よしーの世界

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新宿ゴールデン街   渡辺英綱

2024-12-10 06:24:09 | 

新宿ゴールデン街で呑んだことはありませんが、一度新宿に遊びに行って迷い込んだこと

があります。本書では、その中の一軒「ナベサン」のマスターでこの街とともに生きてき

た著者が歴史と現在(1986年位まで)を描いています。

 

「新宿」新しい宿は、元禄十一年(1698年)に浅草安倍川町の名主喜兵衛らが、宿場の開

設を幕府に願い出て、権利金を上納して営業権を確保したところから始まります。宿場の

旅籠屋では、足洗い女、飯盛り女を置いていていましたが、彼女らは遊女や売春婦でもあ

りました。それで遊郭の経営者のモットーは「お上に逆らわず、従わず」。やがてこの辺

りは遊郭の色を濃くしていきます。

 

新宿は関東大震災以後、東京の西郊における一大中心地となり発展していきます。それが

太平洋戦後闇市が大きくなり、占領軍の露店取り払い令が出て、区画整理が始まり、新宿

ゴールデン街の歴史が始まります。

 

ゴールデン街は二百七十軒の呑み屋が密集することにより、文化を担う人々の憩いの「場」

を提供しました。そこには作家、詩人、評論家、映画、演劇関係者が集い、マスコミ等の

関係者も日参することで、異様なエネルギーを醸し、銀座、赤坂とは異なる文化圏が形成

されました。

 

   新宿ゴールデン街   渡辺英綱           晶文社

コメント (2)
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