これは面白い!上下巻800ページの長編ですが、長さを全く感じさせません。厳寒のニューヨーク、残忍な
手口の犯人、ストーリーは複雑ですが惑うことなく読み進めることが出来るのは作者の技量が抜群だという
ことでしょう。ページをめくって最初のセリフが「やつら、死ぬのにどれくらいかかった?」です。これは
犯人たちの会話で、驚いたことにこの物語は犯人を最初に描いているのです。それでも逆に不気味さが増す
という展開で思いっきり引き込まれます。
主人公のリンカーン・ライムはニューヨーク市警科学捜査顧問で四肢麻痺の鑑識の天才。現場に落ちていた
微細な証拠品から、あらゆる物質特性を見極め犯人像を浮き彫りにしていく過程が見事。その目、手足とし
て大活躍するのが、アメリア・サックスで現場鑑識を徹底的に進める刑事でモデルの経験もある美女。鑑識
でありながら銃の腕前も一級で突撃班の先頭に立つことも厭わない勇敢な人物。この二人を中心に敏腕刑事
のロン・セリットー(いつもしわくちゃのスーツとシャツ)、鑑識技術者のメル・クーパー、市警の新米警
官、ロナルド・プラスキー(メモ魔で失敗もあるが、本作ではヒントを与えたり大活躍する)介護士のトム
(ライムとの会話の応酬が楽しい)、今作に初登場の尋問のエキスパート、キャサリン・ダンス(犯人尋問
で素晴らしい能力を見せライムも一目置くようになる)と作者の登場させた人物たちは本当に魅力的で、ワ
クワクしながら読んでしまう。
危険な犯人たちはアメリアやキャサリンもターゲットにする大胆さと、指紋一つ残さない慎重すぎる繊細さ
を併せ持ち捜査班をかく乱する。さらにアメリアは二つの事件を掛け持ちして、自ら窮地に陥ってしまう。
思わわぬ物語の行方に読者も翻弄されますが、捜査班のホワイトボードが何度も登場し、臨場感を味わいな
がら、ち密な捜査を追体験できます。もしブックオフ等で見かけたら即買いです。
ウォッチメーカー ジェフリー・ディーヴァー 文春文庫
手口の犯人、ストーリーは複雑ですが惑うことなく読み進めることが出来るのは作者の技量が抜群だという
ことでしょう。ページをめくって最初のセリフが「やつら、死ぬのにどれくらいかかった?」です。これは
犯人たちの会話で、驚いたことにこの物語は犯人を最初に描いているのです。それでも逆に不気味さが増す
という展開で思いっきり引き込まれます。
主人公のリンカーン・ライムはニューヨーク市警科学捜査顧問で四肢麻痺の鑑識の天才。現場に落ちていた
微細な証拠品から、あらゆる物質特性を見極め犯人像を浮き彫りにしていく過程が見事。その目、手足とし
て大活躍するのが、アメリア・サックスで現場鑑識を徹底的に進める刑事でモデルの経験もある美女。鑑識
でありながら銃の腕前も一級で突撃班の先頭に立つことも厭わない勇敢な人物。この二人を中心に敏腕刑事
のロン・セリットー(いつもしわくちゃのスーツとシャツ)、鑑識技術者のメル・クーパー、市警の新米警
官、ロナルド・プラスキー(メモ魔で失敗もあるが、本作ではヒントを与えたり大活躍する)介護士のトム
(ライムとの会話の応酬が楽しい)、今作に初登場の尋問のエキスパート、キャサリン・ダンス(犯人尋問
で素晴らしい能力を見せライムも一目置くようになる)と作者の登場させた人物たちは本当に魅力的で、ワ
クワクしながら読んでしまう。
危険な犯人たちはアメリアやキャサリンもターゲットにする大胆さと、指紋一つ残さない慎重すぎる繊細さ
を併せ持ち捜査班をかく乱する。さらにアメリアは二つの事件を掛け持ちして、自ら窮地に陥ってしまう。
思わわぬ物語の行方に読者も翻弄されますが、捜査班のホワイトボードが何度も登場し、臨場感を味わいな
がら、ち密な捜査を追体験できます。もしブックオフ等で見かけたら即買いです。
ウォッチメーカー ジェフリー・ディーヴァー 文春文庫