今年の競作のお題は
ナロー
それでは、エントリー作品を順に紹介しましょう。
第1位 越後交通モハ216
中学生の時買った朝日新聞発行の「世界の鉄道74」日本のローカル私鉄を見て印象に残った越後交通栃尾線の車両を製作しました。垂直カルダン、融雪機、CTCまであった近代的なナローゲージ路線でした。
当時はロッキード事件=田中角栄=越後交通。
資料はモデル8の本とワールド工芸の側面図ぐらいで当初80分の1サイズで図を書くとあまりにも小さく窓間が100mmだと1.25mm!こりゃあハイテクがないと切り抜く事が出来ないと思いました。
昔、横〇勝さんが「藤〇君!グリーンムーバーが出来たぞ」とОゲージを持ってこられ「モーターしか買わんですまんなぁ」と言われた事を思い出しました。
アルモデルの動力など買ったのですがОゲージにする事にしました。これで窓間が2.2mmになる!
栃尾線の近代型ナロー電車200形は個体差があり216あたりをプロトタイプにしました。車体はいさみやのペーパー、普通は0.3mmですが1/45なので0.5mmを使用、厚いので正面の曲げには苦労しました。
屋根は木製、補強は3×3と4×4の桧棒、正面と中ほどに床板を止める梁として真鍮板を渡しています。マッハのサーフェーサーとソフト99のサーフェーサー(GMスプレーのノズルにすると良い)を使用し表面はタミヤのエナメル溶剤で油研ぎしてツルツルにしました。
ヘッドライトは真鍮パイプとエポキシパテで、テールはエコーのシールドビーム、ベンチレーターはKATOサハシ165のもの。
難関のパンタグラフは、Оゲージで飯田線の旧国を作られた方がが作り方をネットで公開されているのでそのままPS16で製作しました。ただシューは1本にしています。何個かつくればできると思いつつ1個めで出来たのでこれで満足しております。碍子はエコーのワッシャーを組み合わせたもの、パンタ台も真鍮線から。下まわりは金属工作がメインとなりました。
0.8mm厚の真鍮板をウエイト代わりに床板にしたのですが、長いので糸鋸の弓が当たって切れない!ドリルで多くの穴を開けて切断しました。
エアホース.ブレーキシリンダーはエコーのОゲージパーツ、ステップ.床下機器は1/80パーツ。コンプレッサー.制御器.抵抗器.ハンドブレーキホイール.ジャンパー栓はプラや真鍮や木から自作、床下機器は取付板にまとめています。
正面で目立つ鎖はお母さまのネックレスから(涙)。
台車.動力は手抜き、KATOのEF81の動力台車にDT16を取付ただけ、ブレーキシューが当たっていません。
塗装はマッハの西武赤電色を吹き室内は淡緑色、Hゴムは好みで灰色。内装は運転台椅子.つり革はエコーのパーツ、ロングシートはプラ板から、モデルシーダーのヘッド.テールユニット、イモンの室内灯(実車は蛍光灯!)を取付ています。初めてのОゲージ、1.777倍を唱えながら作りました。
続きは再来年のペーパー競作の時かな?
第2位 ホッパーのあるミニレイアウト
ナローのお題から、ホッパーの有るミニレイアウトを作りました。
①サイズは600x340、待避線と2本の留置線を持つ車両基地、引込線と引上げ線からなるホッパー をエンドレスで結ぶ線路配置とし(尚、このプランはレイル・マガジン1985BESTトロッコ内のレイアウト製作記事を参考にしました)レールはトミックスのミニレールよりカーブはR140.ポイントも同シリーズを使いました。
②ポイント操作で最大4両の動力車の留置位置を変えられる電気配線にしています。
③ストラクチャーを含む情景は、ホッパーを中心とする岩山、機関庫を中心とするエリアからなっています。岩山は発泡スチロールをベースに隙間を紙粘土で埋めキッチンペーパーで覆い石膏で形を整えアクリル絵の具で塗装、ホッパーと機関庫はエコーモデルのSTウッドをSTカラーで屋根は波板をグレーで塗装後少しウェザリングを加えてみました。その他に給油機、小さな番小屋、ドラム缶、廃材置き場、人形等を加えてます、その他の部分は紙粘土で地面に凹凸を付け複数のテグスチャーペイントを指で塗り付けた後に砂利道、石垣等を加えてみました。
とりあえず完成としましたが、このレイアウトの主役となる杉山模型の車両がスムーズにポイントを通過出来ない状況を改善する事は叶わず今後に課題を残す事となりました、それと共に会の方々から今後の提案も頂き私自身いろいろと妄想を描いていますが、さてどうなるでしょうか?
