【ディープスカイ】
前走のNHKマイルC1着は、ゴスホークケンの作る緩みない流れで道悪。半馬身ほど出負けする形で道中は後方から3番手の位置で脚をタメる。かなり緩い馬場で、3,4角から各馬は馬場の良い大外を通る。対してディープは馬群のインに潜り込み、距離ロスを回避。これが功を奏し、直線入り口では瞬時に先頭から2,3馬身のところまで迫る。坂上でゴーサインを出すと、グイッと反応。残り1ハロン地点で早めに抜け出したブラックを捕らえると、力強いフットワークで最後まで脚色乱れることなく駆け抜けた。後方勢に有利な流れと位置取りの差の恩恵があったとはいえ、最後の脚は本物だった。前々走の毎日杯1着は課題だった発馬を決め、中団馬群からの追走。ロードバリオスが作る緩みない流れを抑え切れない感じ。流れが僅かに緩んだ3角でジワッと外めに持ち出す。慌てることなく4角から直線入り口にかけては持ったまま。残り450㍍地点で満を持して大外へ持ち出してスパート。グンと加速し、坂下で左ステッキが入ると右手前に替えたのだが、ここで大きく内へ切れ込んでしまう。他馬に迷惑をかける形となったが、一完歩毎に大きなストライドで突き放してしまった。勝ち時計1分46秒0は文句なしだ。3走前のアーリントンC3着は、発馬で行き脚がつかず後方からの競馬。道中も手綱を押しながらの追走で余裕がない。3,4角でようやく脚をタメることができ、直線までジッと我慢。直線で大外へ持ち出し、ジワジワと差を詰めたが差し切るまでには至らなかった。4走前の東京の500万戦2着は、出負けして後方からの競馬。3ハロン目から12秒5-13秒0-12秒7を刻むマイル戦にしては超スローペース。馬群がギュッと凝縮し、インで動くに動けず。直線でも馬場の大外へ持ち出す大きなロスがあった。レースの上がり3ハロン11秒3-11秒4-11秒8を詰めてきたのは立派だった。2400㍍に距離を延ばすが、マイルのスピードタイプではなく、しっかりと長くいい脚を使えるタイプ。問題ない。左回りではモタれる癖も見せない。後は強行軍の反動だけ。
【ブラックシェル】
前走のNHKマイルC2着は、発馬を決めて中団のやや後ろから少し気合いを付けて追走。かなり緩んだ馬場で他馬が大外を回るなか、ブラックは馬群のインで馬場の3分どころを通る。これが好判断だった。4角でステッキを抜いて少し気合いを付け、直線入り口で激しく手綱をシェイク。すると、坂上でグーンと反応し、一気に突き抜ける。残り1ハロン地点で後方に構えていた勝ち馬に差されたが、最後まで食い下がっていた。抜け出す脚は本当に速かった。前々走の皐月賞6着は、好発を決めて先団を狙うも外から切れ込んできた馬がいたために手綱を引っ張ってリズムを崩す。1角手前でもゴチャつき、中団までポディションを落とす。しかも、流れが落ち着いたために馬群が凝縮し動くに動けない展開。4角から直線入り口にかけては四方八方を囲まれスパートできない。直線でようやく外めから追いこむも、ジリジリとしか伸びなかった。大きなフットワークでエンジンの掛かりが遅いタイプ。小回り中山と緩い馬場、仕掛け遅れては致命傷だった。3走前の弥生賞2着は、中2週で長距離輸送が控えていながら、1週前に坂路で半マイルから、最終追い切りはCWで6ハロンからビッシリと追われて攻め強化。目イチの仕上げだった。その甲斐あってこの日は6キロ減。下見どころでも落ち着き払っていたし、すべての面で上積みがあった。課題だったゲートもクリアし、テンから気合いを付けて中団の外めへ。他馬と接触したことと、仕掛けた分だけ行きたがる。道中は手綱を引っ張り通し。4角入り口から馬群の外めを通り、ジワッと進出開始。だが、手応えの割に4角から直線入り口にかけての加速力がなく、ズブい。坂下でも反応は今ひとつ。ゴール前でようやくエンジンが掛かる。そこからはグンと重心を沈め、全身を使った迫力のあるフォームで迫るも、届かなかった。530㌔前後の大型馬。前々走の皐月賞など、ゴチャついて三分三厘で馬込みに包まれ仕掛けられなかったが、広い府中で馬群がバラけた前走は自分の思い通りのスパートができた。ズブくて器用さに欠ける。左回りのほうがフォームは滑らかだし、ノビノビ走れて府中の申し子。折り合いに不安のあるタイプでゴチャつくと良くないので、理想は縦長の速い展開。皐月賞より遥かに逞しくなっている。
