よしーの世界

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ハーバード白熱日本史教室   北川智子

2019-09-08 08:05:13 | 
頭のいい人間はいるものだと改めて思う。本書の著者はカナダの州立大学で理系の学生で学び

ながら、日本史に興味を抱き独自の視点で研究し、あのハーバード大学で日本史の講義を受け

持つに至り、僅か16人の学生に講義していたのが(東南アジアの歴史に興味を持つ欧米の学生

は少ない)学生たちの興味が集まり、100人を超える学生たちに対するようになる。しかも

受講した学生たちの評価で「ティーチング・アワード」を受賞し、「思い出に残る教授」に選

出されている。


日本史の切り口が欧米人の見る「サムライ」一辺倒ではなく、女性に光を当てているところは

新鮮だし、なによりマイケル・サンデルで有名になった「アクティブ・ラーニング」を取り入

れているところがスゴイ。答えを用意するのではなく、学生自らが思考し、答えを導きだそう

とする学習法で、教授の力量も問われるし、授業にも相当な準備がいる。過去の遺物のような

古い資料を使い学生に教えるのとは訳が違う。


日本の教育は相当遅れている。何より現在の日本政府が教育に予算を使わないから、古色蒼然

たる授業が幅を利かせ、授業に全く興味を抱かない学生が増え続ける。スマホやネットの影響

で考えることが無くなった学生が日本の未来を描くことは不可能だ。


私は以前から本を読むことが好きだ。しかも大人になってから拍車がかかり、あらゆるジャン

ルの本を読んでいる。それは自分の思考のためであり、面白い本との出会いは刺激的だ。読め

ば読むほど自分の知らないことが出てくるので本当に楽しい。


ハーバード白熱日本史教室   北川智子    新潮新書
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