樋口陽一氏は「護憲」派であり、小林節氏は「改憲」派として有名な両氏であるが本書のテーマは一貫
している。小林氏は自民党の勉強会にも携わってきたが、その主眼は「憲法は国民を縛るものではない。
国家権力を管理するための最高法規である」という憲法の基本を徹底して自民党の議員たちに叩き込む
ことにあったと述懐している。最近の3世、4世議員たちは完全に勘違いをしているとも言う。曰く、
国民に選ばれているのだから自分たちの都合の良い解釈が成り立つという思い上がり。これは立憲主義
の崩壊である。
第二次安倍政権下で目立ったことは、自己に都合の良い会見は延々と報道させるが、不都合なことには
だんまりを決め込み、官僚に忖度をさせ、事実関係が破綻すると捏造までさせるという事態。ついには
憲法改悪に手を付けようとする暴挙。
何しろ自民党「憲法改正草案」では「個人」という言葉を削っているのだ。草案では個人より国家を優
先させようとしている。時代を逆行させるもので、完全に独裁を彷彿させるものだ。自民党の中枢には
多い考えなのだろう。
それにしても今回、安倍政権の路線を継承するとした菅内閣の支持率が高いのが不思議な現象だ。安倍
政権末期の支持率は30%近辺なのに、何もしていない菅内閣の支持率が高いのはマスコミの「叩き上
げ」だの「甘味が好き」という、政策には何の関係もない事で盛り上げる手法に乗ってしまったようだ。
安倍政権下では大企業や金持ちだけがいい目を見て、一般国民は収入は上がらず税金ばかり取られてい
るのにマスコミはそういう実態をしっかり報道しようとしていない。政治家にも官僚にも全国民にも読
んでほしい本だ。
「憲法改正」の真実 樋口陽一 小林節 集英社新書
している。小林氏は自民党の勉強会にも携わってきたが、その主眼は「憲法は国民を縛るものではない。
国家権力を管理するための最高法規である」という憲法の基本を徹底して自民党の議員たちに叩き込む
ことにあったと述懐している。最近の3世、4世議員たちは完全に勘違いをしているとも言う。曰く、
国民に選ばれているのだから自分たちの都合の良い解釈が成り立つという思い上がり。これは立憲主義
の崩壊である。
第二次安倍政権下で目立ったことは、自己に都合の良い会見は延々と報道させるが、不都合なことには
だんまりを決め込み、官僚に忖度をさせ、事実関係が破綻すると捏造までさせるという事態。ついには
憲法改悪に手を付けようとする暴挙。
何しろ自民党「憲法改正草案」では「個人」という言葉を削っているのだ。草案では個人より国家を優
先させようとしている。時代を逆行させるもので、完全に独裁を彷彿させるものだ。自民党の中枢には
多い考えなのだろう。
それにしても今回、安倍政権の路線を継承するとした菅内閣の支持率が高いのが不思議な現象だ。安倍
政権末期の支持率は30%近辺なのに、何もしていない菅内閣の支持率が高いのはマスコミの「叩き上
げ」だの「甘味が好き」という、政策には何の関係もない事で盛り上げる手法に乗ってしまったようだ。
安倍政権下では大企業や金持ちだけがいい目を見て、一般国民は収入は上がらず税金ばかり取られてい
るのにマスコミはそういう実態をしっかり報道しようとしていない。政治家にも官僚にも全国民にも読
んでほしい本だ。
「憲法改正」の真実 樋口陽一 小林節 集英社新書