【サクセスブロッケン】
ダート4連勝の怪物がダービーの檜舞台でベールを脱ぐ。前走の端午S1着は、スッと馬なりで2番手をキープ。終始、絶好の手応えの道中。3角で半馬身差の外に付け、4角では抑え切れない感じで先頭に立つ。直線でグーンと他馬を突き放し、ゴール前100㍍は追うのをやめていた。後続に5馬身差を付け、1分51秒2の勝ち時計も優秀。とにかく強かった。大きなフットワークで柔らかいストライド。決してダート一辺倒ではない。大きなフットワークで、坂路では見た目以上の時計が出る。これは走る馬の証拠で、昨年の勝ち馬も同様。かなりの大物。
【アドマイヤコマンド】
前走の青葉賞1着は、緩い流れを4番手のインと絶好位をキープ。テンは舌がハミを越していたが、折り合いはしっかりと付きリラックスした道中。3,4角もインをピッタリと立ち回り、ロスのない誘導。直線の坂上で外から押し込まれる形。外に持ち出せなかったが、逃げ馬の内にできた僅かな隙間に突っ込む。そこから速い脚でグンと突き抜け、大きなストライドで駆け抜けた。緩い流れで経済コースを立ちまわれた恩恵は計り知れないが、狭い所を割ってきた一瞬の脚は見逃せない。前々走の毎日杯2着は、テンに舌がハミを超す若さを覗かせる。大きくて力強いフットワークで6,7番手のインを進む。だが、三分三厘で馬群がギュッと固まり、動けない。4角ではズブさを見せて置かれてしまう。直線でジョッキーが懸命にハミをかけ直し、追うも反応は今一つ。前の馬がフラついて手綱を抑える場面はあったものの、スパッとは切れなかった。大きなフットワークでエンジンの掛かりが遅いタイプ。距離は延びるほど良い。スパッとは切れないが長くいい脚が使える。ダービーはベスト舞台。12㌔減の前走から中3週。どこまで回復できるか。
【モンテクリスエス】
前走の青葉賞3着は、14番枠から好発を決めるも、無理することなく中団の外めに控える。終始、スムーズな折り合いで4角でも絶好の手応え。だが、4角から直線入り口にかけて内へモタれ気味で、ジョッキーが追いづらそうなシーンが。右手綱を引っ張り立て直して追い込むも届かなかった。ジョッキーによれば「ノメッてノメッてだった」と。前々走の500万戦1着は、前の2頭が大きく飛ばす縦長の展開を離れた3番手追走。三分三厘で除々に差を詰めて直線入り口では持ったまま、楽な手応えで2着馬に迫る。だが、追い出されてからスパッと切れる感じはなく、ジワジワと一完歩毎に詰め寄る。ゴール前できっちりと交わした。ゲートが不安定でモタれたり、ステッキにフラついたり、フワフワしたりと全体的に気性が若い。それでも上位に名を連ねるのは能力が高い証拠。追い切りに注目。
【マイネルチャールズ】
前走の皐月賞3着は、発馬から無理することなく中団に控える形。馬との折り合いを重視した形。1,2角から向こう正面までは流れが落ち着いたために馬込みに包まれる形になったが、3角からはスムーズに仕掛けることができた。だが、4角での反応が鈍くハミを何度もかけ直すも、反応がない。直線でジリジリと差を詰めるのが精一杯だった。少し底が見えた。前々走の弥生賞1着は、中間に放牧先からガレて帰厩したために最終追い切りをセーブ。この日は暖かい気候も重なって4キロ減。男馬にしては線が細く、カイ食いが良くないようだ。レースでは、逃げ馬不在で最初の1Fで各馬が出方を伺うなか、慎重に先行する。だが、1角進入時に口向きの悪さを見せ、そこから折り合いを欠く。何とかなだめられて2番手で我慢。3角からジワッと逃げ馬に馬体を併せて行く。手応えは抑え切れないほど抜群。4角の残り2F地点でゴーサインを出すと、スッと反応する。直線で内へモタれ気味になるも、立て直して坂下で先頭に立つ。一頭になってもソラを使うことなくしっかりと駆け抜けた。1角から行きたがったものの、全体的にはスローで2番手から流れに乗れた。それほど苦しい競馬ではなかった。綺麗な跳びをしているので前走のような緩い馬場は良くない。かといってパンパンの良馬場の時計勝負も辛い。距離延長で折り合いがポイントなので、中団あたりからの競馬になるだろう。この中間は短期放牧に出さずに自厩舎での調整。2週前、1週前とコースで意欲的に追われている。
