TENNIS COACH DIARY

ハンサム木全のたわごとです

この一球(128)

2005-07-21 01:05:24 | 試合で勝つために大切な事
 さあ、いよいよ夏休み本番。明日から関東ジュニアの熱ーい戦いが始まります。今年はどんなドラマが見られることやら。今年は大阪でたこやきが食べれるでしょうか?



 さて、話は変わって今日はありがたーいお言葉を。

 この言葉を最初から最後まで憶えている方はかなり、テニスを愛し、そして年齢は私にかなり近いでしょう!

「この一球は絶対無二の一球なり」ここまでは知っている方も多いはず。

どうです、エースをねらえ世代ならみな知っているバイブルのような福田雅之助さんの言葉です。

「この一球は絶対無二の一球なり

されば心身を挙げて一打すべし

この一球一打に

技を磨き体力を鍛へ

精神力を養ふべきなり

この一打に今の自己を発揮すべし

これを庭球する心といふ」

そう、テニスには今のその人の人間の器が鏡のように映るんですねー。
今のジュニアたちは、この言葉を聞いてどう思うんでしょうかねー??

今日の写真は「技のひきだし君」のスプリット!
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負けじゃない(127)

2005-07-19 23:50:03 | tennis
 きのうの、1~4年生の大会を見ていて、感じたことがあります。それは「よかったー!」です。なぜよかったのか、それは全体的に、みんなのテニスが多彩だったことです。型にはまってみんな似たようなテニススタイルだったら、とっても没個性的でがっかりなんですが、きのうは見ていてとてもわくわくしました。そして、始終にこにこだったかも。

 男子決勝の話を。優勝したT君は4年生にして、「テクニックのひきだし君」とあだなを付けたい程の選手です。フォアサイドからは右手でスライスサーブ、バックサイドからは左手でスライスサーブ、両サイド両手打ちからのトップスピン、時にはどちらサイドも片手フォア、そしてスライスショット、ドロップからの展開がうまい…どうです、すごい引き出しの数でしょ!彼は勝負に対する執念も持ってます。

 対する3年生のK君は、1日前の中高生の部にお兄ちゃんにひっついてやって来て、1日じゅう遊びまくっていたわんぱく君。しかし、翌日は全くの別人、真のテニス選手でした。低いテイクバックから繰り出されるフォアトップスピンは秋田姿帆ちゃんを思い出させるものでした。ワンバウンドでフェンスは越しませんが、相手がフェンスにぶつりながらジャンプして返球できない様子は何度も見かけました。

 5ー3T君リードから5-5に追い付き、2度のマッチポイントを凌ぐが3度目のマッチポイントで力尽きました。試合が終わったあとの敗者の様子というのは、とても興味があります。あるものは涙し、あるものはへらへら笑い、あるものは何でもないよーという顔でその場を過ごしたあと、ロッカールームで絶叫の涙したり…。←愛知のKちゃんの絶叫には惚れました。

 K君の反応はといったら、説明がむずかしいのですが、男らしい静かな涙、この負けっぷりに感動しました。例えるなら、前回の日韓共催サッカーワールドカップでのドイツのキーパー、カーンが試合に負けた時のような哀愁です。←わかります?ちょっとわかりづらい?

 ある家庭は、子供が負けたあと最後まで残ってこの試合を見、かけがえのない勉強を子供にさせる事ができました。見のがしたみなさん、損しましたねー!!時にこういうことがありますからね、次回は見のがさぬよう!!

 そして負けたK君と家族に次の話を送ります。

Measuring Results By Wins(結果を勝ち負けで評価する)←キッズテニスさんのお話より

 技術発達途上の小さい子供の試合に関しては、勝負の勝ち負けで評価するのではなく、良い態度や、技術の上達レベルで評価するということが大切です。 結果をこのような基準で評価する親は、不当に子供にテニスを押し付けたリすることのない、すばらしい親で、子供も健全に上達していくでしょう。

 私が、対戦相手の子供達のけがをおそれてフェンス際のイスを横へずらしたり、フェンス際の落ち葉をそうじしたりしたのは、K君の試合だけです。しかも、うちのクラブのバックコートは狭くない、そして3年生でこんな技術を持つ子は国内にはそうはいませんよー!!そして、態度。試合中、全く集中力が落ちることなく、そして相手に対して礼儀正しく、どうどうとしていました。おとうさま、おかあさまの対応もすばらしかったですね。「すばらしいプレーだったよ。5ゲームも取れたじゃない。」

 そう、これは全然負けじゃない。

 勝ったT君がかすんでしまいそうですが、彼もすばらしいプレーヤーです。だからこそ2人の試合がみんなを感動させたんですね!









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ドナルド・ダック(126)

2005-07-18 21:37:09 | tennis
 KIDS TENNIS.COMで行ったウインブルドン観戦&ドイツ遠征からおもしろいお話をゲットしました。

 ウインブルドン会場で試合観戦中のMちゃんのもとへ重大な情報が入りました。「Mちゃん、むこうでドナルド・ダックが試合やってるって!!」Mちゃん「えー!観に行こう!!わーい!!」着いたコートには、期待したドナルド・ダックも、そして応援席のミッキーもミニーもいませんでした。そこでプレーしていたのは…見た事もない全然知らない、なんかとっても日焼けした男の子でした。



ドナルド・ヤング!!