第3位 近鉄260系
1:プロトタイプ
今年の競作のお題は「ナロー」。ナローと言えば、皆様ご存知の通り(?)近鉄マニアのワタシとしてはアレを作らないといけませんね。その中でもマルーン一色から脱却した、内部・八王子線用の260系を製作するコトに決めました。2017年にはあすなろう鉄道に変わった後とは言え、実際に乗車した路線なんで馴染みもある車両なんです。
2:加工ポイント
YAMA模型製ペーパーキットを加工。編成はモ264-サ124-ク114を選定。主にN用を流用前提の下回りを正規の形に近づけるコトを目標に加工することにしました。
また、レーザーカットのキットの為、Hゴムやユニットサッシ枠などがスジボリで表現されているので、ここに薄い紙を貼り足して立体感を出すようにしてみました。
3:苦労した点
まず、設計がかなりタイトで妻板と側板の継ぐ箇所は接着シロがあまり無く、さらに角のRを表現する為に裏側にスジボリがしてあるのですが、実際に折り曲げ後にキレイな曲線になるよう削っていくとスジボリのところがかなり薄くなって穴が開きそうになるなど、ちゃいちゃいっと組み立てられないような構成になってます。
なので、製作を進めながらそういった予想外の修正を行う必要があり工期が思った以上に延びてしまいました。
下回りは、モについてはアルモデル製の動力装置等を使うことにしたので大きな問題はありません。クとサについては台車そのものは3Dプリントパーツやアルモデル製の物が使えるのですが、車輪とそれを支える台車枠はアルモデル製の物があるとは言え実に高価です。なので、台車枠は内側支持の物をプラ板から自作、車輪は不動となったNのEF58用を使うことにしました。が、この自作台車枠の精度が悪く台車単体ではそこそこ転がったのですが車体に組み付けるとまあ動きが渋い渋い。その為、競作発表会ではモとクの2両で走行プレゼンを行ったのでした(汗)。
モの屋上機器もパンタ台が近鉄独特(?)の2段になっており、コレも真鍮板から自作。かなりオーバースケールですが無いよりはマシと思います。
細かい苦労ポイントはまだまだあるんですが、詳細はワタシのブログをご確認頂ければと思います。
とにかくやねこいキットでしたが、締め切りギリギリとはいえ競作発表会にエントリー出来て良かったです。
第4位 井笠鉄道ホジ12(Oナロー)
オレンジカンパニー製のキットを組立です
ほぼ素組ですが、組みやすいように追具も製作しながら組みました。井笠はホジ8、ホハフに続き3作目です。
このキットはオレンジカンパニーらしい設計がしっかりとしたもので、エッチングやロストもサイズがピッタリ
合うため気持ちよく組めます。逆を言えば少しでもズレたら
合わなくなるという恐ろしいキットでもあります。
•苦労した点
★屋根もバラバラの板キットを箱にする難しさ
★大きいぶん、ハンダの熱が届きにくく、流れない
★動力の調整がシビアで走るようになるまで時間かかった
★内装の内張りが窓セル厚を考慮してないので組み立て段階になって入らなくて困った。結局無理やり押し込んだ
もしこのキットを組む方がいらっしゃったら内張りはすべて横を0.3ミリカットして下さい。
•その他
今回はじめて「いさみやカラープライマー」を使用しました
手探り状態でしたが上手く塗れたようです。
ライトレンズは平板、プラ板が入っているので、サイズは少し小さいけど
エコーの250w用を入れてみました。
表記はアルプスモデルのインレタ、古いものですがちゃんと転写できました。サボは自作です。
第5位 尾小屋キハ2タイプ
【製作の動機】
オクで「ワールド工芸・気動車エッチング板・・・ジャンク品」を見つけたこと
【概略工作】
曲げなしエッチング板のため、折り曲げから開始。車体は、山・谷を間違えないよう慎重に組み立てた。
付属品無しのため屋根端部は木の端材から成型して取付、継目が若干見えるがとりあえず終了。