【タケミカヅチ】
前走の皐月賞2着は、その前の弥生賞で折り合いを欠いたこともあり、後方で控える形。その甲斐あって鞍上との呼吸はピタリ。上手く首を使い集中力に満ち溢れた道中の追走ぶり。向こう正面まではインをピッタリと回り、3角で馬群のなかに突っ込みながらスパートを開始。直線でインに突っ込み、一瞬の脚で一気に2番手まで躍り出るも最後は脚が上がり気味だった。前々走の弥生賞3着は、2番枠からジワッと先行し、好位のインをキープ。しかし、1角からは緩い流れに対応できず行きたがってしまう。向こう正面で何とかなだめられる。3角からジワッと進出も、4角で手綱を目一杯しごかれ置かれてしまう。直線で外から4着馬に被され、激しい追い比べに。坂上で突き放したものの、勝ち馬には追いつけず、2着馬にも差されてしまった。テンに折り合いを欠いた分、伸び切れなかった。掲示板を外さない堅実さはあるが、あと一歩が足りない。府中の長い直線だけに、下手に道中で無駄脚を使わず終い勝負に徹すれば。
【レインボーペガサス】
前走の皐月賞4着は、後方のインに控えるもハミに頼り口を割って行きたがる。2角あたりからようやく平静を取り戻す。ギリギリまでインで我慢し、脚をタメる。4角で少しずつ気合いを入れたが、ハミをかけ直されて反応は今ひとつ。直線では前が壁になり、まともに追えない。ようやくゴール100㍍手前で外めに進路を見つけると、猛然と追い込む。勝ち馬には突き放されたが、スムーズさを欠きながら見どころがあった。前々走のスプリングS7着は、テンはいい感じで中団の外めを追走できていたが、向こう正面でアルカザンと接触してリズムを崩して力んでしまう。4角から外めを通って進出するも、ジリジリとしか脚を使えなかった。以前はハミにモタれて力みながらの競馬が続いていたが、少しずつ解消してきた。今回も後方でタメてタメての直線競馬。時計の掛かる競馬がいい。
【ショウナンアルバ】
前走の皐月賞14着は、大外枠発走から手綱を抑えて中団へ。だが、掛かり癖は治まらず口を割ってしまう。前に壁を作ることができず、流れが極端に緩んだ向こう正面で我慢し切れずに捲る。一気に先頭集団に並びかけるも、4角で早々と手応えがなくなり、直線は馬群に沈んだ。緩い馬場にも脚を取られた。前々走のスプリングS3着は、スタンド前はいい感じで折り合って3番手に位置したが、流れが落ち着いた1角から口を割ってモロに掛かる。そこからハナへ立ち、向こう正面序盤までにかなりの脚を使ってしまう。ハナへ立ってからはスムーズに折り合って手応えも十分だったが、いざ直線で追い出されると脚は残っていなかった。3走前の共同通信杯が圧巻の勝利。降雪による一日延期。荒削りな3歳馬にとっては余計に応える悪条件。11番枠から好発を決めるも、手綱をグッと抑えて好位の外目に控える。2ハロン目あたりからは口を割って行きたがる。これは前のレースでビューッと行かせた影響もあったろう。向こう上面中盤からは何とかなだめられる。我慢した甲斐があり、4角では絶好の手応え。終始、馬場の良い3分どころを通り、直線入り口の坂上では持ったまま先頭に並びかける。先頭に立つのが少し早い形になったが、残り300㍍地点から追い出し、一統になってもしっかり駆け抜ける。後続に迫られても抜かれる雰囲気はなかった。かなりの淀みない流れをテンにスタミナをロスして早め先頭の形で押し切ってしまった。着差以上の強さだ。燃えすぎる気性がネックで常に折り合いの不安がつきまとうが、タメが利いた時の脚力と底力は間違いなくGI級だ。この中間は短期放牧を挟み、2週、1週前とコースで意欲的に追われ、乗り込み量も強化しているようだ。特に1週前の南Pで見せた軽く仕掛けられてからのグーンと凄まじい反応は久々に痺れた。昨年のマツリダゴッホを彷彿とさせた。手先が長く重心が高いので道悪は不安定。
