実車について
EF52は、当時の鉄道省が国内主要メーカーを集め統一設計を行った『省型電機』の最初の形式で、昭和3~7年にかけて9両が製作された。
輸入電機の見本市のような時代に、まとまって登場し主要本線で活躍したが、後にEF53等が登場すると、運転面での扱い難さから次第に中央線や阪和線といった路線で活躍するようになった。
最後に製造された2両は、性能が異なっていたのでEF54に改称され、更に貨物用機の転用されEF14と改称され、最晩年は大阪付近での入換に用いられていた。
残り7両は、阪和線で使用され昭和47~50年に廃車となった。このうち1号機は大阪の交通科学館で静態保存されているのは、皆さんもご存知だと思います。
さて、『EF53より前のF級電機って模型では中々見かけないので面白そう…』と天邪鬼な考えを思っていた時があり、偶然にもFおぢさんの旧職場に長期在庫品で置かれていた中村精密のEF52を見つけ、2001年に購入したのがこれです。
とはいえ、ずっと長い間手付かずで、会の競作が旧型車両となったのをきっかけとして
2008年初頭より製作を開始しました。
1.元箱および組み立て説明書
元箱は中村精密の褪せたような赤色の箱。完成図・説明書・部品表など一応あり、説明書も簡単な図入りです。とはいえ、寸法のわかるところが完成図だけなので、完成図の寸法を基に現物あわせでやってゆくところが大部分になりそうな感じです。
2.動力台車
動力台車は、内台枠方式で、軸受け・砂箱などのディテールのついた主台枠とは独立しています。片側3軸インサイド仕様×2で、全軸駆動可能です。同じものが2つあるだけですので、絶縁方向を間違えないように車軸に動輪をねじ込み、ギアのあたりを確認しながら前後左右の内枠をねじ止めして完了です。
3.動力化
モーターは縦型モーター換装用の缶モーター(品番不詳)への交換、フクシマの集電シューを絶縁側に追加し、グリス交換を繰り返し低電圧からゆっくりと動き出すように、ギアのあたりを微調整します。
結果としてギア音はしますが、低電圧でゆっくりと動き出し、2つのユニットがほぼ協調して動くようになりました(動力ユニットの調整優先で裏蓋は完成後もはずしたままです。)
4.車体工作
まず車体を箱にします。屋根・側面一体折り曲げ車体と前面との合いもよく、すんなりと組めました。床板取付け板、前面ステップ・手すり・通風フィルタを取り付け箱組は終了です。
ランボードは、エッチング抜き部材の足を曲げ、取り付ける方式ですが、左右・前後で
屋根の傾きに合致させて足を削る必要があり、ランボード14個分をほぼ揃って見えるようにするは苦心しました。雨樋は0.5Φ線を使用しランボードの外側に半田付けしました。モニターは、説明書通りに作ると明かり窓にガラスが貼れなくなりますので、屋根への取り付け板の両サイドへ作業用の隙間を開け、窓貼りに対応しました。
元々があっさりした場所ということもあり、車体の概形はこんなところで、終了です。
5.台枠・先台車
主台枠はプレスの打ち抜きで歪んでいましたので、4枚が真直ぐになるよう指で整形し、左右・前後がねじれないよう注意し、半田付けします。
同様にデッキ支え板もデッキ側へ半田付けしますが、取付け位置がよく判りませんでしたので完成図のステップ位置から推定し、位置決め・半田付けしました。
先台車は蒸機の2軸先台車と同様の手法で組みました。
6.デッキ/ステップ
デッキはエッチング抜き済み網目板に手すり支えと線材とを組み立てる構成です。
手すりはすべて直材から曲げてゆかねばならず、完成図から寸法を取り、上下・前後・左右の曲げ具合を確認しながら一つ一つ半田付けしてゆきました。
支えの穴がやや甘いので、垂直の確認および熱を廻し過ぎてせっかく決めたところが
ねじれないよう注意して作業を行いました。
ステップも同様、エッチング抜き済み板の組立てで、完成図を参考にデッキに取り付けます。出来はご覧の通りで、初めてにしては割とうまくいったと喜んでいます。
デッキ作業と並行して、車体に配管止めを流用した吊環・屋上配管・前照燈などを取り付けます。(阪鉄車両様より水野EF52などの画像をお送りいただけましたので、参考にいたしました。)
その2…に続く?
