインによると、「地域学校協働活動とは、」「地域の高齢者、成人、学生、保護者、PTA、NPO、民間企業、団体・機関等の幅広い地域住民等の参画を得て」とあります。地域の広い範囲に声をかけるということを想定しています。
続いて「地域全体で子供たちの学びや成長を支えるとともに」とあります。ここは今はもっとも弱い部分です。子供たちは、学校と家庭・塾などとの行き来だけで、地域で住民と交流する機会をほとんど持っていません。しかし、これからは少しでも多くこの機会をつくっていく必要があります。
続いて「学校を核とした地域づくりを目指して」とあります。 ここの部分は上図の「これからの時代に求められる教育」のことです。
続いて「地域と学校が相互にパートナーとして連携・協働して行う様々な活動」と地域学校協働活動を規定しています。
それでは、学校が地域学校協働活動に取り組むことを考えてみましょう。
実は、地域の力を借りて学校教育を行う重要性は15年以上前から叫ばれていて、何の仕組みもなく、それぞれの学校だけで取り組んできました。したがって、人探しの全てを学校の教師がしなければなりませんでした。私の場合、校長が直接足を運んで探しました。ある時はPTA会長に相談しましたが、最後に来ていただくようお願いするのは私でした。
それぞれの学校はこの努力をしてこられて、すでに幾人かの地域学校協働活動に取り組んでくれる人を獲得してこられます。
こんな中、今回「地学校協働活動を”もっと”やりましょう。」という学校教育になります。
そこで、学校が気兼ねなく地域学校協働活動に取り組めるよう、地域学校協働活動に取り組んでも学校が大変にならないような仕組みを作ることになりました。
それが、地域学校協働本部です。そこには地域学校協働活動推進員がおられます。
学校が地域学校協働活動をするときには、「こんな人に来てほしい」と本部に依頼すると、必要な人材が派遣れてくる仕組みです。
この仕組みを導入しようとするのが私の仕事だったのですが、学校の受け止め方にも様々なものがありました。
地域学校協働活動の数が少ない○○市の場合、その良さに触れた教師がまだ少なく、ほとんどの教師が未経験です。地域学校協働活動をどう授業に生かせばいいか不安な思いでおられます。そういうのが学校全体の雰囲気であるならば、地域学校協働本部を創ってもらうと有無(うむ)もなくもっと地域学校協働活動に取り組まなければならない。学校にはすでに地域と連携・協働する取組はある。これで十分!というふうに受け止められる学校もあります。地域学校協働活動の負の受け止め方を”その良さ”払拭しなければならない課題があります。
数は少ないですが、地域学校協働活動を実施することで、その成果をわかっている教師もいます。例として、中学技術家庭の本立てづくりの授業に15人ほどが参画して、教師一人であれば画一したものを5時間で作るところを、生徒の設計したオリジナルを3時間で作ることができました。私も協働者として参画しましたが、三人の生徒さんを担当しました。設計図をもとに手順を協議して取り組んでもらいました。道具の選定・使い方を指導しました。制作中相談もありました。できた時には握手して喜び合いました。
この良さは、教育の質を高め、時間短縮にもつながるものです。
働き方改革にもつながるこを実感してもらうことで、この仕組みの良さを知ってほしいと思います。
次は、地域学校協働活動推進員の役割について考えてみましょう。
次は、地域学校協働活動推進員の役割について考えてみましょう。
ここにおいでの地域学校協働活動推進員の皆さんの一般的な活動は次のようなものではないかと思います。学校が地域学校協働活動を計画したとします。すると、学校は地域学校協働活動推進員に「こんな人に来てほしい」と依頼します。地域学校協働活動推進員は地域の皆さんに声をかけて「こんな人に来てほしい」と学校から依頼がありました。行ってもらえませんか。「はい行きます。」と答えてくれた人がいれば、地域学校協働活動に参画してもらいます。
これは、長く地域学校協働活動推進員の皆さんが続けてこられたやり方ですが、実は課題があります。
地域の皆さんに「お願いする」というかたちになってしまいます。以前の「支援」つまり、学校が忙しいので手伝ってください。教師の児童生徒と向き合う時間がほしいなどに答えて学校に来てもらった時代はこれで良かったですが、今は「連携・協働」「学校と地域がパートナーとして・・・」「お互い様」などのともに子どもたちの学びや成長を育むという姿勢からは適当ではないように思います。