【メイショウクオリア】
前走の京都新聞杯1着は、道悪の超スローの流れ。これを好位から追走。馬群がギュッと凝縮し、他馬が外から動いた3角でも慌てずにジックリと我慢。4角からジワッと動き、直線入り口で激しく手綱をシェイクさせたが、反応は今ひとつ。少し内へモタれていたし、それを矯正しながら渋太く伸びて差し切った。前々走のムーニーBRC賞1着は、2400㍍の緩い流れを好位のイン追走。道中の折り合いはスムーズで脚をタメられた。直線入り口で上手く馬群がバラけ内めを突く。反応は鈍かったが、右ステッキが2発入ってようやくエンジンが掛かる。そこからは長く脚を使って押し切った。太い首差しに厚みのある胸前。馬っぷりならこのメンバーで屈指。とても450㌔台とは思えない。1週前も素軽い動き。エンジンの掛かりが遅いので府中は歓迎。あとは雨が欲しい。
【クリスタルウイング】
前走の青葉賞2着は道中、勝ち馬と併走する形で好位の外め。3角から少しずつ手綱が動き出し、4角では内から突進される不利が。直線入り口での反応も悪かったが、何度も手前を替えてジワジワと詰め寄ってきた。勝ち馬とは内、外の差があったし、4角の不利を考えれば評価は高い。キャリア4戦の良血馬。一戦毎の上昇度はかなり。
前走のNHKマイルC1着は、ゴスホークケンの作る緩みない流れで道悪。半馬身ほど出負けする形で道中は後方から3番手の位置で脚をタメる。かなり緩い馬場で、3,4角から各馬は馬場の良い大外を通る。対してディープは馬群のインに潜り込み、距離ロスを回避。これが功を奏し、直線入り口では瞬時に先頭から2,3馬身のところまで迫る。坂上でゴーサインを出すと、グイッと反応。残り1ハロン地点で早めに抜け出したブラックを捕らえると、力強いフットワークで最後まで脚色乱れることなく駆け抜けた。後方勢に有利な流れと位置取りの差の恩恵があったとはいえ、最後の脚は本物だった。前々走の毎日杯1着は課題だった発馬を決め、中団馬群からの追走。ロードバリオスが作る緩みない流れを抑え切れない感じ。流れが僅かに緩んだ3角でジワッと外めに持ち出す。慌てることなく4角から直線入り口にかけては持ったまま。残り450㍍地点で満を持して大外へ持ち出してスパート。グンと加速し、坂下で左ステッキが入ると右手前に替えたのだが、ここで大きく内へ切れ込んでしまう。他馬に迷惑をかける形となったが、一完歩毎に大きなストライドで突き放してしまった。勝ち時計1分46秒0は文句なしだ。3走前のアーリントンC3着は、発馬で行き脚がつかず後方からの競馬。道中も手綱を押しながらの追走で余裕がない。3,4角でようやく脚をタメることができ、直線までジッと我慢。直線で大外へ持ち出し、ジワジワと差を詰めたが差し切るまでには至らなかった。4走前の東京の500万戦2着は、出負けして後方からの競馬。3ハロン目から12秒5-13秒0-12秒7を刻むマイル戦にしては超スローペース。馬群がギュッと凝縮し、インで動くに動けず。直線でも馬場の大外へ持ち出す大きなロスがあった。レースの上がり3ハロン11秒3-11秒4-11秒8を詰めてきたのは立派だった。2400㍍に距離を延ばすが、マイルのスピードタイプではなく、しっかりと長くいい脚を使えるタイプ。問題ない。左回りではモタれる癖も見せない。後は強行軍の反動だけ。
【ブラックシェル】
