【キタサンブラック】 2番手
前走のジャパンC1着は、1番枠から抜群の発馬を決めてスッとハナへ。トモが発達している証拠。2ハロン目で外からワンアンドオンリー、リアルスティールが競りかけるも、手綱を抑えて番手で落ち着く。こうなればキタサンのペース。1~2角で息を入れ、向こう正面もスムーズ。まったく力みのないリラックスした道中。馬場の悪い内を避け、外めに進路を取ったのも豊マジック。キタサンの操作性の良さも寄与している。ペースが上った4角で後続との差が縮まるが、そこから11.2-11.4と二の脚で一気に突き放す。危なげなく逃げ切った。スッとハナへ立てるトモの強さ、素直な気性、二の脚、すべてが完璧なレース運びだった。逆にホームストレッチが長く番手のワンアンド、トーホウが競りかけてきた3走前の宝塚記念はテンの5ハロン59秒1のハイラップ。土が掘れる稍重の馬場を考えれば尚更。先行馬総崩れの中、ゴール前まで粘ったのは地力の成せる業。スッと先手を奪えるし、気性が素直なだけに道中の仕掛けも容易にできる。最後は二の脚も使える。死角は見当たらない。今回は逃げ宣言のマルターズアポリの2番手が有力。更に後ろにはゴールドアクター、サトノノブレスが控える。前走のような楽な展開は望めない。絞れたゴールドアクターなら、昨年の覇者でもあるし、強気の競馬で来るだろう。持久力戦になる。
【マリアライト】 好位
前走のエリザベス女王杯6着は、2番枠から気合いを付けて好位を窺う。しかし、1角でゴチャつき、手綱を引っ張る大きな不利があり、後方までポディションを下げる。そこからは、後方の外めを追走する。4角の下り坂から手綱をしごいて仕掛けを開始するも、反応は鈍い。ジリジリとしか伸び切れなかった。1角で不利があった上にペースが落ち着き決め手勝負になってしまった。速い脚がない同馬にとって辛い展開だった。速い脚はないが、上がりの掛る展開なら確実に脚が使える。洋芝で最終週の中山の馬場は望むところ。ポディションは、展開、枠順次第で中団から好位と自在。
【サトノダイヤモンド】中団
前走の菊花賞1着は、3番枠から好発を決めるも、グッと手綱を抑えて中団までポディションを下げる。長丁場を考えれば賢明な判断だ。その甲斐あって道中の折り合いは非常にスムーズ。向こう正面でペースが一気に落ちても慌てない。この時に馬込みに包まれない為に、外めにポディションを取っているのは、さすがルメール。勝負どころの三分三厘でも持ったままの痺れる手応え。馬なりで先頭に躍り出ると、左ステッキ2発で突き抜けた。秋緒戦となった前々走の神戸新聞杯は、菊花賞も見据えて折り合いに専念する道中。三分三厘で馬なりのままスーッと先団との差を縮める。直線で一旦は完全に抜け出すも、ソラを使ったのは2着馬に馬体を併せられる。そこからまたひと伸びして競り合いを制した。スパッと切れる脚には欠けるが、大トビで長くいい脚の使えるタイプ。パワータイプでもあるので、最終週の時計の掛る馬場は大歓迎。あとは小回りコーナー6回の中山コースで、コーナーで加速できるかどうか。
【サウンズオブアース】 好位
前走のジャパンC2着は、好発を決めスーッと先団へ。ひと叩きしてよほど体調が良いのだろう。その前の京都大賞典などは発馬でなかなか行き脚がつかず、押して掛るチグハグな競馬だった。ペースの落ち着いた2角からは中団の外めで落ち着く。道中の折り合いはピタリ。直線で馬場のいい大外へ持ち出す。ジワジワと長くいい脚を使い追い込むも、勝ち馬も速い脚を使った分、最後は同じ脚色になった。発馬を決めて、テンに手綱を動かすことがなかったのは良かった。勝負どころで少しズブいのと、使える脚が短い分、勝ち切れない。中間は坂路主体で、疲れを取るのに専念。上積みは望めない。小回りの中山で一瞬の脚を使える点は魅力だが、ズブい分、三分三厘でゴチャつくと痛い。前の有力どころが早めに動いてくれるのは歓迎だ。
【シュヴァルグラン】 差し
前走のジャパンC3着は、大外17番枠から慎重に1角へ。無理にポディションを取りに行くことなく、後方の外めを追走する。道中の折り合いはスムーズ。直線は大外へ。ハミを掛け直されても、ズブさを見せて反応は鈍い。鞍上のステッキに応え、一完歩毎に粘り強く伸びる。残り100㍍からグーンと伸びて2着馬に迫った。緩急のある流れでズブさは見せたが、長くいい脚は使えた。最後は2着馬を凌ぐ脚色だった。少しズブい分、勝負どころからスムーズに加速できるかがポイント。そうすれば、長くいい脚を使うことができる。
【ゴールドアクター】 3番手
前走のジャパンC5着は、8㌔増。下見どころから発汗が目立ち、チャカついていた。レースではスッと3番手に取り付くもキタサンに無理に競りかけることはない。この辺りは太め残りで無理できない事が影響している。道中はインでジッと我慢。直線を向き、ステッキが入るも、ジリ脚で伸び切れなかった。1週前にビシッと長めから追われ、最終追い切りも負荷を掛けたが、絞り切れなかった。本来は昨年の有馬記念のように、スッと先団に取り付き、勝負どころでスッと反応してひと脚使える。絞れれば、もう少しキタサンに対してプレッシャーを掛けられる。この馬の出方が、展開のカギを握るのは間違いない。この中間は、1週前にビシッとやられて496キロまで絞れている。絞れれば、昨年制覇したレースだし、強気に乗ることができる。長くいい脚を使って連覇へ。
【デニムアンドルビー】 追い込み
前走の金鯱賞8着は、屈腱炎明けで1年5か月ぶり。レースでは、発馬直後から無理することなく馬任せでポツンと離れた後方2番手からの競馬。スローの上に縦長の展開。自身の3ハロン通過が39秒4とかなり緩い流れ。3、4角でインに潜り込み、馬群に取り付く。一瞬の脚でジリジリと差を縮めたが、ゴール前で前が詰まり手綱を引っ張る大きな不利もあり、8着だった。休養明けとしては及第点の内容だ。道中で急がせると末をなくすが、タメれば一瞬の決め手はGI級。ここは、持久力のある流れが予想され、有力どころは早めに動くだろう。最後の1ハロンで時計が掛れば。アドマイヤモナークの再現を狙う。
【ヤマカツエース】 差し
前走の金鯱賞1着は、大外13番枠から馬任せで1角へ。超スローで馬込みがギュッと縮まった為、1~2角は中団馬群の外めを追走する。縦長になった向こう正面からは、前のサトノノブレスを見ながらの追走。3角手前からサトノが仕掛けても慌てない。ジッと我慢し、直線は大外へ。一瞬の脚を使い、差し切った。前々走の天皇賞15着は長距離輸送で馬体が減り、本調子になかった。しかも、13番枠から好位を取りに行った分、掛ってしまった。スッと好位まで行ける脚があるし、鞍上のゴーサインに対して瞬時に反応できる。最後も一瞬の脚が使える。まさに中山コース向きのタイプ。首を柔らかく使えて、収縮の利いた走りができるタイプ。1週前の動きも絶好だった。絶好調。京都記念の内容を見る限りは、2500メートルは少し長い印象。内枠を引いて、道中ジッと我慢し、一瞬の脚を生かせれば。トゥザグローリーの再現を狙う。
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