この話のおもしろさがわかる方、かなりの通です。(ヤングはアメリカ期待のジュニア黒人の期待の星、今、世界で一番注目の選手です)


そういうわけで、この年にして(MちゃんNちゃん2年生でしたっけ?)、ドナルドヤングとにしこりけい君をすごいと知っている子たちに驚いた今日でした。

写真はヨーロッパでがんばるKK。
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激戦(125)

2005-07-18 18:52:20 | tennis
今日は1~4年生のトーナメントが先程終わりました。男子決勝を観て、ものすごく感動してしまいました。あんぱんまんのカメラ忘れた方、連絡くださいー。
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無題(124)

2005-07-16 23:20:17 | tennis
 今日から3日間、ジュニアのトーナメントで、毎日クラブに早朝から深夜まで、苦行の日々です。とはいえ、今回、オーガナイズのほとんどを若手のコーチにやってもらい(すばらしい手腕になってきましたよ、たのもしいー!!)そういったわけで、当日運営のつらさだけなんです。いつもは、この3倍くらい苦しんでいます。

 大阪では岩渕、鈴木組、ふたごちゃんペアに快勝したようで、私的スケジュールとしては、明日の初戦、鈴木がスリチャパンに勝ち、2試合目選手変更、添田豪vsウドムチョークが見られるというのでどうでしょう。ごういちには少し休んでもらって。(というか、みんなそう考えてるみたいですね)(ごういちごめんー)

 ヨーロッパのETAで6週間、修行中のK平母からたよりが。がんばってますねー。写真からそのがんばりが伝わってきますよ。みなさんも、写真みて下さいねー。
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80歳(123)

2005-07-16 00:19:20 | tennis
 週末は大阪でタイvs日本戦です。日本チームは今回も、鈴木、本村体制で行くようですね。添田豪が出ないのが少し残念ですが、しかたないか。今回、残念ながら観にいけませんが、みなさん、応援よろしくお願いします。女子に続けー!!

 全日本ジュニアは新しいスポンサーが見つかり、全カテゴリーの中から男子2名、女子2名を将来性から選び、南米サーキットへ60日間送り込みます。すばらしいですね。そして、これにからめて、指導者の育成も考えているそうです。

 話がころころ変わりますが、

 今日は、私が週2回、ヒッティングをしているスーパーおじいさんのお話。火曜と木曜、30分間、パワーヒットでお相手します。使用ボールは4個。ベースラインラリー、ボレー(私が)vsストローク、ストローク(私)vsボレーと毎回行います。結構本気で打ち合います。お年は現在80歳。とっても健康で、すばやい動き、ハードヒッターでいらっしゃいます。眼鏡をかけて、さっそうとBMWを運転して帰る姿は、あこがれてしまいます。自分もこんなおじいさんになれるか?とだれもが思います。


 クラブのメンバーの皆さんは、だれもが、このスーパーおじいさんを目標にしています。かくいう私も、いつも、元気を分けてもらっています。負けてられませんねえ!ぐちなんか言っているひまは、ありません。

写真はスーパーおじいさんと私。
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4歳(122)

2005-07-15 00:25:51 | tennis
 今日は真剣勝負がありました。テニスコーチの最も緊張する瞬間です。全日本優勝の選手を教えるとしてもこんなに緊張しないでしょう。

 4歳の女の子2人がキッズクラスではじめて体験レッスンです。この2人のテニス人生を左右するかけがえのない1時間です。ひょっとしたら、私のせいで、テニス人生が始まらないかもしれないのです。普段、レッスンをいいかげんにやっているわけではないのですが、持てる技すべてを総動員しての一世一代の勝負です。

 いつも、こういった時の目標は、「面白くて、面白くてしょうがない!テニスぜったいやりたいー!」と思わせて、レッスンを終わることです。

 しかし、長いテニスコーチ人生、大敗を喫したこともたくさんあります。今、千葉県の高校生で活躍している(今はオーストラリアのITF参戦中)のK早君の妹などは、惨敗でした、ショック!!

 今日のレッスンの中で登場したすべてをあげてみましょう。メロン、パイナップル、ピーマン、どらえもん、ドラミ、ドラム缶、どざえもん、わに、ライオン、ごきぶり、ボス、今夜の晩御飯、怪獣なおきたいせい(2人の兄の名前を拝借)、カレー、ケーキ、時限爆弾、えさ、橋、あめ。

 今日の戦果は?わかりませんが、完勝したと自負しております。(自己満足?)

