トランプ政権とプーチン政権はウクライナ、そしてヨーロッパ抜きで停戦・ウクライナ大統領
選挙を目論んでいるようだとの報道(FOXニュース)があった。日本も対米追従路線一本やり
では世界の中でアメリカと共に孤立するかもしれない。著者によれば「世界は大国とその衛星
国、及びその他の小国からなる大国政治の世界」だという。誰も異を唱えることができない現
実がそこにある。
ウクライナ侵攻でロシアは欧米から激しい批判を浴び、経済制裁を受けているが、すでにウク
ライナの領土に進出し抑えている状況をいかんともしがたい。普通「実力行使」は非難の対象
になるが、アメリカ、中国、ロシアは意に介さず行使する、それが「主権国家」だという。主
権国家とは、原理的にその上にいかなる存在もない至高の存在であるのだ。
元駐露外交官だった著者の提言は「短期的な日本外交のヴィジョンとは、極東における安定的
な協調的均衡を外交的に維持していくことであり、アメリカの極東政策とヴィジョンに協力す
ることだろう」とし「アメリカがこうしたヴィジョンに基づく道を外さないように働きかける
こと」というものだ。
そのために日本には「今まで以上の外交力と国力(軍備拡大だけを指していない)が必要とな
る」と指摘している。日本の極東地政空間において「バランサー」としての可能性を持ってい
る。物事を単純化せず、あらゆる可能性を考え、行動する必要がある。
ロシアの眼から見た日本 亀山陽司 NHK出版新書
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