前走のNHKマイルC2着は、発馬を決めて中団のやや後ろから少し気合いを付けて追走。かなり緩んだ馬場で他馬が大外を回るなか、ブラックは馬群のインで馬場の3分どころを通る。これが好判断だった。4角でステッキを抜いて少し気合いを付け、直線入り口で激しく手綱をシェイク。すると、坂上でグーンと反応し、一気に突き抜ける。残り1ハロン地点で後方に構えていた勝ち馬に差されたが、最後まで食い下がっていた。抜け出す脚は本当に速かった。前々走の皐月賞6着は、好発を決めて先団を狙うも外から切れ込んできた馬がいたために手綱を引っ張ってリズムを崩す。1角手前でもゴチャつき、中団までポディションを落とす。しかも、流れが落ち着いたために馬群が凝縮し動くに動けない展開。4角から直線入り口にかけては四方八方を囲まれスパートできない。直線でようやく外めから追いこむも、ジリジリとしか伸びなかった。大きなフットワークでエンジンの掛かりが遅いタイプ。小回り中山と緩い馬場、仕掛け遅れては致命傷だった。3走前の弥生賞2着は、中2週で長距離輸送が控えていながら、1週前に坂路で半マイルから、最終追い切りはCWで6ハロンからビッシリと追われて攻め強化。目イチの仕上げだった。その甲斐あってこの日は6キロ減。下見どころでも落ち着き払っていたし、すべての面で上積みがあった。課題だったゲートもクリアし、テンから気合いを付けて中団の外めへ。他馬と接触したことと、仕掛けた分だけ行きたがる。道中は手綱を引っ張り通し。4角入り口から馬群の外めを通り、ジワッと進出開始。だが、手応えの割に4角から直線入り口にかけての加速力がなく、ズブい。坂下でも反応は今ひとつ。ゴール前でようやくエンジンが掛かる。そこからはグンと重心を沈め、全身を使った迫力のあるフォームで迫るも、届かなかった。530㌔前後の大型馬。前々走の皐月賞など、ゴチャついて三分三厘で馬込みに包まれ仕掛けられなかったが、広い府中で馬群がバラけた前走は自分の思い通りのスパートができた。ズブくて器用さに欠ける。左回りのほうがフォームは滑らかだし、ノビノビ走れて府中の申し子。折り合いに不安のあるタイプでゴチャつくと良くないので、理想は縦長の速い展開。皐月賞より遥かに逞しくなっている。
【サクセスブロッケン】
ダート4連勝の怪物がダービーの檜舞台でベールを脱ぐ。前走の端午S1着は、スッと馬なりで2番手をキープ。終始、絶好の手応えの道中。3角で半馬身差の外に付け、4角では抑え切れない感じで先頭に立つ。直線でグーンと他馬を突き放し、ゴール前100㍍は追うのをやめていた。後続に5馬身差を付け、1分51秒2の勝ち時計も優秀。とにかく強かった。大きなフットワークで柔らかいストライド。決してダート一辺倒ではない。大きなフットワークで、坂路では見た目以上の時計が出る。これは走る馬の証拠で、昨年の勝ち馬も同様。かなりの大物。
【アドマイヤコマンド】
前走の青葉賞1着は、緩い流れを4番手のインと絶好位をキープ。テンは舌がハミを越していたが、折り合いはしっかりと付きリラックスした道中。3,4角もインをピッタリと立ち回り、ロスのない誘導。直線の坂上で外から押し込まれる形。外に持ち出せなかったが、逃げ馬の内にできた僅かな隙間に突っ込む。そこから速い脚でグンと突き抜け、大きなストライドで駆け抜けた。緩い流れで経済コースを立ちまわれた恩恵は計り知れないが、狭い所を割ってきた一瞬の脚は見逃せない。前々走の毎日杯2着は、テンに舌がハミを超す若さを覗かせる。大きくて力強いフットワークで6,7番手のインを進む。だが、三分三厘で馬群がギュッと固まり、動けない。4角ではズブさを見せて置かれてしまう。直線でジョッキーが懸命にハミをかけ直し、追うも反応は今一つ。前の馬がフラついて手綱を抑える場面はあったものの、スパッとは切れなかった。大きなフットワークでエンジンの掛かりが遅いタイプ。距離は延びるほど良い。スパッとは切れないが長くいい脚が使える。ダービーはベスト舞台。12㌔減の前走から中3週。どこまで回復できるか。
【モンテクリスエス】