同じく動力機構も無かったため、エッチング板の床板・動力取付け部は使わず、2×2アングルと百均木材とで台枠・床板を作製
乗工社の西大寺キハ用動力から、モーター取付け部やカプラー取付け部を切除して、ギアユニットおよび台車枠部分のみを使用。非動力台車は片側枠をねじ止めにしてレール追従性を改善、動力台車は、頭削ったネジと薄くしたナットを組合せ床板へ取付、ユニバーサルジョイントを介してコアレスモーター(UNO505)へ接続。
ジョイント接続長さや動力台車の首振りを調整し、手持ち線路では、1.5V程度から起動、R282の連続Sカーブを通過。
床下(エンジン)は、お湯まる型取り・接着剤複製+プラ材・紙
【車体色】
薄茶色と赤色(特急色)で尾小屋っぽく塗り分け。(今年はシンナードボンなし)。土色・錆色・煤色で軽くお化粧済。
(相手はいないが)連結を考え、IMONカプラーを取り付け、一寸目立ちすぎでしたか?
【難点】
初のナロー、造作が細かく、作業中は虫眼鏡が手放せなかった。
屋根の曲げは、手で騙し騙し行ったが、やや歪みが残る。
荷台手摺はエッチング抜きで気に入らなかったのでΦ0.4線で作り換えたが、直角並行が揃わず、失敗。
モーターが大きいので車体内に斜め取付けたため、窓から目立つ。
走行音が大きい(ギアは比較的静か、ジョイント曲がりに起因する振動音が主と思われる)など
まだまだ修行が足りない。
第6位 軌道車+D型台車
ここ何年か、競作会にエントリー出来ておらず「さすがに参加だけでもしなければ!」と、いつもより早めに準備(キット購入)を始めました。
かなりの突貫工事で進めましたが、間に合ったのでヨシとしましょう。
横着をして説明書を読みながら作業をしてしまいました。急ぐ時こそ、パンケーキコンテナのキットは説明書を最後まで読んでから作業を始めましょう(汗)。
・軌道車
内容としてはキット素組となります。動力は「トミーテック TM-TR07」を使用しました。
キットはパーツ選択により、実車に合わせた形態に組み立てられます。今回、特定の車両を作るつもりは無かったので、好みのパーツを選択しながら作りました。
塗装は全体にグレーのサーフェイサー→マスキングしたらタミヤのオリーブドラブで塗装→付属のデカールを貼ったら艶消しクリアーで保護→細部に色差し
動力ユニットの取り付けは、そのままだと沈み込み過ぎるので、プラ角棒を介在させて両面テープで固定しました。
・D型台車
こちらもキット素組です。
塗装は黒のサーフェイサー→付属のデカール貼り付け→艶消しクリアー→オレンジで色差し
台車を車体に取り付ける際、そのままだと沈み込み過ぎたので、台車のランナー(台車は3Dプリント)に形成されていた円板の部位を切り出し、ワッシャー代わりに使用しています。
そして競作会へ…テスト走行無しの一発本番でしたが、流石はトミーテックの動力です。難なく快走してくれました。
しかし、このサイズの模型(ディテールも細かい!)がペーパーで手に入る時代が来るとは、十年前には思いもしませんでしたね…。
第7位 VW巡察車と装甲現金輸送車
「VW巡察車」
ナロー路線を保有していないので今回はパスするつもりでしたが、海外オクを眺めていて面白い素材を見つけたので、これで参加決定。
英国から出品されている、VWバン改造の巡察車の3Dプリント車体。サンプル通り赤く塗装し、KATOチビロコ動力を装着。
これだけでは芸が無いので、盆休み中に窓にポリカ板をはめ込んでみた。動力はKATO製なので問題なし。
「装甲現金輸送車」 同じ出品者から、更に面白い素材が出品されていたので、ついでに落札。単装砲装備の軌道装甲車を、退役後に現金輸送車に転用した想定。これも3Dプリント車体+KATO動力で、緑色(軍用車両なので三菱機体色)に塗装。真鍮製の砲身も添付されていたが、実弾を発射する訳には行かないので、放水銃に転用した想定。砲身自体は無改造なので、実弾を装填すれば……おや誰か来た様だ
