ここに日本社会の縮図がある。読売新聞は以前1000万部を売り上げ、それを誇りにしていた。今でも
770万部を売り上げ(2020年1月~6月平均)ており、朝日新聞+毎日新聞を大きく上回っているとい
う、中身が問題ではなく。そして雑誌「現代」誌上で2006年1月号で佐高信氏と対談した主筆・渡邉
恒雄氏は「いまも権力を保っているのはカストロ、そして渡邉恒雄だけなんだ」と語っている。
本書を読めば渡邉氏が巨人軍を読売新聞の子会社と考え、選手も売り上げを上げるための駒のように
捉えていることが明白だ。だから巨人軍のオーナーも社長も渡邉氏の思い通りに動いて当然と思って
いる。しかし命令を下す渡邉氏は野球をよく知らない、当時の桃井社長に「いまさら誰にも聞けない
んだがな。君、遊撃と二塁はどちらが一塁に近いんだ?」と聞いているそうだ。だから潤沢な資金を
有していた時代に他球団を凌ぐマネー力で次々に有力選手をFAで獲得していたのだ。当時、同じポ
ジションに似た選手が被り、意味のないような補強に見えたのはそういう裏があった。
日本では大企業に力を持ったトップが未だに文鎮のように重しになっているところが見受けられる。
彼らは昔の成功体験が忘れられない、常にトップダウンの指示が好きだ。そして残業も厭わずという
社員を重宝する為、日本の会社員は長時間労働が当たり前だ。日本の会社の生産性は各先進国の中で
あまりに低い。先進国の中で賃金が全然上がらないのは、こういう理由がある。日本は大企業のトッ
プから変わっていかなければ沈没したままだ。
巨魁 清武英利 ワック株式会社
770万部を売り上げ(2020年1月~6月平均)ており、朝日新聞+毎日新聞を大きく上回っているとい
う、中身が問題ではなく。そして雑誌「現代」誌上で2006年1月号で佐高信氏と対談した主筆・渡邉
恒雄氏は「いまも権力を保っているのはカストロ、そして渡邉恒雄だけなんだ」と語っている。
本書を読めば渡邉氏が巨人軍を読売新聞の子会社と考え、選手も売り上げを上げるための駒のように
捉えていることが明白だ。だから巨人軍のオーナーも社長も渡邉氏の思い通りに動いて当然と思って
いる。しかし命令を下す渡邉氏は野球をよく知らない、当時の桃井社長に「いまさら誰にも聞けない
んだがな。君、遊撃と二塁はどちらが一塁に近いんだ?」と聞いているそうだ。だから潤沢な資金を
有していた時代に他球団を凌ぐマネー力で次々に有力選手をFAで獲得していたのだ。当時、同じポ
ジションに似た選手が被り、意味のないような補強に見えたのはそういう裏があった。
日本では大企業に力を持ったトップが未だに文鎮のように重しになっているところが見受けられる。
彼らは昔の成功体験が忘れられない、常にトップダウンの指示が好きだ。そして残業も厭わずという
社員を重宝する為、日本の会社員は長時間労働が当たり前だ。日本の会社の生産性は各先進国の中で
あまりに低い。先進国の中で賃金が全然上がらないのは、こういう理由がある。日本は大企業のトッ
プから変わっていかなければ沈没したままだ。
巨魁 清武英利 ワック株式会社