つぎに、学校ではこれに積極的に取り組む先生はまだ少ない状況です。日頃学校におられる地域学校協働活動推進員の場合、そんな先生からはよく声をかけられますが、口頭の依頼であったり、個人間の依頼のようになってしまいます。すぐ、口頭で依頼できて対応してもらえるので教師にとっては都合の良い仕組みですが、悪い表現ですが「行き当たりばったり」になってしまいます。
地域学校協働活動の数が増えてくると対応できなくなってきます。すると、2年目以降の地域学校協働活動推進員は、この時期にはこんな依頼があると予測して年間計画を作成されています。しかし、去年あったからといって、今年あるとは限りません。
そこで改善の1です。
教育委員会から学校に、地域学校協働活動の年間計画を作成を依頼してしてもらいます。私も5、6年前から校長先生に、自分の学校でどれだけの地域と連携・協働した活動が行われているのかを把握してほしい。出来ればそれを時系列に並べて年間計画としてほしいとお願いしてきました。ですからすでにある学校も多いと思います。
次の月計画をあらかじめ登録された協働者の皆さん全員に配付します。地域学校協働活動ごとに参画できるかの〇×△を記入してもらいます。△の記号は、私の提案で、忙しいがどうしても人がそろわないときは参画します。という意思表示です。記入した後は返却してもらいます。それを見て参画する人を決めます。この場合、〇の人は決まりました。依頼が2人ならば△の人にも依頼して行ってもらいます。
下の記述は改善を言葉にしています。
その改善の効果は、まず、説明会を開いて賛同者を集めてください。教育委員会で応募者を募て登録してもらっています。
その登録者は、地域学校協働活動ごとに〇×△を自分で記入しますので、主体性を持って来てくれます。連携・協働にはふさわしいです。
〇の人が少なければお願いしなければなりません。これはマイナスの効果ですね。
登録者全員に配付するので、「登録したけどいちども呼ばれなかった。」ということはない。
配付や返却の方法を工夫しなければいけません。郵送・メール・ファックスなどが考えられますが、お金がかかったり、返信してもらえなかったりとうまくいかない部分の多いです。
そこで、提案ですが、ある小学校で〔連絡児童〕という役割を小学校3年生以上の児童を設けています。連絡児童は月一回担当の地域住民の自宅を訪れてプリントを渡します。数日後それを受け取りに行きます。
連絡児童と大人が触れ合いを持つことができるメリットもあります。確実にプリントが届いています。
これは、先ほどお話しした年間計画のサンプルです。私は100校ほどを担当していますが5、6年前から校長先生に作成をお願いして来ました。最初はなかなか作ってもらえませんでしたが、その必要性が理解されてきて、しだいと作られるようになってきました。
ある校長先生は、
・ 年度末職員に、この一年間でどんな地域の支援があったかを記入してもらいました。
・ それを一覧表にまとめて、地域の支援の状況を把握することができました。
・ それを時系列に並べて、年間計画にされたそうです。
しかし、学校は人が変わりますのでなくなってしまうこともあります。ぜひ教育委員会から学校に対して作成の依頼をお願いします。
その使い方です。
引受団体及び個人の代表者欄を空欄にして学校が作成します。まず、学校で直接頼めるところは了解を取って記入します。次にPTA役員会でPTAでできるところを記入します。最後に、地域の代表者が集まったコーディネート会議で引受団体又は個人とその担当者を決めて連絡先を記入します。
これは要請カードと呼ばれるものです。年間計画と同じように、地域学校協働活動の推進にとっては必要なものです。これには、学習活動・要請内容などが記入されていて、このカードを要請者(学校)から協働者(地域住民)に渡すことで打ち合せに代える仕組みです。また、地域学校協働活動が終われば反省も記入でできます。最後は学校に返して、実績を記録したものになります。次年度は、これを参考に計画が作成されることになり、学校の多忙さを軽減することができます。
その使い方です。
