よしーの世界

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酒場詩人の流儀   吉田類

2020-01-10 07:00:56 | 
BS-TBSの酒場放浪記でお馴染みの吉田類氏によるエッセイ集。テレビで見ている分には

能天気な酔っ払いのおじさんという認識でしかないが、俳句人、詩人の文学的側面が全面に

出て、尚且つ日本を漂流するエコロジスト、漂泊の登山家。日本を改めて見つめ直すのに最

適な人物として語り継がれることが出来る人物だ。


思えば類氏の敬愛する山頭火も日々反省しながら、酒に溺れ日本を漂泊する俳人で、沢山の

人に愛されながら常に自己嫌悪に陥る人生だった。吉田類氏の知人の俳句仲間である女性が

祖母に諫められるのは山頭火をよく知る山口県の出てあることは偶然ではない。


本書では類氏が訪ね歩いた日本国中の自然。遺産とも呼べる豊かな自然と人間の共生が大テ

ーマで、大上段に振りかぶることなく、決して見逃すことが出来ない事実。自然環境は破壊

には時間を要せず、元に戻すには時間も労力もとてつもないものを必要とする。まぁ今夜も

一杯。軽い触れ合いから始まり、時には真剣に向き合わなければならない現実も見せてくれ

る。そういう時間を共有できる稀有なエッセイ集だ。


酒場詩人の流儀    吉田類    中公新書
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