EF52は、当時の鉄道省が国内主要メーカーを集め統一設計を行った『省型電機』の最初の形式で、昭和3~7年にかけて9両が製作された。
輸入電機の見本市のような時代に、まとまって登場し主要本線で活躍したが、後にEF53等が登場すると、運転面での扱い難さから次第に中央線や阪和線といった路線で活躍するようになった。
最後に製造された2両は、性能が異なっていたのでEF54に改称され、更に貨物用機の転用されEF14と改称され、最晩年は大阪付近での入換に用いられていた。
残り7両は、阪和線で使用され昭和47~50年に廃車となった。このうち1号機は大阪の交通科学館で静態保存されているのは、皆さんもご存知だと思います。
さて、『EF53より前のF級電機って模型では中々見かけないので面白そう…』と天邪鬼な考えを思っていた時があり、偶然にもFおぢさんの旧職場に長期在庫品で置かれていた中村精密のEF52を見つけ、2001年に購入したのがこれです。
とはいえ、ずっと長い間手付かずで、会の競作が旧型車両となったのをきっかけとして
2008年初頭より製作を開始しました。
1.元箱および組み立て説明書
元箱は中村精密の褪せたような赤色の箱。完成図・説明書・部品表など一応あり、説明書も簡単な図入りです。とはいえ、寸法のわかるところが完成図だけなので、完成図の寸法を基に現物あわせでやってゆくところが大部分になりそうな感じです。
2.動力台車
動力台車は、内台枠方式で、軸受け・砂箱などのディテールのついた主台枠とは独立しています。片側3軸インサイド仕様×2で、全軸駆動可能です。同じものが2つあるだけですので、絶縁方向を間違えないように車軸に動輪をねじ込み、ギアのあたりを確認しながら前後左右の内枠をねじ止めして完了です。
3.動力化
モーターは縦型モーター換装用の缶モーター(品番不詳)への交換、フクシマの集電シューを絶縁側に追加し、グリス交換を繰り返し低電圧からゆっくりと動き出すように、ギアのあたりを微調整します。
結果としてギア音はしますが、低電圧でゆっくりと動き出し、2つのユニットがほぼ協調して動くようになりました(動力ユニットの調整優先で裏蓋は完成後もはずしたままです。)
4.車体工作
まず車体を箱にします。屋根・側面一体折り曲げ車体と前面との合いもよく、すんなりと組めました。床板取付け板、前面ステップ・手すり・通風フィルタを取り付け箱組は終了です。
ランボードは、エッチング抜き部材の足を曲げ、取り付ける方式ですが、左右・前後で
屋根の傾きに合致させて足を削る必要があり、ランボード14個分をほぼ揃って見えるようにするは苦心しました。雨樋は0.5Φ線を使用しランボードの外側に半田付けしました。モニターは、説明書通りに作ると明かり窓にガラスが貼れなくなりますので、屋根への取り付け板の両サイドへ作業用の隙間を開け、窓貼りに対応しました。
元々があっさりした場所ということもあり、車体の概形はこんなところで、終了です。
5.台枠・先台車
主台枠はプレスの打ち抜きで歪んでいましたので、4枚が真直ぐになるよう指で整形し、左右・前後がねじれないよう注意し、半田付けします。
同様にデッキ支え板もデッキ側へ半田付けしますが、取付け位置がよく判りませんでしたので完成図のステップ位置から推定し、位置決め・半田付けしました。
先台車は蒸機の2軸先台車と同様の手法で組みました。
6.デッキ/ステップ
デッキはエッチング抜き済み網目板に手すり支えと線材とを組み立てる構成です。
手すりはすべて直材から曲げてゆかねばならず、完成図から寸法を取り、上下・前後・左右の曲げ具合を確認しながら一つ一つ半田付けしてゆきました。
支えの穴がやや甘いので、垂直の確認および熱を廻し過ぎてせっかく決めたところが
ねじれないよう注意して作業を行いました。
ステップも同様、エッチング抜き済み板の組立てで、完成図を参考にデッキに取り付けます。出来はご覧の通りで、初めてにしては割とうまくいったと喜んでいます。
デッキ作業と並行して、車体に配管止めを流用した吊環・屋上配管・前照燈などを取り付けます。(阪鉄車両様より水野EF52などの画像をお送りいただけましたので、参考にいたしました。)
その2…に続く?