第7位 錦木電氣(にしきぎでんき)軌道(きどう) 千束(ちさと)線(せん) デハ6
関西急行物語の花巻電鉄サハ3のペーパーキットをベースにフリーの2軸路面電車をでっち上げてみました。でっち上げるつもりがメーカーもそういうキットを出していた事を後から知ったものの価格は倍…
動力はKATOのチビ客車用で、食玩改造の岡電MOMOに履かせていたのを転用しました。
車体は正面の枠はゴチャゴチャするので省いた以外は素組みです。屋根のペーパーの積層は初めてやりましたが、瞬間接着剤を盛って削るの繰り返しで何とかなるものですね。この方法考えた方は凄い。
ポールはハゼガワのプラモデルの江ノ電100型の余りパーツを流用、前照灯は天賞堂の大型テールライトで合うレンズは無いからハイグレード模型用セメダインを充填、尾灯はエコー。連結器はなぜか持っていた乗工社のナロー用連結器。新たに購入した物は980円のペーパーキットと缶スプレー赤青2缶とサフ1缶と今年もお金は掛けていません。
本来ならOナローでボギー車を作りたかったのですが、動力装置や集電装置が調達できそうもなかったのでHOナローにしたものの、あまりに小さすぎてやねこいのでHOナローは最初で最後になりそう。
~以下妄想~
錦木電氣軌道千束線
国鉄瀧奈駅前から千束までの6.34kmを街道沿いに走る762mm軌道の路面電車で、途中駅は瑞樹・久留実・美加・布木・真島・吉松がある。沿線には彼岸花、鈴蘭、立葵、風船葛などが咲く事が有名。終点の千束の先の山中には公的機密機関が存在するという噂がある。
真島駅付近でのアクシデントで車両不足に陥った為、急遽休車中のデハ6を復活させたが小型すぎて輸送力に問題があり、現在では完全に予備車となっている。
社名・駅名・車体色・広告などは分かる人にだけ分かるという事で…
この様にフリーの作品の背景まで深く考えたのは初めてで、ジジイが何言ってんだキモイと言われそうだが、元ネタにハマっちまったものは仕方ない…
第9位 屋猫井鐡道 屋猫井駅
遠く北関東の地から、オンラインで参加しました。競作参加は、いつ以来だろう…?
今回のお題は『ナロー』ということもあり、屋猫井鐡道シリーズのお立ち台として、地面で参加しました。
お立ち台と言えば、車両のお立ち台を想像されるでしょうが、今回はあくまでも『建物』のお立ち台として、線路はいたってシンプルに配置させ、建物を目立たせるようにしました。
【建物】
建物は、梅桜堂の上神梅駅とトイレを使用。キットは塗装の必要が無いペーパーキットですが、自分の好みとして、柱や壁は全てSTカラーで塗装しています。
組立は特に工夫することなく素組で、組立後にタミヤのウェザリングパウダーで軽く汚しています。
【地面】
地面は近所の100均で現地調達したA4サイズのコルクボードです。
コルク面を道床面として、レールは広島から持って来た、シノハラ製のフレキシブルレールを2本敷いて、行き違いか側線、どちらにも見えるようしてみました。
ホームはバルサ材を使用し、ホーム高さまで嵩上げ、ホーム面から駅前広場まで段差なしとしました。
ホームと広場との境界には、バルサ材を切り出して古枕木、STウッドを帯状に切り出して、柵を表現してみました。柵の根本付近は、荒隠しも兼ねてコースターフ等を撒いて草むらを表現してみました。
現在住んでいる社宅には、プリンターが無いので、文字類が一切作ることが出来ません。故に何ら味気のない駅となってしまいましたが、広島に戻ったら追々手を付けようと思ってます。
【最後に】
今回は建物中心に地面を作成しましたが、制作時間が短く完成度の低い作品となってしまいました。
広島に戻ったら、少しずつ手を加え完成度を上げていきたいと思っています。