前走の青葉賞3着は、14番枠から好発を決めるも、無理することなく中団の外めに控える。終始、スムーズな折り合いで4角でも絶好の手応え。だが、4角から直線入り口にかけて内へモタれ気味で、ジョッキーが追いづらそうなシーンが。右手綱を引っ張り立て直して追い込むも届かなかった。ジョッキーによれば「ノメッてノメッてだった」と。前々走の500万戦1着は、前の2頭が大きく飛ばす縦長の展開を離れた3番手追走。三分三厘で除々に差を詰めて直線入り口では持ったまま、楽な手応えで2着馬に迫る。だが、追い出されてからスパッと切れる感じはなく、ジワジワと一完歩毎に詰め寄る。ゴール前できっちりと交わした。ゲートが不安定でモタれたり、ステッキにフラついたり、フワフワしたりと全体的に気性が若い。それでも上位に名を連ねるのは能力が高い証拠。追い切りに注目。
【マイネルチャールズ】
前走の皐月賞3着は、発馬から無理することなく中団に控える形。馬との折り合いを重視した形。1,2角から向こう正面までは流れが落ち着いたために馬込みに包まれる形になったが、3角からはスムーズに仕掛けることができた。だが、4角での反応が鈍くハミを何度もかけ直すも、反応がない。直線でジリジリと差を詰めるのが精一杯だった。少し底が見えた。前々走の弥生賞1着は、中間に放牧先からガレて帰厩したために最終追い切りをセーブ。この日は暖かい気候も重なって4キロ減。男馬にしては線が細く、カイ食いが良くないようだ。レースでは、逃げ馬不在で最初の1Fで各馬が出方を伺うなか、慎重に先行する。だが、1角進入時に口向きの悪さを見せ、そこから折り合いを欠く。何とかなだめられて2番手で我慢。3角からジワッと逃げ馬に馬体を併せて行く。手応えは抑え切れないほど抜群。4角の残り2F地点でゴーサインを出すと、スッと反応する。直線で内へモタれ気味になるも、立て直して坂下で先頭に立つ。一頭になってもソラを使うことなくしっかりと駆け抜けた。1角から行きたがったものの、全体的にはスローで2番手から流れに乗れた。それほど苦しい競馬ではなかった。綺麗な跳びをしているので前走のような緩い馬場は良くない。かといってパンパンの良馬場の時計勝負も辛い。距離延長で折り合いがポイントなので、中団あたりからの競馬になるだろう。この中間は短期放牧に出さずに自厩舎での調整。2週前、1週前とコースで意欲的に追われている。
【タケミカヅチ】
前走の皐月賞2着は、その前の弥生賞で折り合いを欠いたこともあり、後方で控える形。その甲斐あって鞍上との呼吸はピタリ。上手く首を使い集中力に満ち溢れた道中の追走ぶり。向こう正面まではインをピッタリと回り、3角で馬群のなかに突っ込みながらスパートを開始。直線でインに突っ込み、一瞬の脚で一気に2番手まで躍り出るも最後は脚が上がり気味だった。前々走の弥生賞3着は、2番枠からジワッと先行し、好位のインをキープ。しかし、1角からは緩い流れに対応できず行きたがってしまう。向こう正面で何とかなだめられる。3角からジワッと進出も、4角で手綱を目一杯しごかれ置かれてしまう。直線で外から4着馬に被され、激しい追い比べに。坂上で突き放したものの、勝ち馬には追いつけず、2着馬にも差されてしまった。テンに折り合いを欠いた分、伸び切れなかった。掲示板を外さない堅実さはあるが、あと一歩が足りない。府中の長い直線だけに、下手に道中で無駄脚を使わず終い勝負に徹すれば。
【レインボーペガサス】
前走の皐月賞4着は、後方のインに控えるもハミに頼り口を割って行きたがる。2角あたりからようやく平静を取り戻す。ギリギリまでインで我慢し、脚をタメる。4角で少しずつ気合いを入れたが、ハミをかけ直されて反応は今ひとつ。直線では前が壁になり、まともに追えない。ようやくゴール100㍍手前で外めに進路を見つけると、猛然と追い込む。勝ち馬には突き放されたが、スムーズさを欠きながら見どころがあった。前々走のスプリングS7着は、テンはいい感じで中団の外めを追走できていたが、向こう正面でアルカザンと接触してリズムを崩して力んでしまう。4角から外めを通って進出するも、ジリジリとしか脚を使えなかった。以前はハミにモタれて力みながらの競馬が続いていたが、少しずつ解消してきた。今回も後方でタメてタメての直線競馬。時計の掛かる競馬がいい。