このカードは地域学校協働活動をする数週間前に学校担当者が作成します。それを地域学校協働活動推進員に託して地域担当者に渡します。地域担当者は、この内容を踏まえて実際に地域学校協働活動に参画する皆さんに説明します。必要があればコピーを取って渡します。地域学校協働活動の実施後は、反省を記入して学校に返します。
次は改善の2です。
右側に〇がいっぱいありますが、地域の団体や民間企業、機関等に声をかけてはという提案です。「社会総掛かりで対応・・」とか「地域全体で子どもたちの学びや成長を支える・・」という言葉がありましたが、それを実現した姿がこれと思ってください。市役所や税務署、警察といった公的な機関は、説明をすると「いや」とは言えないところです。企業も環境問題への対応とか社会貢献とか対応できる企業でなければ生き残れないとも言われています。
〇〇市の場合は、何といっても「まちづくり協議会」ですね。全ての校区にありますので、大きな力になってもらえると思います。また、婦人会や老人会、JAなどはどこの地域でも積極的に参画してもらっています。
取材する中で、ある企業に協力を依頼されたそうです。忙しいので人を出すことはできませんが、お金は出せます。活動の時、この旗を立ててください。こういう企業もありますから・・・・・・ぜひ、説明に足を運んでください。市統括コーディネーターや教育委員会の皆様にもお願いします。
それをどう機能させるかですが、学校に地域学校協働活動年間計画を作成してもらいます。それを地域学校協働活動推進員と学校担当者は、地域の団体や民間企業、機関等の代表者に集まってもらった場に提出して、ひとつひとつの地域学校協働活動について、どの団体・個人が参画するかを決めます。これをコーディネート会議といいます。決めるときには「私たちが行きます。」と言って決まります。
コーディネート会議を年3回開くとすれば三分の一づつの話し合いになります。
それを文章にすると下のようになります。
その効果は
「私たちが行きます。」と主体性を持って参画団体(者)が決まっていくのは連携・協働にはふさわしい。
〔社会総掛かりで〕〔地域全体で、子どもたちの学びや成長を支える〕という体制が実現される。多様で多くの人がこの活動に関わることができる。
地域学校協働活動推進員は、人探しの必要がなく、計画にしたがって次々に行われる地域学校協働活動が確実に効果的に実施されるよう連絡・調整・指導、また事後の反省・評価・改善などに努めることができる。
コーディネート会議でどこが学校に行くか決まっていても、よく問題が生じます。ひょっとしたら数日前に「一人どうしても足りません。」などの連絡が地域学校協働活動推進員にあるかもしれません。そのような対応が必要になってきます。
今学校を核として地域づくり(持続可能な地域の創りてとなる)に対する取り組みが行なわれています。本来は地域でするものですから、その趣旨を十分理解しておられるのであれば、きっと、コーディネート会議の合間に「地域で子どもたちの学びや成長を育む」提案などが話し合われるのではないかと期待しています。
改善の3です。
改善の1・2と提案してきましたが、少しハードルの高さが大きかったかもしれませんが、学校教育の改訂はほぼ10年おきになされてきましたので、この教育は10年は続くと考えてもいいと思います。時間をかけても結構かと思います。教育関係者の総力を挙げてこの体制を創ることが、子どもたちの学びと成長、持続可能な地域づくりにつながっていきます。
この動きは全国の津々浦々で始まりました。それぞれが地域の強みを活かそうと探しています。マイナスも見方を変えればプラスにもなるといったことが現実になってきます。
それでは、皆様の校区にどのような団体・民間企業・機関等があるか記入してみてください。
また、それをどう機能させるかの改善点を記入してください。 3密の回避ですから「話し合ってください」とは言えませんが・・・・。
役割をまとめます。
・「地域や学校の実情に応じた地域学校協働活動の企画・立案」
地域学校協働活動の主体者は学校です。学校とともに企画・立案に参加する構えでいいとおもいます。
他の学校との比較は必要ありません。自分の学校の地域学校協働活動はこれでいいのかと不安になることもありますが、「地域や学校の実情に応じた地域学校協働活動」ですから、学校に任せましょう。
・「コミュニティ・スクールへの参加」
地域学校協働活動推進員は○○協議会と地域学校協働本部の両方に所属します。そこで「学校運営協議会と地域学校協働活動の一体的な推進」に努めてください。