 はじめてテニスをやる子の場合、はじめのレッスンがかんじんといわれますが、私の場合、その前から勝負は始まっています。たとえば、今日の女の子のうちの1人はお兄ちゃんが、つい最近一番下の選手クラスに入りました。妹はいつもレッスンにくっついて来ていましたから、そういったうちから、心をつかむよう日頃から一声かけるようにしています。今日もその成果が大きく出ていたようです。

 というわけで4歳から80歳オーバーまで教えています。楽しいですねー。

写真はAsian 14/U seriesの仕掛人、尊敬すべきフィリピンのAJEY氏とツーショット。彼の行動力を見習いたいです!!
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エコ3(121)

2005-07-13 23:36:09 | tennis
 エコの考え方をすすめると、グループレッスンでは限り無くボール出しの単純練習が減ってくることになります。これは、間違ってないと思うのですが、問題がひとつ。じゃあ、ボール出し練習は必要ないのかというと、そんなことはないと思います。グループレッスンでボール出しをあまりしないで選手どうしのヒッティングを主体とする、では技術習得のためにとても大切なボール出しは、ヨーロッパではプライベートレッスンで行います。つまり週2~3回のグループレッスンを受けることとその他に週1~3回のプライベートレッスンを同時に行うことはあたりまえの文化となっているわけです。

 それが、あたりまえとなっていない日本では、そのへんがとてもむずかしい。どうしても、技術の習得ができていない子にはグループレッスンの中でボール出しをせざるをえない。すると、しっかり技術を習得している子は、レッスンの中で生きたボールをたくさん打たせて、技術をより実戦で使えるものにしたいのに、それができない。

 かといって、みんな、「プライベートもっとうけてくれー」ともいいずらい。なんせ値段が高いですから。私が自分でクラブをやっていたら、もう少し考えるのですが、思うようにいかないものです。

 そういったわけで、とても微妙なバランスの上にいろんな事が成り立っているのです。日本全国の尊敬する先輩コーチ達にこのあたりのことを尋ねると、やはり、いろんな苦労の上、それぞれ解決策を考えて実行されておいでです。


写真はシンガポールのナンバー1の選手。

 
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エコ2(120)

2005-07-13 01:03:08 | tennis
 たとえば、私が生徒にハーフバウンドのストロークを教えたいとします。昔の私がとっていた方法は(1)見本をみせて、ベースラインぎりぎりのボール出しをし、ハーフバウンドのストロークをたくさんボール出しで打たせる。です。

 そして最近の私がとる方法は以下です。(2)シングルスサイドラインの横とベースラインの後ろは300mの断崖絶壁です。横や後ろにはみだすと崖から落っこちて死んでしまいます。さあボール出しから10ポイント先取をしよう。

結果はみごとです。(2)の方法(エコ)の方が何も説明してないのに、(見本さえみせてない)ハーフバウンドのストロークがものすごくうまく打てるようになります、ものの20分で。みなさん実験してみて下さい。

つまり「ああ打て、こう打て」といってボール出しするより、そこへ導くような環境つくりがとても効果があるのです。しかも生徒はコーチに教えられたのではなく、自分から技を編み出しますから、執着と集中がまったく違います。


いろんな段階の様々な子供たちに対して、あるいは大人の生徒さんに対して、ある事を教えてできるように導くためには、どういう環境をつくるのがいいのか考えていると、時間がどんどん過ぎていきます。(考えるのがとても面白い)。

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エコ(119)

2005-07-13 00:37:44 | tennis
 トレーニングジャーナル6月号を読んでいて、いい文章に出会いました。私がここ2年くらいであちこちで勉強して、すばらしい指導方法として少しずつわかってきた事がここに、みごとに書かれていましたので、載せてみます。

仮に相手にペンを取らせたいと考えた時に、「ペンをとって下さい」と言えば取ってくれる。それは言葉が通じるからで、動物にはできない。このとき、ペンを持った相手はペンそのものに集中しませんし、執着もしません。ところが、自分から率先して物を取ろうとすると執着します。落ちていたペンが以前失くした物ではないかと考えれば、関心を示して手に取ります。この例から言うと、「今から50mを走って下さい」と言っても、選手はそのことに執着しません。この場合は集中はしますが、執着はしません。嫌々勉強していると、覚えられない、これと同様のことです。
 自分から率先してやらせるには、その人が思わずペンを握ってしまうような環境をつくってしまえばよいのです。何もない広い机の上にペンを1本置き、その前に座らせ世間話をしていれば、思わず握ってしまうでしょう。これは、こういうトレーニングをしようという話ではなく、指導の際に「あれをしろ、これをしろ」と言わなくても、ある刺激を与える、ある環境を与えるだけで、ほおっておいても目的とする動きに誘導させられるということです。ヨーロッパなどでは、この生態的な動きを「エコロジー(ecology)」と表現し、「エコ」という言葉をつかっています。スポーツ科学に関する指導書などではこの「エコ」という言葉がたくさん出てきます。…

最近、どこの指導者講習会でもこの話に近いことが出てきます。とても勉強になったドイツのリチャード・ショーンボーン氏の話でも出てきましたし、オランダ視察勉強に行った時もとても多くのレッスンで見かけました。

つづく



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