【ショウナンアルバ】
前走の皐月賞14着は、大外枠発走から手綱を抑えて中団へ。だが、掛かり癖は治まらず口を割ってしまう。前に壁を作ることができず、流れが極端に緩んだ向こう正面で我慢し切れずに捲る。一気に先頭集団に並びかけるも、4角で早々と手応えがなくなり、直線は馬群に沈んだ。緩い馬場にも脚を取られた。前々走のスプリングS3着は、スタンド前はいい感じで折り合って3番手に位置したが、流れが落ち着いた1角から口を割ってモロに掛かる。そこからハナへ立ち、向こう正面序盤までにかなりの脚を使ってしまう。ハナへ立ってからはスムーズに折り合って手応えも十分だったが、いざ直線で追い出されると脚は残っていなかった。3走前の共同通信杯が圧巻の勝利。降雪による一日延期。荒削りな3歳馬にとっては余計に応える悪条件。11番枠から好発を決めるも、手綱をグッと抑えて好位の外目に控える。2ハロン目あたりからは口を割って行きたがる。これは前のレースでビューッと行かせた影響もあったろう。向こう上面中盤からは何とかなだめられる。我慢した甲斐があり、4角では絶好の手応え。終始、馬場の良い3分どころを通り、直線入り口の坂上では持ったまま先頭に並びかける。先頭に立つのが少し早い形になったが、残り300㍍地点から追い出し、一統になってもしっかり駆け抜ける。後続に迫られても抜かれる雰囲気はなかった。かなりの淀みない流れをテンにスタミナをロスして早め先頭の形で押し切ってしまった。着差以上の強さだ。燃えすぎる気性がネックで常に折り合いの不安がつきまとうが、タメが利いた時の脚力と底力は間違いなくGI級だ。この中間は短期放牧を挟み、2週、1週前とコースで意欲的に追われ、乗り込み量も強化しているようだ。特に1週前の南Pで見せた軽く仕掛けられてからのグーンと凄まじい反応は久々に痺れた。昨年のマツリダゴッホを彷彿とさせた。手先が長く重心が高いので道悪は不安定。
【メイショウクオリア】
前走の京都新聞杯1着は、道悪の超スローの流れ。これを好位から追走。馬群がギュッと凝縮し、他馬が外から動いた3角でも慌てずにジックリと我慢。4角からジワッと動き、直線入り口で激しく手綱をシェイクさせたが、反応は今ひとつ。少し内へモタれていたし、それを矯正しながら渋太く伸びて差し切った。前々走のムーニーBRC賞1着は、2400㍍の緩い流れを好位のイン追走。道中の折り合いはスムーズで脚をタメられた。直線入り口で上手く馬群がバラけ内めを突く。反応は鈍かったが、右ステッキが2発入ってようやくエンジンが掛かる。そこからは長く脚を使って押し切った。太い首差しに厚みのある胸前。馬っぷりならこのメンバーで屈指。とても450㌔台とは思えない。1週前も素軽い動き。エンジンの掛かりが遅いので府中は歓迎。あとは雨が欲しい。
【クリスタルウイング】
前走の青葉賞2着は道中、勝ち馬と併走する形で好位の外め。3角から少しずつ手綱が動き出し、4角では内から突進される不利が。直線入り口での反応も悪かったが、何度も手前を替えてジワジワと詰め寄ってきた。勝ち馬とは内、外の差があったし、4角の不利を考えれば評価は高い。キャリア4戦の良血馬。一戦毎の上昇度はかなり。
お元気にしているでしょうか?
ダービーはディープスカイ、サクセスブロッケンと話題性の多い馬がいて予想する側としては面白いですね。
お祭りなので、晴れて人馬無事に綺麗なレースを願いたいです。
お元気ですか?
ショウナンアルバ、唸ってます(笑)
過去最高のデキと落ち着きで大一番を迎えられそうです。
折り合いさえつけば、ですね!
前回の久々更新の時は覗きに来たのがレース後で…
ダービーは混戦ですね~
またじっくり考察文を熟読させてもらって色々考えたいと思います
相変わらず読みごたえありますね。
ダービーは迷いまくり。いまんとこショウナンアルバに食指が動いてますが、勝ち切るイメージがなかなかわかなくて…( ̄~ ̄)ξ
まあ年に一度の楽しい一週間 ボチボチ頑張ります。
予想も楽しみにしてます。