学校教育は「こんな力を育てたい」という目標を掲げて取組み、成果を確かめながら行われますので、身に付けさせたい力や本活動の目的を把握して活動して、実施後はその力が身についたかを確かめてほしいと思います。できればそのやり方を協働者に広めてほしいと思います。
・「学校や地域住民、企業・団体・機関等の関係者との連絡・調整」
これが地域学校協働活動推進員の主役割です。 学校の派遣依頼から、ボランティアの派遣にいたるまで、よりよく機能が発揮されるよう仕組の〔改善〕に努めてください。
・「活動の啓発」
「よりよい学校教育を通してよりよい社会を創る」という理念を広く地域住民に伝えてください。
本来は、教育委員会や学校が担ってほしい役割です。それらと協力して地域住民への説明会をもったり企業・団体・機関等へ説明に努めてください。
・「地域ボランティアの募集・確保」
組織的には、教育委員会や学校が募集を行ってほしい。それに協力する構えでいいと思います。。
日々の活動の中で、「○○のできる人」を探して確保することは重要で難しいです。ここに力を注いでください。
・「地域住民への情報提供・助言・活動促進(広報啓発) 等」
経験を重ねてくると、情報の提供や助言ができるようになりますから心配いりません。
記録として地域学校協働活動の写真を撮ったり、文字で残してください。自身の振り返りや今後の改善にも役立ちます。
余裕があれば、広報誌づくりにも取り組んでください。
子どもの数が増えていますが、これからの教育は、幼稚園・小学校・中学校・高等学校・支援学校で、今までお話ししてきた教育が始まります。
ここの地域住民の皆さんは、これからの教育の趣旨を説明して、賛同してもらった皆さんです。
学校で地域学校協働活動をする、つまり「様々な人々との協働して、社会的困難を乗り越える」教育活動をします。そこで子供たちは、線で結ばれるように地域の皆さんとつながっていきます。
つながるとは、子供たちは地域の皆さんと〔知り合いになる〕〔興味を持ち、影響を受ける〕〔生き方に学ぶ〕など、つながりの度合いは色々です。
この体制を「学校を核とした地域づくり」といいます。
教育委員会と今日お集まりいただいた皆さんによって、この体制の始まりを作ってもらいました。
これから皆さんで、多様でより多くの地域の皆さんに参画してもらえるよう、学校では、目的に応じたたくさんの地域学校協働活動が実施されるよう願いたいと思います。
次は、この学校教育で育った子供たちが大人になったころの社会を空想してみましょう。
「豊かな人生を切り開き、持続可能な社会の創り手となる」が実現した世界です。
当時の子供たちが、ここにいるの大人です。豊かな人生を切り開いた姿です。
また、ここには「持続可能な社会」が創られていますので、次代を担う子供たちも地域の中にいます。地域の中で「地域づくり」を学ぶ状況があります。
では、学校はどこにありますか? もうすでに地域の中心ではありません。地域のひとつになっています。
地域づくりに取り組むことは終わりましたので、いつの時代にも必要な教育をすればよくなっています。ひょっとしたら、この時代には別の課題が出てきているとすれば、そのような新しい教育が始まっているかもしれません。
この未来社会をちょっと空想してみましょう。
社会の仕事は、AIなどで機会に置き換わり様変わりしていると思います。労働時間も短くなって、余暇をどのように過ごすかという状況になっていると考えられます。
子供たちも、給食までは学校、その後は地域で色々な活動に参加するのです。
スポーツやダンス、将棋などを楽しむ人。ボランティアグループで活動する人など。その中で、大人から「地域づくり」を学んでいきます。また、この子どもたちが大人になった時には、今とは違った持続可能な社会を創ってくれるという言うわけです。
学校だって、午前中だけではなく、何時だってどこでも学べるようになっているかもしれません。午前中社会活動をして、午後は在宅学習をするとなっているかもしれません。
ちょっと未来を見てみたい気分です。
地域学校協働活動で期待される社会を紹介いたしました。未来の予測できない社会に生きる子供たちが、自身の豊かな未来を切り開き、持続可能な社会を創っていく姿を、想像できましたでしょうか。
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